スクリーンに★印が出たらボタンを押すという課題では、印を見てからボタンが押されるまで0.2~0.3秒程度はかかります。
集中していないと0.5秒以上もかかてしまうのですが、速くボタンを押そうとすると、印を見る前に押してしまうときがあります。
印が出て、その視覚情報が脳に届き、脳が筋肉に指令してボタンを押すまで0.1秒以上はかかるので、計測時間が0.1秒以下のときはファウルとして計ると、平均では0.2秒~0.3秒程度はかかるのです。
合図が光でなく音の場合は、0.15秒~0.25秒と反応が早くなるのですが、0.1秒以下では合図の前に反応したことになり、ファウルとなります(光より音のほうがはるかに遅いのに反応が早いので、脳内の視覚処理は音の処理より遅いことが分かります)。
真ん中の図のように、スクリーンに現れる合図が★だけでなく、◇が出る場合もあり、◇の場合はボタンを押さないという場合は合図を見て判断をしなければなりません。
★と◇のどちらが出てもボタンを押すというのなら、最初と同じで0.2秒~0.3秒程度で反応できますが、◇のときは押さないということになると、★が出たときボタンを押すのにかかる時間は0.3秒以上になります。
押すべきかどうか判断するのに余分な時間がかかるのですが、◇が出たときつい手が動いてボタンを押してしまう場合があります。
こうしたファウルをなくそうと意識すると、★がでたときボタンを押す時間はさらに遅くなります。
◇が出たときボタンを押さないでいるというのは、前頭葉が未発達だったり、損傷していたりすると難しいといいます。
前頭葉による抑制が効かないので、ボタンを押そうとする衝動を抑えられないからだと推測されるからです。
前頭葉のはたらきが悪いと我慢が出来ない、切れやすい人間だといわれてしまいます。
ところで真ん中の場合はボタンがひとつだったのですが、右側の例のようにボタンが二つある場合はどうでしょうか。
この場合は◇が出たときは何もしないというのではなく、右のボタンを押せばよいのですが、ボタンを押さないという場合に比べるとファウルは少なくなります。
少し慣れてくれば反応時間が短くなるだけでなく、ファウルもほとんどなくすことが出来ます。
子供をキレやすくしないために、前頭葉を鍛えるという議論がありますが、前頭葉は20歳過ぎに発達が完了するということからすればそれは難題というものです。
上のような例から考えれば、前頭葉を使ってただ我慢をさせるというより、別の選択肢を与えるほうが有効な感じがします。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます