お魚三昧生活

鹿児島の定置網で獲れる魚や市場の魚、鹿児島大学総合研究博物館魚類ボランティア(魚ボラ)の事などを紹介します!

遂に確保!タイワンヨロイアジ

2017年07月28日 | 市場
 今日は市場で定置網漁の水揚げを終え散策すると、また丸いヒラアジが水揚げされている。慌てて臀鰭を見てみると小白点が並んでいる。頭部背縁も眼の前で少し窪んでいる。前回見つけたけど確保できなかったタイワンヨロイアジと思われ、漁協職員に話をして直ぐに標本用に確保する。家に帰り調べると、胸鰭基底上端より上まで鱗が確認できず、タイワンヨロイアジであると確信する。前回は市場で2個体見つけたものの、その場では魚種がわからず標本用には確保せず、その日の晩にタイワンヨロイアジであるとわかったものの、後の祭りであった。その後は毎日のように悔やんで仕方なかった。どこで獲られたものか聞くと、うちの定置網の根付横にあるツボ網の漁獲物との事。もう少しのところでうちの定置網に入っただけにちょっと残念。だが、とりあえずは確保できたのでほっとする。とりあえず大学の先生に連絡するとやはり珍しいとの事。という事で昨日も標本登録へ行ったばかりではあるが、今日も大学へと走る。

*後日魚ボラでマルヒラアジと同定されました。残念。







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タカエビ漁で得られた標本達

2017年07月27日 | 魚ボラ
 今回のタカエビ漁で得られた標本の数々。その一部である。


シギウナギ



ゾウカスベ



ノコバホウネンエソ



コワヌケフウリュウウオ



カゴマトウダイ



ナカムラギンメ



ハダカイワシの仲間



ヒレタカフジクジラ



シャチブリ
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深海魚を標本登録へ

2017年07月27日 | 魚ボラ
 昨日タカエビ漁で得た深海魚の標本だが、家の冷蔵庫には入らずクーラーの中で海水氷に浸けたままである。という事で今日は鹿大へ走り標本登録へ行く。大学へ行くと幸い学生が多く居て、みんなで手分けして標本登録作業に取り掛かる。昨日は漁から帰り、疲れて寝てしまい、クーラーはそのままで中は見ていない。自分でも実際に何をどれだけ確保したのかはよく覚えていない。クーラーから出された標本の数は多く、更に背鰭・臀鰭の鰭条数の多い魚種が多々あり、顕微鏡でピンセットを使い小さく短い鰭条に小さな針を1本1本丁寧に刺して鰭を立ており、大変に根気のいる作業となる。そのような魚種をたくさん確保してしまい、ちょっと学生達には悪い気持ちとなり後悔する。全ての作業が終わるのに結構な時間が掛かってしまった。だが、今回のタカエビ漁ではまだまだ多くの魚種が混獲されるらしいので、また漁に同行し標本を確保しなければならない。








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タカエビ漁同行

2017年07月26日 | 採集
 昨年、地元のタカエビ漁で得られた深海魚を標本用に頂いて標本登録を行った。その後、私も直接船に乗せてもらい深海魚採集を頼んでいたが、毎週日曜日は忙しく禁漁日となってしまう。そして今期の解禁を迎えたもののやはり今年も忙しい。だが、うちの網元の都合で急遽平日の今日の仕事が休みとなり、直ぐに連絡してタカエビ漁に同行させてもらえるようになる。午前2時半出港し、漁場まで2時間掛かる。漁場に到着すると辺りが少し明るくなり、網を入れタカエビ漁が始まる。海底まで400メートルあり、そこを1時間網を曳き、エビを獲る。網が揚りエビと一緒に魚も混ざって来る。漁獲物を取り込むと直ぐにまた網を入れ、2回目の漁が始まる。網を曳く1時間の間に獲れたエビの選別作業を行う。その時に混獲された魚は殆ど捨てられてしまうので、それを頂き持ち込んだクーラーに確保する。これを計4回行い本日の漁は終了。帰港すると14時過ぎで約12時間の漁であった。今回は一生出会う事は無いと思っていたシギウナギをはじめ、標本サイズのエドアブラザメやシャチブリ、そのほかその場で魚種名のわからないものなど多数確保することが出来た。だが、たくさんの魚種が獲れたものの、まだまだそんなものではない。1年通して同行できれば1冊図鑑が出来てしまう程の魚種が獲れるだろうと思われる。今回このような機会を頂いた漁船の方々に感謝申し上げます。






