お魚三昧生活

鹿児島の定置網で獲れる魚や市場の魚、鹿児島大学総合研究博物館魚類ボランティア(魚ボラ)の事などを紹介します!

クロホシマンジュウダイ

2010年09月30日 | 採集

 今日は仕事の休憩中、倉庫前の港を覗き込んでいたうちの従業員が変った魚がいると叫ぶ。見に行くと木くずなどのゴミがたくさん浮いている。さらによく見るとその中の2つのゴミが潮の流れに逆らって動いている。たぶんあの魚の幼魚だなと思い、確かめるために掬ってみる。すると2個体とも捕れ、明らかにクロホシマンジュウダイの幼魚である。クロホシマンジュウダイは幼魚と成魚では体色や模様が全く違い、知らないと幼魚を見てみもこれがクロホシマンジュウダイである事が分からない程である。毎年この倉庫前で幼魚を採集できるのだが、いつもは体長が1~2センチ程で成魚とはまったく体色が異なる個体であるが、今回採集した個体は2個体とも体長が4センチ近くあり、成魚によく似た模様になっている。これならクロホシマンジュウダイの幼魚である事がよくわかる。この移り変わりも写真に全て収めてみたい。
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スマ幼魚

2010年09月22日 | 定置網

 今日は定置網の選別作業中、サバ科魚類の幼魚を見つける。体長で15センチちょっとである。見ると胸甲部の感じからスマの幼魚とすぐにわかる。だが、この個体がスマと分かったと同時にひょっとしてと思うところがある。実は8月から9月の初め頃にやはりサバ科魚類の幼魚が定置網で獲れる。全長で10センチも無いくらいの個体で胸甲部の状態はよくわからない。そこで体高が低いのでマルソウダもしくはヒラソウダの幼魚だと思っていた。だが、今回この個体がスマである事で今まで採集してきたサバ科の幼魚がスマである可能性が出てきた。スマとマル・ヒラソウダの違いを検索図鑑で調べると第一背鰭と第二背鰭が離れるか接近するかである。今まで撮ってきた標本写真を見るとパッと見た感じでは離れているように見えるが、拡大してよく見ると短い背鰭棘が第二背鰭の近くまで確認できる。という事は全てスマの幼魚である。魚ボラの標本に登録してあるはずなので、そちらではちゃんと同定されていると思われ、自分の中だけで間違って思い込んでいたようである。でも標本写真を小さな背鰭棘も立てて撮っていたので、そういう意味では良かったかな。
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フタスジタマガシラ

2010年09月18日 | 採集

 今日は仕事が早く終わったので、貝の素潜り漁に行く。ところがここならたくさん採れるだろうと思って行った場所に目的の貝が全くいない。時間が無駄なので場所を変えようと戻る。すると陸に上がろうとする場所に今まで見た事のない魚が泳いでいるのが目に付く。顔つきからタマガシラの仲間だろうと思うが種までは分からない。生憎、採集道具を持っていない。だが観察しているとその場所から全く離れようとしない。さらに近くに隠れるような大きな岩やサンゴはない。イチかバチか陸に上がり、急いで車まで戻って魚の採集道具を取り、再びその場所に潜る。すると、思った通り同じ場所にまだいる。そして難なく採集する。持ち帰り調べるとフタスジタマガシラの幼魚と分かる。フタスジタマガシラの成魚は姿かたちを知っていたが、幼魚がこんなにも違うとは知らなかった。その模様の移り変わりが分かるような各ステージの写真を撮りたい。でも初めて見た魚である。これからも出会いがあるだろうか。
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イレズミニザ

