お魚三昧生活

鹿児島の定置網で獲れる魚や市場の魚、鹿児島大学総合研究博物館魚類ボランティア(魚ボラ)の事などを紹介します!

ようやくフリソデウオ

2016年04月27日 | 定置網
 今日は定置網でフリソデウオが1個体獲れる。最近はリュウグウノツカイやテンガイハタなどと出会っているが、毎年一番数多く獲れるフリソデウオとまだ出会っていなかった。これでようやく深海性魚種が出揃った感じである。今回もお隣枕崎の鹿児島水圏生物博物館から連絡が入り、フリソデウオの標本を渡す。やはり熊本震災とは関係なく深海性魚類の時期に入っているものと思うところである。


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タツノイトコ?

2016年04月23日 | 定置網
今日は定置網でもう一種、小さなヨウジウオの仲間を見つける。だが、ヨウジウオにしては全体に短い感じがする。現場では小さ過ぎてよくわからなく、家に持ち帰り撮影して写真を拡大して同定を試みる。すると尾鰭は確認できないのだが、欠損しているようにも見える。この尾鰭があるのと無いのとで同定も大きく変わってきてしまう。一応、欠損していないという事で同定してみるとタツノイトコと思われる。今度はタツノイトコという事でネットで検索してみると、この個体のように体側の所々に小さな白い斑紋のような模様がある個体がいくつか見つかる。体のバランスから見てもタツノイトコではないだろうか。タツノイトコであれば初入網となる。あとは魚ボラの学生が標本登録してくれるので、その時にどのような同定結果になるだろうか。
*後日、魚ボラでタツノイトコと同定されました。
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稀種クジメ

2016年04月23日 | 定置網
 今日は定置網でクジメの幼魚が1個体獲れる。クジメは普通種であるが分布域は国内において南限が長崎県となっている。当然ここ鹿児島は分布域に入っておらず、この海域では稀種であり、今までに定置網、港での夜間採集で数個体の幼魚を採集しているだけである。今回も魚ボラの標本用に確保する。

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ハナキンチャクフグ幼魚

2016年04月19日 | 定置網
 今日は定置網漁を終え帰港し、市場での選別作業中に小さなハナキンチャクフグの幼魚を見つける。幼魚と言っても指先にちょこんと乗るサイズである。この個体からあの鮮やかなハナキンチャクフグはなかなか想像がつかない。だが、定置網では年間通して漁を行う事により、各ステージの成長を段階的に見て行く事が出来、不明な幼魚の種名がわかることがある。このハナキンチャクフグもそうである。このような種が不明な幼魚を写真に収め、それを色々と照らし合わせ、体側の模様の移り変わりを見て行き、成魚にたどり着くといった方法である。この方法でこのハナキンチャクフグの幼魚も種が判明した。魚は成魚と幼魚が似ても似つかない種が非常に多い。まだ判明していない稚魚・幼魚をこの定置網漁によって解明して行きたい。



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ウッカリなトラウツボ

2016年04月19日 | 定置網
 今日は定置網で小さめなトラウツボが獲れる。このトラウツボを最近探していたので標本用に確保する。実はここの定置網や市場で確保した魚を一度整理しようと魚ボラの学生から登録されている標本リストを貰っていた。それを見ると意外な魚がまだ標本登録されていなかったりしている。その1種がこのトラウツボである。トラウツボはここでは普通のウツボの次によく獲れる普通種である。だが、大きかったこともあるのかまだ標本登録されていなかった。という事で標本用に確保する為に探していた。今回はこれぞという位標本用に適したサイズであり、迷わず確保する。これを機にまだ標本登録を逃れている魚達を探さなければならない。

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リュウグウノツカイと熊本震災

2016年04月19日 | 市場
 今日は定置網漁を終え、帰港するとお隣の定置網にリュウグウノツカイが入網したと教えてくれる。しかもタンク内に活かしてあり、かごしま水族館が受け取りに来るとの事。見に行くと、先日うちの定置網に入った個体と同じくらいの大きさであり、この個体も鰭や尾が揃っており、とても綺麗な状態である。先週、熊本・大分で震災があり、震災後にこの前獲れたリュウグウノツカイがその前兆だったのではとささやかれていた。そして今朝、テンガイハタの標本を頂いたばかりであり、それに追い打ちを掛けるようにこのリュウグウノツカイである。当然のようにこのリュウグウノツカイを見た仲買人などから震災との関連を聞かれる。だが、ここの定置網では毎年4月頃から6月に掛けてこのアカマンボウ目の深海性魚類が入網する時期である。震災が無かったとしても当然のように入網していたと思われる。だからこの時期に偶然震災が重なってしまったものと思われる。だが、海は謎だらけである。震災と全く関係が無いとは私も断言できないでいる。

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港内でテンガイハタ?