シギウナギ



シャチブリ




標本サイズのエドアブラザメ



大きなハダカイワシの仲間



ノコバホウネンエソ



ボウズカジカ



ナカムラギンメ



トウヨウカマス



定番のミドリフサアンコウ



コワヌケフウリュウウオ


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気になるクロサギが気になって

2017年07月14日 | 採集
 先日の背面が光っているクロサギがやっぱり気になり、今日は採集に行く。あれから2日経っているので同じ個体を探すのは厳しいところではあるが、一応先日見つけた場所を重点に広い範囲探す覚悟で挑む。同じ場所まで行くがやはり見つからない。それどころかたくさんいた普通のクロサギすら見つからないので、広い範囲探してみる。広い砂地でようやくクロサギの群れを見つける。だが、例の個体はその中では確認できない。時間ばかり過ぎていくのでもう一度元の場所へ戻る。すると背面の光る個体をようやく発見。結局同じ場所で見つけることになる。見つけたら最初に比較の為に普通のクロサギとのツーショット写真を撮ろうと考えていたが、今回は単独で泳いでいたのでそれどころではなく、直ぐに採集に取り掛かる。いつものように網を仕掛け、そこへ追い込もうとするが横へ横へと逃げてしまう。横へは逃げられない場所を見つけ網を仕掛けるが、今度は先へは進まず戻って来てしまう。このクロサギ、網を認識している感じで網の方へは近づかない。丁度普通のクロサギも通り掛かったので採集を試みるが、同じく網の方へは逃げてくれない。何度も試みるが全て同じ結果である。定置網ではたくさん獲れるクロサギだが網を認識するとは思ってもなく、見つけさえすれば簡単に採集出来ると思っていたが、そう甘くはなかった。結局戦意喪失し、あとは写真撮影に専念するが、何度も追いかけたので警戒し、近くで撮影することすらできずに終わる。

普通のクロサギ(背面が光らず体側全体が一様な体色)



気になるクロサギ






上から見たところ
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気になるクロサギ発見

2017年07月12日 | 日記
 今日は仕事終了後、貝を採りに素潜りに行く。今の時期はまだ面白い魚は期待できないので、貝採りに専念する。その為に魚の採集道具は準備せずに一応カメラだけを持って行く。意外と貝が多く、貝採りが早く終わったので後は海の中の撮影を楽しむ。そんな中、クロサギの群れの中に非常に目立つ個体を発見。クロサギは海中では周りに溶け込むように一様に目立たない体色であるのだが、その個体は海中に光が射している訳でもないのに背面が光っており非常に良く目立つ。採集して手に取り調べてみたいところであるがカメラしか持って来ていないので、とにかく記録だけは残さなければと撮影に挑む。その個体を撮影する為に近づくと群れから離れ単独で泳ぐ。普通のクロサギと比較するために群れかツーショット写真を撮りたかったが、その後は群れに合流する事は無かった。結局、その個体の撮影は出来たものの、単独での写真のみとなってしまった。家に帰りその写真を見るとやはり標本用に確保したい思いが募るばかりである。


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スナエソ

2017年07月08日 | 定置網
 今日は定置網を終え、選別作業をしていると少し綺麗なエソが目に付く。ホシノエソかと思い取り上げると鰓蓋に黒色斑がない。という事はスナエソだろうかと思い、標本用に確保し持ち帰る。調べてみるとやはりスナエソである。スナエソは今までにも獲れていると思っていたが、今までに確保した標本リストにその種名が無い。という事で初確保となる。以前にこの魚の事を調べた事があり、種名も知っていた。という事で標本は確保していないようではあるが初入網ではないと思う。これでまた標本リストに新たに1種追加することが出来た。

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逃がした魚は大きかった タイワンヨロイアジ

2017年07月03日 | 市場
 今日は水揚げを終え、市場をざっと散策するとヒラアジ類が2個体揚っているのが目に付く。見た感じよく揚るマルヒラアジやヒシヨロイアジに似た感じではあるが違和感がある。手に取ってよく見ると頭部背縁が眼の前方で凹んでいる。この凹みにより自分では魚種が何だかわからなくなる。確保してよく調べたいところではあるが、既に入札が始まろうとしていて、今の時点ではもう確保できる状況ではない。とりあえず写真にだけ収める。魚ボラに関わりのある水産会社へ卸してくれる仲買人にこの魚の事を伝え、取ってもらうように頼む。そして仕事へと戻る。仕事が終わり、その仲買人に聞くと予想を上回る高値だったそうで競り落とすことが出来なかったとの事。これでこの魚の確保は幻となる。家に帰るが用事があり、この魚の事を調べるのは夜となってしまう。ヨロイアジ属の中で私がまだ見たことが無いのはタイワンヨロイアジだけである。自分でわからなかったのでタイワンヨロイアジではないかと思い図鑑やネットで調べるが、検索図鑑の図では眼の前方が凹んでいない。だが、ネットでFISHBASEに掲載されている写真は眼の前に凹みが確認できる。それ以外の情報が無いのでFBにアップするとタイワンヨロイアジは臀鰭の基底近くに白点があることを教えてもらい、いろいろな写真を見るとその白点が確認できる。そこで今回の個体の写真を見てみると、2個体目の写真が臀鰭は開いていないが臀鰭に小白点らしきものが確認できる。この個体がタイワンヨロイアジであると確信するが時既に遅し。まだ市場にいる時であったら競り落とした仲買を調べ、この個体を探すこともできたかもしれず後悔する。タイワンヨロイアジといえば以前のマテアジによく似ており、日本における記録は私が生まれる前に三重県尾鷲からの2個体のみであったが、その後私が生まれた年に奄美大島から記録され、近年では10年前の2007年に愛知県美浜から記録されたのみである。国内での記録が非常に少なく、今回確保できなかったことが悔やまれる。マテアジのように今後沢山来てくれないだろうかと願うばかりである。





臀鰭の基底下に小白点が確認できる
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