お魚三昧生活

鹿児島の定置網で獲れる魚や市場の魚、鹿児島大学総合研究博物館魚類ボランティア(魚ボラ)の事などを紹介します!

キビレヒイラギ

2019年02月27日 | 定置網
 今日は定置網漁を終え、市場でオキヒイラギの選別作業をしていると、違和感のある個体が目に付く。手に取りよく見ると普通のオキヒイラギよりも顎が若干太くて大きいように見える。コバンヒイラギだろうかと思い、コバンヒイラギの特徴である犬歯状の歯があるか口の中に指を入れ確認する。だが、指を入れても歯には触れないのでコバンヒイラギではない。となると思い当たるのはキビレヒイラギである。キビレヒイラギは今までに1個体だけ魚ボラの標本用に確保しているのだが、自分ではその記憶が定かではない。恐らくオキヒイラギとしては違和感があり標本用に確保したのだろうと思っていて、今回も同じような状況であった為ピンと来た。今日は魚ボラの日であり学生の送別会もあるので丁度大学へ行く予定である。標本を確保し大学へ向かう。同定してもらうとやはりキビレヒイラギであった。これで自分でもキビレヒイラギを認識することができた。その後、魚ボラの送別会が行われ、今年は3名の学生が卒業となってしまう。主力3名の卒業はとても痛いところではあるが、今まで大変にお世話になった学生達なので、今後の活躍に期待したい。

キビレヒイラギ



上がキビレヒイラギ 下がオキヒイラギ
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夜間採集でイカナゴ幼魚?

2019年02月23日 | 採集
 今日も土曜日なのでいつもの港へ夜間採集へと出掛ける。実は一昨日この港の目の前の岩場にマッコウクジラが2頭も座礁した。昨日の朝には移動したものの、すぐ目の前の島陰に一時的に係留されたままである。クジラから脂が流れ出し、港に影響しないか心配であったが、現場に着くとその影響はなさそうである。いつものように採集を行う。すると早くも稚魚を見つけ採集。暗くてよくわからないが、見たことのない稚魚であり確保する。その後、シラスのような魚を発見し採集。アユの仔稚魚かなと思い見ると見覚えのある稚魚である。更にその後も同じ種と思われる個体を採集し終了。家に帰り水槽に入れてよく見ると、やはりイカナゴのように見える。12年前にも一度だけ同じくこの場所の夜間採集で採集したことがある。だが、イカナゴは鹿児島では恐らく未確認である。だが、ここの海域は日本三大砂丘が近くにあるだけに、生息していてもおかしくない海域である。ここの海域でイカナゴの生息が確認でき、イカナゴ漁ができるようになれば、この夜間採集も漁業に貢献できるのだが。




謎な稚魚

*後日「謎な稚魚」はヒラスズキの稚魚と教えて頂きました



イカナゴの稚魚?

*後日、魚ボラでイカナゴの稚魚と同定されました。
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夜間採集

2019年02月16日 | 定置網
 今日も土曜日という事で夜間採集の日である。今朝は海上は時化で定置網漁も操業していない。夜になっても風はまだ強く、海は時化模様。それでも一応、港へ夜間採集に行く。現場に着くと風が吹いているものの、海中は意外とよく見える。見渡すと稚魚が群れており、タモ網で掬うとカサゴの稚魚である。前回もカサゴの稚魚が多かったが、今回は更に多い感じがする。そんな中、ヒラヒラと透明な稚魚を発見し採集。ダルマガレイ科の稚魚と思われる。その後も同じ場所で待ち続けるとまたダルマガレイ科の稚魚が流れて来て採集。その後もその繰り返しで、待っていればいくらでも採集できそうな感じである。だが、今夜もとても寒く、待つのも大変だし、採集したダルマガレイ科の稚魚も死んでしまえば白くなってしまうので早々に撤収。家に帰り直ぐに撮影に入る。撮った写真を見るといつも採れるイイジマダルマガレイ属の稚魚のようである。いつも採れるがイイジマダルマガレイ属の幼魚、若魚、成魚はこの周辺では見つかっていない。着底するとどこへ行ってしまうのだろうか。


イイジマダルマガレイ属の稚魚
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奄美群島の魚類図鑑

2019年02月15日 | 魚ボラ
 今朝、起きて地元紙を見ると「奄美群島の魚類図鑑」の記事が載っている。昨年発行された「奄美群島の魚類」(非売品)を大幅に増補改訂されたもので、今回は発行元が南日本新聞開発センターということで、一般に販売もされる。この一年で魚種も64種追加され、151科1321種の魚類を3370枚の写真で紹介されている。前回は「チンアナゴ属の一種」として載っていた魚も、その後新種記載され、「ニゲミズチンアナゴ」と新称となっている。新聞記事には「いつ、どこで捕獲したかも記載」となっているが、採集場所は記載されているものの、いつ採集されたのかまでは記載されてない。今回も私はノータッチなので、これは販売される図鑑なので買わないといけないなと思っていた。ところが夕方、宅急便が届き、魚ボラの先生からこの図鑑が送られてきた。こんなに直ぐに手に入るなんて本当に先生に感謝である。



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ボウズハギ

2019年02月02日 | 市場
 今日はもう一種、帰港するとニザダイに似た魚を確保していると漁協職員の方に言われる。冷蔵庫へ見に行くとボウズハギである。ボウズハギはうちの定置網ではまだ獲れた事が無く、市場で一度だけ見つけ、標本用に確保しており、ここでは一応珍しい種である。前回は体側に特徴となる暗色横帯が出ていなかったが、今回はハッキリと表れている。そこまで珍しい魚ではないが、うちの定置網で獲ることが今後できるだろうか。

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本物のニセタカサゴ

2019年02月02日 | 市場
 今日は市場で水揚げ作業をしていると雑魚の中にタカサゴ、ニセタカサゴを見つける。2種揃って水揚げされているのだと思うが、よく見るとタカサゴだろうと思っていた個体の様子がおかしい。更に手に取りよく観察すると体側にある縦帯が側線と沿うように走っており、タカサゴではなくニセタカサゴである。ここで獲れるニセタカサゴは2本の縦帯が幅広く、更にその間にも縦帯が走っており、沖縄に生息するニセタカサゴとは見た目が違い、黒潮に乗り、沖縄以南から流れてきた種と思われる。その為、黒潮沿いで見つかるニセタカサゴは皆ここで獲れる個体と同じである。今回市場に揚がっていた個体は、沖縄に生息するニセタカサゴと同じ容姿である。この個体こそ、本物のニセタカサゴである。並べてみると本当に全く違った魚である。だが、今のところどちらもニセタカサゴとなっている。この2パターンのニセタカサゴは現在研究されているらしいが、今後2種にわかれるのだろうか。




上が今までここで獲れていたニセタカサゴ。下が今回見つかった本来のニセタカサゴ
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