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お魚三昧生活

鹿児島の定置網で獲れる魚や市場の魚、鹿児島大学総合研究博物館魚類ボランティア(魚ボラ)の事などを紹介します!

ブログ「お魚三昧生活」引越しのお知らせ

2025年05月28日 | 日記
いつも「お魚三昧生活」ブログの閲覧ありがとうございます。
今回、goo blogのサービス終了 に伴い、またブログを引っ越しました。

はてなブログ:「お魚三昧生活」https://itokeno.hatenablog.com/

今後はこちらの方でよろしくお願い致します。

新しい研究室

2025年03月05日 | 魚ボラ
 私事であるが急に引越しすることになり、それに伴って我が家の冷凍庫に保存している魚ボラ用の標本を大学へ持って行かなければならなくなる。昨年のクリスマス前に確保したクボアジ(ブログ2024 12.20)もまだ標本登録していないし研究室の改装工事も終わっているだろうから気になり、色々な事が重なり今日の水曜日の魚ボラの日に大学へ行こうと決めていた。仕事が終わり早速大学へと向かう。大学へ行くのも昨年の11月以来(ブログ2024 11.21)である。大学に着くと周りにあった信号機も無く、工事が終わっている模様。施設の入り口には「スピルオーバー感染制御研究施設」と表示されており、何だか物々しい感じである。入ると今までなかったエレベーターがある。これで今後は大型魚の搬入も少しは楽になりそうである。研究室へ行くと広さ的には変わらないが標本棚が無くなった分広く感じ、更に部屋が明るくなった模様。部屋の使用に色々と厄介な規制があるみたいだが、今後学生達が使い勝手が良くなるようにして行くであろう。今回は引っ越しの準備もあり忙しいのでクボアジを標本登録して頂き早めに帰る。







クボアジ



大きなヨスジヒメジ

2025年02月28日 | 定置網
 今日は定置網漁を終え、市場で選別作業をしているとヒメジ科の魚を発見。体側にオレンジ色の縦帯が確認出来、おやっと思い尾鰭を見ると上葉にのみゼブラ模様があるのでヨスジヒメジである。ヨスジヒメジは稀種ではあるがここでは今までに何度も確認されており、魚ボラの標本用にも何個体か確保している。今回の個体は沖では見つけることが出来なかったからか多くの魚に揉まれて鱗がほとんど剥げており状態が非常に悪い。ヨスジヒメジは今までにまだ食べた事がないので標本用には状態が悪いこの機会に食べてみようかとも思う。だが、ヒメジ科の魚で特別ヨスジヒメジだけが味が違うとも思えず、味は何となく想像がつく感じである。どうしようかと迷ったが今回の個体は今まで確保した中では1番大きな個体である。という事で状態は悪いがこの個体も魚ボラの標本用に確保する事にする。
ヨスジヒメジ

嬉しい初入網 スミツキカノコ

2025年02月06日 | 定置網
 毎日時化続きで今週は月曜日から3日連続で出漁出来ないでいる。今朝も待機していたものの結局風は止まず出漁出来ず。明日、明後日も海上は時化予報であり1週間漁が出来ない模様である。という事で今晩風が止む時間帯があるので夜に出漁となる。時化続きだった為、何か面白い魚がいないか期待するものの、夜の出漁な為暗く、沖では魚をあまり見れずに帰港。市場で選別作業をしていると小さいが見覚えのある魚を発見。スミツキカノコの幼魚である。スミツキカノコは以前にお隣の定置網で獲れたことがあり標本用に確保している(ブログ2008 12.17)。調べるともう17年も前である。珍しい魚ではないものの、イットウダイ科の魚は定置網にはあまり入らないからか、それからはここでは全く出会う事がなかった。今年は年が明けてから面白い魚に出会えずブログネタが見つからない状況で焦っていたのだが、ネタが見つかったうえうちの定置網では嬉しい初入網となるのでホッとした感じである。前回の個体は成魚であったが今回の個体は幼魚・若魚サイズである。魚ボラの標本用に確保する。
スミツキカノコ