2010年09月18日 | 採集

 今日、場所を移動して採集した2種目。イレズミニザと思われる。7月にこの幼魚と思われる個体を採集していて(ブログ 2010 7.26)、この種の成長した個体を採集しようと考えていた。探しているとニセカンランハギの群れの中に数個体この種が混ざって泳いでいるところを発見。採集しようとすると凄い勢いでニセカンランハギまで逃げまわり、見失ってしまう。イレズミニザだけ集中して見ていても動きが速いうえ、よく似たニセカンランハギが混ざってくるので厄介である。改めて群れの意味、威力を思い知る。すると群れから逸れたイレズミニザを見つけ、追い込み採集する。前回採集した幼魚は全長が6センチ程であったが、今回採集した個体は全長で13センチ程と倍くらいある。幼魚もそうであったが泳いでいる時は体の前半部は明るく、体後半部は黒っぽい体色であったが、捕まえると普通の体色になってしまい特徴が分かり難い。ネットで調べると頭部に小橙色斑が散在する事や胸鰭が黄色である事、尾柄部が白い事でイレズミニザであろうと思われる。今度は成魚を採集しなければ。
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シロボシテンジク

2010年09月14日 | 定置網
 今日は定置網の漁獲物を水揚げをしていると、漁協定置網の人から珍しいのではと魚を頂く。見るとシロボシテンジクの幼魚である。実はこのサメの幼魚、昨日も他の定置網の捨てられる魚の中から自分で見つけ、魚ボラの標本用に確保している。このシロボシテンジクは毎年、この時期に幼魚が1個体ずつではあるが獲れている。最初に獲れたのは5年前で、自分ではサメの幼魚である事しか分からず、種までは同定できなかった。その頃はまだ鹿大に魚ボラの先生もいなく、今回の個体を含め、分からない魚は北海道大学まで送り、そこの研究者の方に精査してもらっていた。さらにこの魚に関しては孵化仔魚の初記録で、九州南部で繁殖している事を証明し、生物地理学会年報で報告してもらった思い出の魚である。その為、初採集個体の標本は北大に所蔵されている。幼魚は毎年この時期に獲れるのだが、成魚は未だに獲れた事がない。
*現在ではシロボシテンジクはテンジクザメと同種とみなされ、テンジクザメとなっています。
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今度はヨスジ?

2010年09月06日 | 定置網

 今日は定置網でまた、青いラインの入った黄色い魚を見つけ、取り上げる。見ると4本の青いラインの下にもう1本、鰓蓋や腹部など所々に薄らと青いラインが確認できる。これがあるという事はヨスジフエダイである。前回獲れたのがベンガルフエダイと同定された(ブログ 2009 11.27)ので、持ち帰り一応検索図鑑で詳しく調べる。検索図鑑では背鰭棘数がヨスジフエダイは通常10以下、ベンガルフエダイが通常11以上となっている。この個体の背鰭棘は11である。だが、ヨスジフエダイの計数は10~11棘となっているので11棘ではお互いに当てはまる。胸鰭は上部のみ黄色く、後は透明である。これはヨスジフエダイの特徴で、ベンガルフエダイでは全体が薄い黄色となると前回教えてもらっている。いろいろと考慮するとやはり今回の個体はヨスジフエダイの可能性が極めて高い。でも、自分で判断せずに最終的にはいつものように魚ボラで精査してもらおう。
*後日、魚ボラでヨスジフエダイではなく、ベンガルフエダイと同定されました。
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アイブリ

2010年09月06日 | 定置網

 今日はもう1種。アイブリの幼魚である。このアイブリの幼魚、今年は定置網で毎日たくさん獲れている。今までにアイブリの幼魚が纏まって獲れた事もないのだが、纏まったうえ、その状態がもう1ヶ月程も続いている。獲りつくしてしまうのではないかと心配になる程である。この状態がいつまで続くのだろうか。今は成魚に近い体色になっているが、獲れ出した1ヶ月程前は体色が白黒はっきりとした縞模様で、その魚がたくさん水面に集まっている光景は綺麗であった。その体色がだんだんと茶色くなっていき、成魚になるにつれ、とても地味な魚となってしまう。幼魚の体色のまま成長すれば、ブリモドキのように綺麗で水族館にいてもおかしくないのだが、水族館にいても地味過ぎて誰も気付いてくれないのではないだろうか。
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