お魚三昧生活

鹿児島の定置網で獲れる魚や市場の魚、鹿児島大学総合研究博物館魚類ボランティア(魚ボラ)の事などを紹介します!

ウシサワラ再び

2014年11月26日 | 市場
 最近は潮が速く定置網を起こすのも大変である。今日もいつも通り操業に来たものの潮が速く網を起こせず待機する。潮が止まるのを見計らい網を起こすがまた途中で速くなり待機。この繰り返しでようやく漁を終える。かなり時間が経ってしまい、帰港すると既に入札は始まっている。船を降りると直ぐに仲買人が来て、見てもらいたい魚があるとの事。見に行くとまたウシサワラである。しかも今度は状態も良く綺麗な個体である。標本に欲しいところではあるが既に入札をして漁協職員にも頼めない。また札を入れようとしている仲買人も送る先方と携帯電話で話をしながら入札中。入札が終わっても仲買人から譲ってもらう事も出来ない状態である。自分も水揚げ時間が遅れているので忙しく今回も確保するのは諦めるしかない。


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サメ搬出

2014年11月23日 | 定置網
 先月から東京の水族館からの注文を受け、定置網で獲れるアカシュモクザメを採集し生簀で蓄養してもらっていた。そして今日が搬出日。だが、今朝は集落内での草払いがあり、それを終えてから現場に向かう。草払いは予定よりも早く終わったのだが水族館の搬出作業も順調に進み早かったようで、現場に着いた時には既にサメは活魚車に積み込まれている。せっかく来たので後片付けを手伝う。サメは活魚車に積み込まれたものの、まだ出発はできない。サメが積み込み作業でのストレスでアンモニアなどを活魚車の水槽内で放出する為、これから水槽内の海水をこの場で1時間程換水しなければならない。東京の水族館までは1日近く時間が掛るのでここでの処理を丁寧に行わなければ途中で死んでしまう恐れがある。後片付けをしているうちにようやく活魚車も東京へと走り出す。全て無事に着いてもらいたい。




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ニセタカサゴと思ったら

2014年11月21日 | 定置網
相変わらず定置網でニセタカサゴが毎日獲れている。だが、ここで獲れるニセタカサゴは沖縄に生息するものとは容姿が違い別種ではと思っている。その沖縄産と同じような個体を日々探している。神奈川でそのような個体が見つかり報告もされている。すると今日、他のニセタカサゴとは体側に入る縦帯が違う個体を見つける。何も良く調べずこれが探していた魚だと思い込み確保する。家に帰り早速標本写真を撮影。そして両者の写真を並べて編集する。すると明らかに縦帯の入り方が違う。だが、さらよく見ると探していた個体の縦帯が側線から少し外れている。となるとニセタカサゴではなく普通のタカサゴである。お恥ずかしいが普通のタカサゴの事はまったく頭に無かった。ニセタカサゴの成魚の中に最近はタカサゴも混ざるようになって来ている。だが、幼魚は獲れた事が少なく全く考えていなかった。結局タカサゴとニセタカサゴの幼魚を並べた比較写真になってしまう。
写真上、ニセタカサゴ  写真下、タカサゴ


写真上、タカサゴ  写真下、ニセタカサゴ
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ダルマガレイ科魚類稚魚?

2014年11月21日 | 定置網
 今日の定置網漁で帰港後選別をしていた従業員が面白い魚を見つけたと教えてくれる。見ると透明な体でカレイの稚魚のようである。家に持ち帰り、稚魚図鑑で調べるが種まではわからない。でもダルマガレイ科であると思われる。この魚、見つけた時は透明であったが時間が経つにつれその透明感は残るものの白くなってしまう。できればその透明な体のまま写真に収めたい思いである。また、撮影するにあたり展鰭したいところであるが、稚魚となると鰭を開くだけで鰭条が切れてしまいそうなので、そこは魚ボラに任せ、今回はそのまま撮影する。
*後日、魚ボラでトゲダルマガレイと同定されました。