クロオビエビス幼魚

シッポウフグ

コンゴウフグ幼魚
スミツキカノコ 

クロオビマツカサ

仕事帰りに夜間採集

2025年01月04日 | 採集
明けましておめでとうございます。今年もブログでのお付き合いよろしくお願い致します。

昨年はクリスマス前にクボアジが獲れたものの、年末までに年を締め括る魚を期待したが時化が多く結局何もなく終わる。更に3年前までは毎年何かと地元の魚で報告をしてもらっていたものの、2年続けて何の報告も無く終わり昨年も悲しい年となっている。今年こそは直ぐに報告してもらえるインパクトのある魚を探したいところである。さて、今年の初漁は今日であったが朝本船のエンジンが掛からず出漁出来ずに終わる。対応して夜に出漁となり定置網漁初漁となる。漁模様はヒラアジ類が主体となる正月らしくない漁模様で大きなクエがいたものの面白い魚は見つからずに終了。帰りにいつもの夜間採集をしている港を通るので土曜日だし時間的にもいいので夜間採集をしてから帰る事にする。港に着き魚を探すと直ぐに水面をクルクル回りながら泳いでいる魚を発見。サイウオの仲間である。この行動は謎であるが今回も数か所で発見。採集はせずに写真や動画にだけ収める。その後も魚を見つけるが結局確保するような魚は見つからず終了。今年は定置網漁では出漁出来ず夜間採集も確保する魚は見つからず出鼻をくじかれた状況で始まったが、ブログネタに困らない年になってもらいたい想いである。

水面でクルクル回りながら泳ぐサイウオの仲間


サザナミフグ

キリンミノ

何年振りかのマツカサウオ幼魚

嬉しいクリスマスプレゼント クボアジ

2024年12月20日 | 定置網
 今日は定置網漁で操業中、網の端に丸い魚が引っ掛かっているのを発見。体型から今よく入るリュウキュウヨロイアジだと思う。忙しいが折角だからとタモ網で掬い採る。すると黒い腹鰭が目に付く。この体型に黒い腹鰭という事で直感でクボアジではないかと思い、同時に鳥肌も立つくらいゾクゾク感を味わう。クボアジはうちの定置網では初入網である。ここでは初確認で標本初確保となり、少し早いが嬉しいクリスマスプレゼントとなる。クボアジは魚ボラが始まる以前から探していた魚である。まだネットも普及していない時代で調べる術は図鑑のみであった。初版の検索図鑑を使って調べていたが黒くて長い腹鰭の特徴が目立って記載されており、分布域も南日本ということで普通に獲れても不思議ではないアジ科の魚というイメージであった。そしてサイズは小さいがその特徴の黒くて長い腹鰭に丸い体型のアジ科の魚を見つけクボアジだと思い込んでいた。ところがその魚は幼魚であり、定置網漁で成長していく過程を見て行くにつれリュウキュウヨロイアジの幼魚である事がわかり、誤同定であったことに気付く。ネットも普及し魚ボラも始まりクボアジが国内では稀少種である事がわかる。だが、同じく国内では稀少種の同じアジ科のマテアジは何個体も見つかっている。ここはアジ科に強いイメージなのでそのうち見つかるだろうと考えていた。それからも探していたが見つからず自分の中では幻の魚となっていた。更に各地で報告はされているものの、2年前魚ボラの学生OBが報告した鎌倉市から得られたクボアジの論文を見ると、各地で報告されているものの中にも私と同じでリュウキュウヨロイアジの幼魚の誤同定のものがあるとの事。なので、国内における標本に基くクボアジの確認された個体数は非常に少ないものと思われる。直ぐに大学へ標本を持ち込もうと思うが今日は夜に出席しなければならない集まりがある。でも、大学へ走っても間に合いそうなので魚ボラの先生に連絡を取る。ところが電話は繋がらず、今日持ち込むのを諦め冷凍保存し機会を見て持ち込む事にする。
 
