お魚三昧生活

鹿児島の定置網で獲れる魚や市場の魚、鹿児島大学総合研究博物館魚類ボランティア(魚ボラ)の事などを紹介します!

アカヒメジ

2016年08月31日 | 定置網
 今日は定置網でアカヒメジが1個体獲れる。アカヒメジは珍しい魚ではないが、うちの定置網では稀な方である。今までに魚ボラの標本用としては確保済みであるが、このアカヒメジは鱗が剥げやすく綺麗な標本写真を撮ったことが無い。今回はまだ他の魚と混ざる前の結構早い段階で見つけ取り上げ、鱗も綺麗な状態で確保することが出来た。だが、家に持ち帰り、撮影する段階で魚を見るとやはり鱗が剥げている箇所が確認できる。撮影前に標本の洗浄や展鰭の段階で鱗が剥げてしまった模様。結局、最終的には同じ写真のようになってしまう。アカヒメジに限らずヒメジの仲間は鱗が剥げやすく、結構気を使わないと綺麗な写真は撮れない感じである。
*後日、魚ボラでこの個体はモンツキアカヒメジと同定されました。

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深海性魚類を標本登録

2016年08月29日 | 魚ボラ
 昨日標本用に頂いた深海性の魚類。今日は午前中から撮影。標本の数が多く家の冷蔵庫で保存できない為、午後からは鹿児島大学へ走り、標本登録に行く。突然の訪問なうえ、普段は調査などで学生は出張に行っている事が多く、大学に何人残っているかが心配であったが、幸い出張は数名だけで殆どの学生が居てくれたので助かる。それでも帰る時間までには全ての作業は終わらず、あとは任せて帰宅する。今回の標本は採集する時点での丁寧な扱いのお陰で、標本の状態が非常に良いと高評価であり、標本を提供して下さった方に感謝したい。今度は自分もこの深海エビ漁の船に乗船して、まだまだたくさんいると思われる深海性の魚種を確保したいところである。








ボウズカジカ


ソコマトウダイ


ザラガレイ


上、ウロコガレイ  下、ヒレグロ

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深海性魚類の撮影

2016年08月29日 | 日記
 昨日はたくさんの深海性魚類の標本を頂いた。だが、夜は忙しく標本写真を撮影することはできなかった。これだけたくさんの標本を家の冷蔵庫では保存できないので、今日は仕事が終わってから鹿児島大学へ持ち込み標本登録しようと考えていた。ところが今朝、風が吹いて時化となり、出漁できず仕事が休みとなる。という事で諦めていた撮影を朝から行う。深海性の魚類は普段から馴染みの無い魚なので、殆どが初めての撮影となる。標本撮影は魚の洗浄、鰭立て作業をしてから行うので時間が掛かる。今日の午後には大学へ標本を持ち込まなければいけないので、撮影するには午前中しか時間が無い。その為、少しずつ展鰭しては撮影する。結局、タイムリミットが来て、全て撮影することはできなかった。午後には鹿児島大学へと走る。

ユメカサゴ



ヒゲキホウボウ



ボウズカジカ



サンゴイワシ



ミドリフサアンコウ



ソコマトウダイ




フウリュウウオ属?




アミメフウリュウウオ



カタホウネンエソ



アカカサゴ



シロカサゴ


アオメエソ



カゴシマニギス

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大量な標本

2016年08月28日 | 日記
 今日は日曜日という事で朝から子供達と鹿児島市内へ行く。夕方帰宅すると知人から電話があり、標本を家まで届けてくれるとの事。この知人が仕事が休みなので知り合いの深海エビ漁に乗船し、私の為に沖で捨てられてしまう深海性の魚を標本用に確保して来てくれた。うちの前まで来たのでクーラーボックスを持って標本を受け取りに行くと、沢山有りクーラーボックスでは入りきらないと言われる。結局、標本を入れてきた大きなスチロール箱ごと受け取る。中を覗くと丁寧に氷水に浸かった標本がたくさん入っている。少し見ただけでも魚種名を調べないとわからない魚ばかり。魚だけではなく、見た事無い深海性のエビ類、イカ類も入っている。とりあえず全て出してみると魚は27種45個体も入っている。直ぐにでも標本写真を撮りたいが、今日はこれから会議である。エビ類、イカ類は冷凍し、魚はクーラーボックスに移し、この標本をどうするか考える。
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残念なヒゲハギ

2016年08月20日 | 市場
 今日は定置網漁を終え、市場で水揚げをしていると床にヒゲハギが転がっているのが目に付く。ヒゲハギは標本用に探している魚なので直ぐに拾い確保する。ヒゲハギは食べる事が無いので市場に水揚げは出来ない。その為、このヒゲハギは恐らく選別作業で捨てられる魚として除去され、それが床に転がっていたものと思われる。だが、このヒゲハギを手に取りよく見てみると総排出腔から腸が飛び出していたり、眼がズレている感じである。床に落ちていたので恐らく誰かに踏みつけられてしまったのではないだろうか。思わぬ形で手に入れたものの、またまた残念な状況である。標本収集を始めてからヒゲハギを探し続け、ようやく2年前にうちの定置網で初めて獲れた個体もスレていて鰭などがボロボロの状態で見つかっている。いったい何時になったら綺麗なヒゲハギの標本確保に写真撮影ができるのだろうか。