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ん?サクヤヒメジsp

2014年11月21日 | 市場
 今日は市場で水揚げを終え、まだ選別作業をしていた他の定置網を見に行くとその中にサクヤヒメジを発見。雑魚なので頂く。でも手に取り見ると尾鰭下葉に入るラインのパターンがいつもと違うではないか。そういえば魚ボラの学生が種子島で見つけたサクヤヒメジの中からも下葉のパターンの違う個体を見つけ、報告書を出している。この個体はそれかなと思い、帰ってからその報告書を調べる。するとその種子島の個体ともまた違うパターンである。種子島の個体はサクヤヒメジと総鰓耙数が違うらしいが、そこまで自分で調べる気は無い。その報告書には個体変異の可能性についても書かれている。サクヤヒメジは新種記載されそれで全てが終わったと思い込んでいたが、また個体変異について標本が必要らしい。まだまだこれからもサクヤヒメジと関わらなければならなくなり、うれしい思いである。


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またまた深海性の標本 アカトラギスにアズマハナダイ

2014年11月21日 | 日記
 今日も市場で水揚げしていると、いつも標本提供してくれる漁師さんが来て、また標本を頂く。見るとこの前頂いたオキトラギスに似た魚であるが、その場で種名はわからない。またもう1種、イズハナダイ属の魚であるがこちらもその場で種名はわからない。だがこの2種共に図鑑やネットで見た事があり、自分が知らないだけで珍しい魚では無い事はその場でもわかった。家に持ち帰り調べるとアカトラギスとアズマハナダイである。先月、この漁師さんに頂いたホシヒメコダイが珍しい魚みたいだと伝えたら、まだ別な魚も釣れるから今度持って来てくれるとの事であった。この手の魚はここの地域ではこの漁師さんしか漁をしないので、ある意味貴重な魚で、この漁師さんがいなければ手に入らない魚である。このような漁師さん達に支えられながらの標本収集である。

アカトラギス Parapercis aurantiaca(Döderlein, 1884)





アズマハナダイ Plectranthias azumanus (Jordan and Richardson, 1910)



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タイリク?スズキ

2014年11月17日 | 市場
 今日は水揚げを終え市場内を散策していると小さなスズキが目についた。体側の背面に小黒斑があり、タイリクスズキとも思えるが悩ましい。一応写真だけ撮り、標本用としてはパスする。家に帰り調べると検索図鑑ではタイリクスズキはこの黒斑の多くは鱗よりも大きいとなっている。写真を見ると多くは鱗よりも大きい。だが、普通のスズキもこのサイズの時にこのような小黒斑が確認できるものを良く見かける。この個体は小黒斑が鱗よりも大きく見えるが、それがこのサイズでも同定のキーとして通用するものだろうか。考えても標本は手元にはないので考える事も諦める。
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何年振りだろうかウシサワラ

2014年11月17日 | 市場
 今日は市場で水揚げしていると仲買人から魚の名前を教えてほしいと聞かれる。見に行くとウシサワラである。ウシサワラは以前は珍しい魚ではなかったのだが、もう10年以上は定置網では獲れず、市場でも揚がっているのを見ていない。本当に久し振りのご対面となる。10年以上なのでもちろん標本用にはまだ確保していない。次を待っていてもいつになるか分からないので標本用に確保したいところである。だが、この大きさである。冷凍するには大き過ぎ、今日大学まで持ち込む時間も無くどうしようかと悩む。でもこの個体、全体的にスレ傷が酷く、体表にあるはずの斑紋も確認できない。おまけに吻端部がボロボロで状態が良くないのである。という事で標本用に確保するのを諦める。





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水族館とのコラボ企画

2014年11月16日 | 魚ボラ
 今日は久し振りに家族でかごしま水族館へ行く。水族館を訪れるのはここで講話をした時以来なのでもう2年近く振りとなる。今回は気になっている企画をしているのでそれをメインに観覧する。現在、特別展示コーナーで鹿児島大学総合研究博物館とかごしま水族館の共同企画で「鹿児島県の魚を調べる」と題して魚ボラで行ってきた事や魚類研究室の調査・活動、水族館側の調査等をいろいろな形で紹介している。




これまでに屋久島から始まり硫黄島・竹島、与論島と調査を行い作成してきた図鑑に標本等も展示され紹介されている。また、標本も展示されており、その中にイトウオニヒラアジも見つける。更に今までに報告されてきた論文なども全てまとめて展示され、閲覧できるようになっている。その他まだまだいろいろな事も展示、紹介されている。