網の隅に引っ掛かっている魚を発見

クボアジ



写真上クボアジ、写真下リュウキュウヨロイアジ

尾鰭下葉が痛んでおりちょっと残念

特徴の黒くて長い腹鰭



腹鰭が黒くて長い昔クボアジと思っていたリュウキュウヨロイアジ幼魚

またお隣で オキイワシ

2024年12月11日 | 定置網・市場
 今日は定置網漁を終え市場での水揚げも終わるとまたお隣の定置網の人が来て、珍しい魚が獲れて冷蔵庫に入れてあるとの事。ワクワクしながら冷蔵庫へ見に行くとオキイワシである。オキイワシはここでは4年前に初めて確認(ブログ2020 12.22)され、それからは毎年確認されていた。ところが遂に昨年は1個体も確認出来ずに終わってしまった。そして今回2年振りのご対面となる。このオキイワシはここではこの個体で5個体目となり、うちの定置網を挟んだ両隣の定置網で得られたものであり、有難いことに全て頂いたものである。ところがうちを挟んで両隣で共に2個体以上得られており、とても有難い事なのだが間に挟まれたうちの定置網ではまだ得られていないのでなんだが切なさも感じてしまう。先日のイトヒキヒイラギ属の様にうちの定置網での初入網を願うばかりである。
オキイワシ



遂にうちにも イトヒキヒイラギ属初入網

2024年12月03日 | 定置網
 先月お隣の定置網でイトヒキヒイラギ属の魚が獲れ、魚ボラの標本用に頂いた(ブログ2024 11.21)。2年前も同じくお隣の定置網から得られていた(ブログ2022 11.24)のでうちの定置網にも来ないのだろうかと毎日目を光らせていた。そして満を持して今朝の定置網漁でイトヒキヒイラギ属の魚を見つける。勿論、うちの定置網では初入網である。イトヒキヒイラギ属の魚は同定が自分では難しく、今回の個体がお隣の定置網で得られた個体と同種かどうかはわからない。だが、撮った写真を見比べる限りでは体側の黄色の斑紋や尾鰭後縁が黄色味を帯びているなどから同種の様に見える。でも、前回の個体は臀鰭第2棘が伸長していたのだが今回の個体は短い。折れてしまった可能性が高いが定かではない。魚ボラの学生も精査するには固定してからでないとわからないような事も言っていたくらい見た目だけではわからないのでいつもの様にあとは魚ボラに任せることにする。
イトヒキヒイラギ属



ちょっと興奮したニセフウライチョウチョウウオ

2024年11月30日 | 市場
 27日から海上は時化続きで今日も時化で定置網漁に出漁出来ず。今日で4日間定置網の本船を動かしていない。冬の寒い時期に長い間本船を動かさないとエンジンが掛からなくなる事があるので本船のエンジンを掛けに港へと行く。その帰りに市場へ行くと時化の中、小型定置網が出漁して水揚げに来たそうで少し魚が並んでいた。すると活魚水槽には大きなチョウチョウウオの仲間が泳いでいた。パッと見た感じニセフウライチョウチョウウオかなと思うがよく見ると何だか違う感じに思える。水族館用に活かしているのかと聞くとただ活かしてきただけで欲しければ持って行っていいとの事である。それならばと遠慮なく魚ボラの標本用に頂く。この個体を手に取りよく見るが体側に多数ある暗色横線が途中で交差しておりニセフウライチョウチョウウオとは違う感じに思う。別種を疑い自分がチョウチョウウオ科の魚をよく知らないのでまだ見ぬ近似種を期待する。家に帰りながら別種であればここでの初記録種となるので大学へ走ろうかと思うが、今日は土曜日であり魚ボラの先生に連絡してからでないと大学内に入れないかもしれないので連絡取れるかが心配となる。家に帰り早速調べる。近似種にヒメフウライチョウチョウウオがいるがこれは違う。色々と調べるが体側の暗色横線以外は全てニセフウライチョウチョウウオと一致してしまう。暗色横線が数か所交差しているだけでこれほど見た目が違うものかと驚く。これで大学へ直ぐに走る事もなくなり連絡が取れるかという心配もなくなりこの個体は普通に冷凍保存となる。
ニセフウライチョウチョウウオ



