お魚三昧生活

鹿児島の定置網で獲れる魚や市場の魚、鹿児島大学総合研究博物館魚類ボランティア(魚ボラ)の事などを紹介します!

ミゾレブダイ

2008年08月27日 | 定置網

 今日は定置網で小さなブダイの仲間が捕れる。普段捕れるブダイ科魚類とは違う。うちの定置網ではこの種は今までに1個体しか捕れた事がなく、この個体で2個体目と稀種である。ブダイ科魚類の同定は他の魚と少し違くややこしい。ブダイ科魚類は計数形質(背鰭・臀鰭・腹鰭)が全種において一致しているため決め手にちょっと欠ける。そのうえ、見た目に雌雄で違ったり、幼魚・成魚間での体色変化が著しく、そのため同定が困難となってしまう。前回の個体もそうだが今回も図鑑・ネットなどで調べたところ、ミゾレブダイではないだろうか?ミゾレブダイは分布域が琉球列島となっている。だが各地で確認はされているようである。だが標本としての個体数は少ないと思われるので魚ボラの標本用に確保し、冷凍保存する。


*ミゾレブダイLeptoscarus vaigiensis (Quoy and Gaimard,1825 ) と同定されました
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ヘラヤガラ

2008年08月23日 | 定置網

 最近は定置網でアカヤガラの若魚がたくさん捕れる。そんな中、雰囲気の違う個体を見つける。ヘラヤガラである。ヘラヤガラは魚ボラの標本を集めるようになってからは定置網で一度も捕っていなかった。素潜り採集時に何度か見かけた事があるものの、体が大き過ぎたり、それを採集できる道具を持っていなかったりと標本を確保できないでいた。特に今回の個体は全長で40センチ程ととても小さく、標本としては最適である。体が傷付かないように急いで網で掬い魚ボラの標本用に確保し持ち帰る。ヘラヤガラには背鰭棘がある。だがそれを確認できる写真を見た事がないので展鰭して自分用に撮影する。ただ、個体は小さいものの普段撮影に使う水槽には入らない。結局は水の中に入れないで撮影を行なう。ヘラヤガラは図鑑などを見ると黄色い個体など色彩変異があるみたい。だがここではこの体色しか見た事がない。今度は是非、違う色彩のヘラヤガラを採集してみたい。
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魚ボラ

2008年08月20日 | 魚ボラ

 今日は魚ボラの日。今日は先週行なわれた屋久島魚類調査で採集された標本の同定作業を行なうとメールを頂いていた。ちょっと忙しいものの、どんな魚が捕れたのか見たいし知りたいので参加する。研究室?(教室)へ行くとみんな標本を並べ、図鑑を見ながら同定作業をしている。標本は既に展鰭してあり、写真も撮り済みでタグも付いている。後は同定のみであった。今回の調査では採集した魚種は100種を超えているそうだ。中には大変に小さな幼魚もあり、同定は困難そうである。撮られた写真を見ると、ここでは見掛けた事もない魚がたくさん含まれている。改めて屋久島採集に参加できなかったのが残念でならない。私はメギス科魚類の同定を行なう。検索図鑑を使って同定を試みるも同定できたのはメギスのみであった。残った数種は検索するも、行き着いた種とは計数が異なり、結局お手上げ状態となってしまった。ところが後で先生が海外産のメギス類の写真を見せてくれて、そこに似たような個体を見つける。ひょっとして日本初記録?真相はいかに!
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宿題

2008年08月17日 | 採集

 小学生の息子の夏休みも残すところ2週間となった。ところが今になって自由研究が終わっていないとの事。何をするか相談に乗り、小学校前に流れる川に生息する魚を調べることになった。川と言っても全長で3キロ程の水量の少ない小さな川である。とりあえず今日は採集しやすい場所を選び採集を試みる。するとオイカワにヨシノボリ(未同定)が捕れる。その後もヨシノボリは幼魚から成魚までたくさん捕れる。採集した魚を家に持ち帰り、息子が子供用の魚類図鑑で調べるとオイカワにヨシノボリと同定できた。ところがこのヨシノボリは恐らくトウヨシノボリである。だが子供の図鑑にはただヨシノボリと記載されている。本来ならば子供の調べる事なのでこれで良しとなるのだろうが、自分の息子となればこれで良いのかと悩んでしまう。ヨシノボリも正確に同定すれば数種いる可能性もある。更には気軽に考えていたこの調査。場所によっては川に入れない所があったり、水面を浮き草が覆っている所、河口など調べ難い場所がたくさんある。魚種によって生息場所が違うので全ての場所を調べなければ意味がない。そして、一番の問題は時間である。残り2週間で結果を出す事ができるのだろうか。
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コウワンテグリ