そして、今回一般の人にとって一番の目玉が魚に名前を付けるという斬新な企画である。これは与論で見つかってまだ標準和名の無いフサカサゴ科イソカサゴ属の日本初記録種を、お客さんからの公募により標準和名を決めるというものである。全く魚の研究などに携わっていない一般の人達が魚に名前を付ける事ができるとは、魚好きの人にとっては夢のような企画である。用紙に思い付いた魚の名前を書き、その名前を付けた理由を添えて投稿するだけである。だが、選考基準などは明らかにされていない。はたしてどのような種名になるのか気になるところである。
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ヒラ

2014年11月15日 | 定置網
 定置網で数日前からチラホラと姿を現している魚がいる。ヒラである。数年前にも突然爆発的に獲れ、一気に消えて行った魚である。そして今日、また数年前の再現のようにどこの定置網でも大量にヒラが獲れ水揚げされる。ヒラは小骨が多くここでは鮮魚として利用される事は無い。調べて見ると全国的にも岡山のみで利用されているようである。ただでさえ敬遠されがちな魚なのにこれだけ大量に獲れれば売れるだろうかと不安にもなるが、今回は何とか引き取り手があり助かる。数年に一度数日だけ大量に獲れるという事は何か理由があるのだろうか。値段の高い魚であれば気になるところではあるが、この魚に関してはそうでもない。

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初確保オキトラギス

2014年11月13日 | 日記
 今日は定置網漁を終え帰港するといつも標本を提供してくれる漁師さんが来て、また標本用にと魚を頂く。オキトラギスである。オキトラギスは深海釣りなどでよく外道として釣れる事が多く、普通種である。だが、ここでは初めて見る魚である。という事で初確保となる
。深海性の魚は普通種がまだまだ多く生息しているのだがそれを獲る術がなく、更に獲れたとしてもこのような売れない小さな魚はその場で直ぐに捨てられてしまう。でも、いつもそのような魚をわざわざ丁寧に持ち帰り標本用として無償で提供して頂きとても有難く、そのような漁師さん達に改めて感謝したい。


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大きなサバヒー

2014年11月04日 | 定置網
 今日は定置網の水揚げ中、お隣の定置網も水揚げ作業をしており、選別台の下に大きな魚が転がっている。見に行くとサバヒーである。サバヒーはうちの定置網でも大きな個体が獲れた事があり、標本用に確保しその日のうちに大学へ持ち込み標本登録をした事がある。だが今回の個体は更に大きい。売れないから捨てるとの事で見ていたら持って行ってもいいと言われる。このサイズだと冷凍するのが大変でさらに今日大学へ行く事はできないので標本用には諦める。だが捨てると言うし、まだ食べた事がない魚なので一度は食べて見たい気もする。だが、食べるにしても大き過ぎて処理が大変そうである。結局標本や食べる事も諦める。でも気になり家に帰り調べると、台湾などでは重要な食用魚となっている。やっぱり味が気になり後悔する。

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標本サイズ チャイロマルハタ

2014年11月04日 | 市場
 今日は市場で活魚を水揚げに行くと水槽の中に小さなチャイロマルハタが泳いでいるのに気付く。今まで見たチャイロマルハタの中では最小である。チャイロマルハタは近年定置網で獲れるようになり、最近は特に数が増えて来ている。だが、サイズは大きく10キロを超える事も普通である。だがここ最近徐々に小さな個体も獲れ出し、先月は1キロサイズにまでなる。そして今回の個体は伝票を見ると遂に1キロを切り、600グラムである。ここまでくれば値段の高いハタの仲間とは言え、手の届く範囲である。標本用に確保しようとしたが、このサイズは小さいものの、家の撮影用の水槽に入るサイズではない。日に日にサイズが小さくなって来ているので、今回は見送り更に小さいサイズを狙う事にする。

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シマヒイラギ

2014年11月04日 | 定置網
今日は定置網で久し振りにシマヒイラギが獲れる。シマヒイラギは珍しく、今までに数個体しか獲れた事がない。以前に獲れた個体も標本用に確保し、標本写真も撮っている。写真もあるので今回は直ぐに標本用にそのまま冷凍保存する。だが後で気になり前回撮った写真を見ると、シマヒイラギの特徴でもある伸長した背鰭棘が折れている。確か背鰭棘が折れているので標本写真はまたチャレンジとブログでも書いた事を思い出す。だが既に冷凍中でもう後の祭りである。また何年後かには獲れると思うので、今度は写真を撮る事を忘れないようにと心に刻む。

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