イトヒキヒイラギ属の魚を標本登録

2024年11月21日 | 定置網
 今日は定置網漁操業後、市場で水揚げを終えるとお隣の定置網の人からまた大きめのヒイラギが獲れて冷蔵庫に入れてあると言われる。冷蔵庫に取りに行くと何とイトヒキヒイラギ属の魚である。イトヒキヒイラギ属の魚はここでは2年前に初めて同じ定置網の方から頂き標本登録した魚である(ブログ2022 11.24)(ブログ2022 11.25)。当時は普通にイトヒキヒイラギであったが、昨年の11月に国内で確認されていたイトヒキヒイラギが4種に分かれたのである。2年前の個体もまだどの種に当てはまるのか確認されていないみたいでもあるし、今回の個体も前回の個体と同種かわからないし、どの種になるのかもわからない。という事で一応綺麗な状態の標本写真も撮っておきたいし、この前のテングハコフグ(ブログ2024 11.11)もまだ活かして置いているので大学へ持ち込むことにする。大学へ行くといつもの研究室はまだ工事中。今回も学生を乗せてお隣教育学部の仮の研究室まで行き、標本登録してもらう。展鰭する前にどの種になるのか同定してもらうが、数人の学生が標本を手に取り細かい所を文献見ながら調べている。箇所によっては固定しないと正確に調べられないみたいでもある。自分では今後も同定する事は出来ないだろうと思うレベルである。最後まで見届けたかったがこちらの教育学部は門が閉まる時間が早く、車が出られなくなってしまうので後は学生に任せて帰宅となる。
*2025年4月に国内2例目のワモンイトヒキヒイラギと報告されました。
イトヒキヒイラギ属


工事もあと少しかな

仮の研究室

イトヒキヒイラギ属

この前のテングハコフグ

続くテングハコフグ

2024年11月11日 | 定置網
 今日は定置網漁を終え市場での水揚げが終わるとお隣の定置網の人が来て、標本用にくれる魚を船に活かしているとの事。船に見に行くと大きめのテングハコフグが泳いでいる。実はテングハコフグはこの個体で3個体目。先月の終わりと今月の初めに別の定置網で得られたテングハコフグを既に頂いており3週連続となる。テングハコフグはここでは珍しいフグではあるが今までに何度か獲れており、水族館に搬出したこともある(ブログ2013 10.28)。だが、それ以来は見なくなり今回は11年振りのご対面であった。それが3週連続となるとは驚きである。3週連続ではあるが各個体はサイズがそれぞれ違い、テングハコフグの特徴でもある前方に突出する吻部が徐々に大きくなっており、成長過程がわかる感じとなっている。今回頂いた個体は生きているので魚ボラに持ち込むまで生きた状態で置いておくことにする。
テングハコフグ

10月終りに頂いた個体

10月終りに頂いた個体

11月初めに頂いた個体

11月初めに頂いた個体

今回の個体

今回の個体

大きめのヨロイアジ

2024年11月08日 | 定置網
 今日は定置網漁で魚を掬っていると大きめのヒラアジ類を発見。一瞬見た事のない種と思いワクワクしながら手に取る。だが、よく見れば大きなヨロイアジである。ヨロイアジはここ最近よく見るようになり、年々個体数も増えて来ている。今回の個体は今まで獲れた中でも最大級である。帰港し測ると1キロを超えていた。このサイズは初めてなので魚ボラの標本用に確保したいところではあったが値段も高そうだしうちの会社でも欲しそうだったので標本確保はあっさりと諦める。今後もこのサイズの個体が増えて来そうな感じがするので今後に期待したい。
ヨロイアジ



イトヒキサギ

2024年10月24日 | 定置網
 昨日は時化で定置網漁は操業出来なかったので今日は期待して出漁。するとヘダイが大漁で氷が足りなく市場へ取りに行った程である。時化た事で面白い魚も期待していたが、そちらは見つけることが出来ず終了。ところがお隣の定置網の人が標本用にと魚を持って来る。見るとホソイトヒキサギである。もっと体高のあるヤマトイトヒキサギは良く見るもののホソイトヒキサギはここでは非常に珍しく、うちの網では今までに3個体しか獲れた事がない。有難く標本用に頂く。このホソイトヒキサギは国内では意外と珍しいみたいでネットで検索しても画像はあまり見つからない。ところが珍しいにもかかわらず何故か今まで獲れているのにブログで紹介していなかったのである。ようやく今回紹介出来るものの、いざブログを書こうとしても魚ボラの標本用に確保したという事ぐらいしかエピソードが思いつかない。ブログネタとして書く事がなく今まで紹介しなかったのだろうか。という事で今回もこれにて終了。
イトヒキサギ