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2冊の図鑑

2016年08月18日 | 日記
 今日、鹿児島大学総合研究博物館から大きな封筒が届く。心当たりは無く何だろうかと封を切ると図鑑が2冊入っている。ひとつは「南九州頴娃の海水魚」という図鑑。もうひとつは「鹿児島市の川魚図鑑」である。南九州の図鑑は発行から時間が少し経っており、その存在は知っていたが、鹿児島市の図鑑はその存在どころか製作していた事すら知らなかった。「南九州頴娃の海水魚」は黒バックの標本写真で統一されていて、とても見易い図鑑である。場所的にうちから近いので魚種的には同じような感じだろうと思っていたが、見てみると結構こちらでは未確認の魚種が多々あり、太平洋側と東シナ海側の違いを痛感させられ、やはり太平洋側の方が黒潮の影響を直接受け、面白そうである。「鹿児島市の川魚図鑑」は川魚図鑑ではあるが、パラパラっと捲った感じでは海水魚が多く目に付き、そこに淡水魚が混ざった感じである。鹿児島市には距離のある大きな川は無く、どうしても鹿児島市と括ってしまうと魚種では汽水域の魚が中心となってしまうのだろう。子供向けに作られたらしく、解説を読むと所々に子供達に向けたメッセージ的な言葉が目に付く。この図鑑の著者を存じているのだが、このような解説を書くような感じの人ではないので、著者を想像しながら解説を読むとそのギャップが面白く、ついつい全て読み切ってしまう。このような2冊の図鑑を見ると、自分の所の魚もまとめて図鑑にしたいという思いが募って来る。
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残念なウミテング

2016年08月18日 | 定置網
 今日は定置網で久しぶりにウミテングを発見する。水面に浮いていたので急いでタモ網で掬いとる。ウミテングは標本用に既に確保済みなので、水族館用に生かそうとタモ網から魚体を手に取ると何だかあまり動かず元気がない。更によく見ると尾鰭が無くなっている。元気の無さから他の魚に襲われた可能性が高い。これでは水族館用には不向きである為、標本用に確保する。ところが一応標本用に確保はしたものの、非常に珍しい魚ならまだ良いが、既に数個体は標本登録済みである魚なので、今更尾鰭が無い個体まで標本にするのもどうかと思う。結局、冷凍保存はするものの今後の使い道はこれから考える。
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久し振りのエビスシイラ

2016年08月08日 | 定置網
 沖から綺麗な潮が入って来て、今日は定置網漁がシイラ主体となる。港に戻り選別作業をしていると久しぶりにエビスシイラを見つける。調べると実に4年振りの入網である。選別作業を終え、最終的に1トン強獲れたシイラの中からエビスシイラを3個体見つけ全て確保する。持ち帰るものの、現在家の冷凍庫は標本でいっぱいであり、小さいとはいえこのサイズの標本を3個体も冷凍するスペースはない。Facebookに投稿すると、エビスシイラの雌雄の違いの問い合わせがある。確かに普通のシイラにはハッキリとした違いが表れるが、今まで見たエビスシイラは全て同じである。雌雄の違いが気になるし、冷凍できないので捌いて生殖腺を確認して雌雄を調べてみる。すると雄が2個体に雌1個体であった。更に驚いたのが雌雄共に生殖腺が発達している。このサイズでしかも雌雄の違いが表れていないのにもう成熟している。という事は外見からは違いがわからないのだろうか。違いを調べる為に展鰭し写真を撮る。撮った写真から比較すると雄個体の方が背鰭の高さが高い感じである。色々な魚種の例を見ると、これは繁殖時期に雄が求愛行動で鰭を大きく広げ、雌にアピールする為だろうと考える。だが、エビスシイラは体長70センチまで大きくなるらしい。この個体は成熟しているものの、まだ小さい。大きな個体はまだ見た事無いのだが、成長すると普通のシイラのように雄の頭部が張り出してくるのだろうか。


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クロコバン

2016年08月03日 | 定置網
 今日は定置網でシロカジキが獲れる。そのシロカジキにコバンザメが吸着しており、標本用に確保する。2個体確保するが体色が黒と白である。最初はいつものナガコバンかと思っていたが、尾鰭が湾入していない。となるとクロコバンかヒナコバンである。コバンザメの仲間は吸盤の板状体や尾鰭、胸鰭と吸盤との位置で容易に同定できる。だが、このクロコバンとヒナコバンだけは体色の違いだけで非常に良く似ており、いつも悩まされる。厄介だと思っていたら、今度の魚類検索図鑑第三版ではヒナコバンが消えている。計数形質や外観が酷似しており、ヒナコバンはクロコバンの色彩変異となった模様。となると、この2個体はクロコバンとなる。これでコバンザメ科の同定が楽になった。

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ベニカエルアンコウ

2016年08月03日 | 定置網
 今日は定置網漁で小さなカエルアンコウが獲れる。いつも獲れるものよりも体色が綺麗なので取り上げると、普通のカエルアンコウでない事がわかる。持ち帰り同定するとベニカエルアンコウの幼魚である。カエルアンコウの仲間で普通のカエルアンコウ以外はここでは珍しい。素潜りで採集した覚えはあるが、定置網で獲れた記憶がない。ひょっとして初入網かと思い過去のブログを調べると、ベニカエルアンコウ初入網の記事を見つける。これで初入網ではないとわかる。ただ、前回獲れた個体は体色が黄色であり、今回はオレンジ色とバリエーションが違う。同じ魚種ではあるが体色が違うバージョンなので良しとする。

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