2008年08月09日 | 採集

 今日から魚ボラのメンバーは屋久島で魚類調査を行なう。それに参加できない私は地元で一人寂しく(いつもだが)魚の採集を行なう。今日は仕事が午前で終了。午後から素潜り採集を行なう。素潜りで魚を探すが、なかなか目新しい魚に出会えない。今年は昨年と比べると魚種がどこか少ない感じがする。黒潮の影響ではないだろうか。そんな中、石の下にモゾモゾ動く魚が目に付く。ネズッポ科の魚である。以前から確認はしていたがすばやく岩の下に逃げてしまい採集することができなく、採集方法を探していたところである。ところが今回は小さな転石が広がる場所である。ここなら採集できるのではと思い、即チャレンジ。採集することができた。持ち帰り検索図鑑やネットで調べると臀鰭の斜帯に疑問を感じるがコウワンテグリの雌個体のようである。今回は諦めていた魚を採集することができて良かった。まだ雄個体など標本用に数個体欲しいので、またこの場所で出会いたい!
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ニジハギ

2008年08月09日 | 採集

 今日はもう1種、ニジハギの幼魚を初採集。ニジハギは定置網で捕れた事はないものの、素潜りをしているとたまに見掛けていた。当然未採集の魚なうえ、色彩が鮮やかなので採集したい魚ではあった。だが、大変に動きが素早く、見つけても直ぐにどこかへ泳ぎ去ってしまう為、採集する事ができないでいた。今回は幼魚であった為か、見つけた後観察しているとその場所から離れない。これなら採集できるかと思い、試みるも近づくと直ぐに岩の間に隠れてしまう。何度も試みるが同じ事の繰り返しであったが、何とか採集する事ができた。だが、この1個体の為に時間と体力をかなり費やしてしまった。でも初採集という事で良かったかな。
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赤いイヌカサゴ?

2008年08月07日 | 採集
 今日は仕事が終わってから貝採り・魚の採集に行く。現場に着くと既に午後4時。時間が余りないので貝採りを行なう。潜ると透明度がよく、いろいろな魚が目に飛び込んでくる。魚を見てしまうと採集したくなり、結局は魚の採集を行なってしまう。ある魚を追いかけて潜ると目の前にジッとして動かないオニカサゴが目に付く。一度浮上し呼吸を整え、オニカサゴ目掛けて再び潜る。タモ網を近づけても逃げる事なく、体に網を被せるとようやく逃げようとするも既に網の中。簡単に採集。見ると体が赤っぽく普通のオニカサゴとその場では思った。オニカサゴは氷水で〆ると鰭を立てた状態になるので活かして持ち帰る。オニカサゴの入っているバケツにたくさん氷を入れて〆る。案の定、展鰭状態となった。一応、涙骨隆起を確認すると先端が微かに尖っている。指で触れると小さいが尖っているのが確認できる。という事はイヌカサゴのようである。ただ、今まで見てきたイヌカサゴほどハッキリと涙骨隆起の先端が尖っている様子が確認できない。何度も触ってみるがあんまり触ると無くなってしまいそうなくらいの尖り方である。また、体色も見た目は普通のオニカサゴのような感じである。だがイヌカサゴかなと思うと体色も不思議と黒っぽく見えてくる。結局はどちらと判断できないので魚ボラに持ち込んで先生に聞いて見なければならない。でも先生も今後忙しい。今度はいつお会いできるのだろうか?
*後日、魚ボラでイヌカサゴScorpaenopsis ramaraoi(Randall and Eschmeyer,2002)と同定されました。

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