驚きに悔しい オオクチイケカツオ

2024年10月19日 | 定置網・市場
 最近は定置網に小さなイケカツオ、ミナミイケカツオの入網が増えて来ており、今年もアキイロイケカツオが来ないだろうかと期待している。そんな中、今日は定置網漁を終え市場で水揚げ作業をしていると漁場が近くの小型定置網の人が軽トラに魚を積んで水揚げに来る。何を水揚げに来たのかと魚を入れたカゴを運んでいるところを見ると、カゴから尾鰭が飛び出す程の大きなサイズの魚を入れており、更に遠目で見てもイケカツオの仲間である事がわかり気になる。見に行くとオオクチイケカツオである。しかも驚くことにカゴには3個体も入っているではないか。オオクチイケカツオは今までにここでは2個体見つかっており、最初に見つけた個体は5年前で日本における3個体目の記録ということで報告している(ブログ2019 3.9)。それからも報告はされていないが各地で見つかっているらしくネット上でその姿を見ている。でも、未だに国内では珍しい魚である。その珍しい魚が一度に3個体も揚がるなんて本当に驚きである。更に今までに個体は体色が銀白色であったが今回の個体は少し黄色味掛かっている。となるとアキイロイケカツオや国内未記録種も疑い興奮するが携帯で確認すると残念であるがやはり普通のオオクチイケカツオである。3個体共魚ボラの標本用に確保したいところではあるが、明日地元での大きなイベントがあり今日から準備をしなければならず時間がない。サイズ的に家に置くことは出来ず直ぐに大学へ持ち込まないといけないので今回標本用に確保するのを泣く泣く諦める。普通に入札され誰かに食べられてしまうなんて本当に悔しい限りである。でも、最近はイケカツオやマルコバンなどが市場では非常に人気が出て来ており、その人気に伴い単価も急上昇している。今回の個体はサイズも大きく、それが3個体となると金額的にも非常に恐ろしく確保出来なくて良かったのかもしれない。でも、やはり今後も悔しさが後を引きそうである。

オオクチイケカツオが一度に3個体も

普通に水揚げされてしまう

オオクチイケカツオ


オオクチイケカツオの鱗

写真上:イケカツオ、中オオクチイケカツオ、下ミナミイケカツオ

またやらかしたかな?ミナミフエダイ?

2024年10月12日 | 採集
 今日は土曜日で夜間採集の日。ようやく涼しくなり風も無いので絶好の採集日和である。もう10月であるが今年の夜間採集ではこれといった成果が無い。近年の自然環境の現状を考えると夜間採集は定点観測なのでいつも通りというのが望ましいのだが、やはり新たな発見があった方が面白い。明日は地元イベントもあるのでサッと済ませて帰る予定で挑む。港に着き魚をいつものように見つけては採集し魚種を確認。いつもと同じでクロサギやクロホシフエダイ、ニセクロホシフエダイなどの幼魚を採集。この港ではあまり見かけないクロホシマンジュウダイの幼魚がいつもとは違う変り種であった。だが、どれも普通種なのでカメラで記録だけ収めては放流して行き、結局標本用に確保するような魚は見つからず今回も手ぶらで帰宅。そして今回の夜間採集で撮った写真をパソコンに移す。そこで撮ったニセクロホシフエダイ幼魚の写真に少し違和感を抱く。現場では気付かなかったが体側上半部の黒斑が今まで見て来た個体よりも大きく感じる。気になるので今までのクロホシフエダイ幼魚の写真を確認する。すると今回の個体は思った通り大きな感じである。そんなの個体差の様にも思う反面気になるので調べる。すると側線より上方の鱗列が側線とほぼ平行に走っているように見える。そうなるとまだ未採集のミナミフエダイになる。ミナミフエダイとなると薩摩半島沿岸の魚類図鑑(ブログ2022 2.25)にも載っていない種である。更に大学の標本データベースを見るとミナミフエダイの標本は沖縄産の1個体のみが登録されているだけであり、鹿児島県初となる。だが、逃がしてしまったのでミナミフエダイであるかどうかは標本が無いので闇となる。またやらかしてしまった感じである。今後の夜間採集でリベンジ出来るだろうか。

ミナミフエダイ幼魚?

側線より上方の鱗列が側線とほぼ平行に走っているように見える

クロホシフエダイ幼魚

クロホシマンジュウダイ幼魚