2016年04月19日 | 日記
 熊本地震で被災された皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。
今日はいつも標本を提供して頂いている漁師さんにテンガイハタと思われる幼魚を標本用に頂く。話を聞くと、この個体を採集したのがいつも水揚げをしているこの港内という事で驚く。更に詳しく話を聞くとお孫さんが岸壁の下に見える小さな魚を釣ろうとしていると、下から凄い勢いでその魚を食べようと上がって来たそうである。それを急いでタモ網で掬ったらしい。テンガイハタやその仲間は主にプランクトン食と思っていたが、魚を襲ったという話は聞いたことが無い。更に魚を襲う時はあのシルバーの体色が真っ黒だったのでタモ網で掬うまでは何だかわからなかったという事である。何もかも今まで知らなかった話でありとても興味深い内容である。今度は自分の目で確かめてみたいものである。

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今年も採集メバル属稚魚

2016年04月09日 | 採集
 今夜もいつものように港へ夜間採集へ行く。現場に着くと海の状況は良いが小雨が降り出してしまう。本降りになる前に早めに散策する。すると、岸壁に沿うように見慣れない稚魚が数個体群れているのを見つける。タモ網で掬ってみるとメバル属の稚魚である。今年もまたメバル属の稚魚が見つかる。メバルの仲間はここ鹿児島では非常に珍しいのだが、昨年この港で稚魚・幼魚を採集しており、2年連続で採集となる。一度に数個体採集できてしまうが、メバル属は非常に少ないので、今後の成長も見たい為、2個体のみ標本用に確保し、後は放流する。また、その後、ほかに何か居ないかと別種を探していると、小さなイワシのような魚を発見しタモ網で掬う。すると大きな魚が一緒にタモ網に入ってしまう。見ると稚アユであり驚く。その姿は既に親魚と同じであり、誰が見ても直ぐにアユとわかる。だが、まだ時期的には早い気がするが、最近はアユの稚魚を見掛けなかったので今期は成長が早いのだろうか。


メバル属稚魚


稚アユ
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今年も来ましたリュウグウノツカイ

2016年04月06日 | 定置網
 今日は定置網漁で網を絞って行くと、水面で銀色に光る細長い魚が泳いでいるのが見える。直ぐにリュウグウノツカイだとわかる。リュウグウノツカイは体が大変に弱く、直ぐに折れてしまい、体の途中から無いことが多いが、今回は体の状態も直ぐに確認でき、尾鰭まで全て揃っており、完全な状態である事もわかる。体が折れぬよう傷付かないように水ごと掬い、水族館用に活かす。帰港し状態を確認すると、体の途中で折れてしまっている。これで水族館への連絡は諦める。体は折れてしまっているものの、綺麗な状態なので標本用に確保する。お隣枕崎の鹿児島水圏生物博物館からリュウグウノツカイを標本用に頼まれていたので、今回はそちらへ持ち込む。これから定置網では深海魚のシーズンに入り、今後も期待が膨らむ。今度はアカマンボウ目魚類のアカナマダ科・フリソデウオ科でまだ未採集の魚種が獲れないものだろうか。

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初採集 ナミノハナ

2016年04月02日 | 採集
 今回の夜間採集はいつもの場所では行えなかったものの、移動した港で思わぬ採集ができた。それに肖り思わぬ収穫を期待し、更に別の港へ移動する。だが、移動した港も釣り人がいるので誰もいない外灯の無い港へ移動。外灯が無いので期待はしていなかったが、案の定何も見つからない。採集済みではあるがムギイワシの標本写真をまだ撮影していなかったので、たくさんいるムギイワシを採集して帰ることにする。暗くて見難いがムギイワシが群れている所をタモ網で掬う。すると獲れたのは1個体ではあるがナミノハナである。ナミノハナはどこにでもいそうな魚ではあるが、定置網や市場、素潜り採集でも見た事は無く、ここでは初めて見る。もちろん初採集となる。これでまた思わぬ採集ができた。更に港を移動したいところではあるが、このナミノハナは体に透明感があり、早めに撮影した方がよさそうなので、更なる収穫は諦め、帰宅し撮影する。

ナミノハナ



ムギイワシ
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港では初採集 コミナトテンジクダイ

2016年04月02日 | 採集
 今日もいつものように夜間採集へ行く。だが、現場に着くと車が一台止まっていて、釣り人が座っている。動く気配が無いのでこの場所を諦め、港を移動する。移動した港を散策すると真っ赤なテンジクダイの仲間を発見。あっさりと採集する。見るとコミナトテンジクダイの陽である。コミナトテンジクダイは素潜り採集で採集済みであるが、いつもは岩の穴に隠れており、採集し難い魚である。夜間だから外に出て来ていたと思われる。港内は潜ることはできないので海底の状況はわからないが、日中は港の外のテトラの中に潜んでいるのだろうか。今回はいつもの港に先客がいた為移動する羽目になったが、採集済みとはいえ思わぬ収穫があったので良しとする。
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Nature of Kagoshima投稿終了

2016年04月02日 | 日記
 昨年の10月に定置網でヤリテングが獲れ、これが鹿児島県初記録という事で「Nature of Kagoshima」に投稿するように魚ボラの先生に言われていた。そして、その締め切りが3月一杯であった。地元の事で忙しく、ようやく2月の終わりから取り掛かり、大学へも何度か行き、共同著者の魚ボラのポスドクの方に教えて貰いながら作業をしてきた。更に作業も終盤に差し掛かったところでオーストラリアからヤリテングによく似た近似種の新種が見つかり、その論文が公開された為、それとの違いを示さなければならなくなり、作業が増えてしまう。そしてポスドクの方に修正して頂き、さらに魚ボラの先生に最終的に修正を頂き、ようやく投稿に漕ぎ着ける事が出来た。今回のヤリテングは見た目からして魚の容姿ではなく、更に文献は殆どが英文である為、始める前から悪戦苦闘が予想されたが何とか皆さまに協力頂いて投稿でき、改めて全ての皆さまに感謝したい。今から「Nature of Kagoshima vol.42」の発行が楽しみである。
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