お魚三昧生活

鹿児島の定置網で獲れる魚や市場の魚、鹿児島大学総合研究博物館魚類ボランティア(魚ボラ)の事などを紹介します!

魚ボラ

2008年01月23日 | 魚ボラ

 今日の海上は大時化で天気も悪いので仕事が早く終わる。今日は丁度魚ボラの日であり、予定も無い。という事でいつもより早い時間から参加できる。行くと沖縄から送られてきた標本の登録作業を行なっている。種は違うがみんな体色が赤い魚ばかりで綺麗である。そんな中、見たことのないフサカサゴ科の魚も混ざっている。こんな時に限ってフサカサゴ科魚類の分類学者である魚ボラの先生はまたしても海外出張中。検索図鑑で調べるがやはり同定できないようである。そのほかアカハタが何個体も。私の所の市場にもアカハタは水揚げされるのだが、未だに標本として確保していない。いずれ確保しなければと思うも、アカハタは時には高値が付くので手が出ない。そんな魚をたくさん送って頂いてとてもありがたい。感謝・感謝!
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残すはあと1種?

2008年01月19日 | 定置網

 今日は他所の定置網の水揚げ作業を見に行くと体側に模様のあるカマスを見つける。体側中央にくの字形横帯が並んでいる。オオカマスである。ここでは稀種であり、うちの定置網では未だに捕った事がない。だが、市場では水揚げされている個体は何度か見かけ、写真にも収めていた。だが今回のこの個体は全長が30センチ程の小さいサイズであった。今まで見た水揚げされていた個体は全て大きく、その場で写真を撮っただけであり、展鰭した写真を撮っていなかったのでこの個体を購入し持ち帰り、写真を撮る。当然捨てずに魚ボラ用に冷凍保存する。今回オオカマスの写真を撮ったことで、カマス科魚類内でまだ写真に収めていないのはダルマカマス1種のみとなった。だが、このダルマカマス、ネットで調べても国内産の写真が見つからない。分布域は琉球列島となっているが、今この分布域は領域内と思ってもいいような。現にカマス科で琉球列島となっている他の種は普通に捕れている。実際に現物を見たことないがダルマカマスはアカカマスに良く似ているようである。検索図鑑を見れば体側の縦帯の事が記載されているがアカカマスの縦帯なんて当てにならない。ハッキリした違いは側線有孔鱗数が最大で10違うという事だけである。となるとひょっとして見ているのだが気付いていない恐れがある。たまにポツンと突然とても大きなアカカマスが捕れることがある。もしかしてあれがそうだったのかなぁとも思うも、標本がなければ話にならない。さらにダルマカマスは日本に実在するのだろうかとも思ってしまう。とにかく標本を確保し調べなければならない。だが、大きなカマスは非常に高値の高級魚である。
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ニタリ

2008年01月15日 | 市場

 今日は水揚げ作業をしていると漁協の定置網からニタリが水揚げされる。ニタリは外洋性のサメであるがここの定置網では普通種でよく入網する。このニタリ、特徴はなんといってもこの長い尾鰭。尾叉長と同じくらい長く、優雅である。さらにこの大きな瞳。サメではあるがとても可愛い顔つきである。当然水族館で泳げば人気者間違いないと思われる。しかしこのニタリ、飼育となると困難極まりない。というより不可能のような気がする。沿岸での釣り採集は釣れる確率が非常に低いというか不可能と思われる。となれば定置網となる。尾鰭を除けば体は小さい方である。扱うには十分可能なサイズではある。だが狭い所では泳げないようで、定置網で網を絞る段階で殆どが転んでしまう。飼育が難しいシュモクザメなどは船で生簀まで状態良く運ぶ事が重要であるが、ニタリはそれ以前の問題である。定置網に入網した個体を活かす事は不可能と思われる。まだ試した事が無いが、ニタリを生簀で活かす可能性として、産み落とされる直前のよく発育した胎仔を母ザメの腹を開いて取り上げるくらいしかないのでは。だが、そのような母ザメに出会う確率は非常に低い。いつの日か水族館で優雅に泳ぐニタリを見てみたいものである。
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ヒュウガカサゴ

2008年01月14日 | 市場

 今日は水揚げ後、入札は既に終わっていたが市場内で面白い魚を探す。するとフサカサゴ科の魚を見つける。ヒュウガカサゴと思われる。ヒュウガカサゴは魚ボラの先生が標準和名を提唱した魚である。先生と出会うまではここの市場に水揚げされているのは全てオニカサゴと思っていたが、見分け方を教えて頂き、それからはイヌカサゴとヒュウガカサゴを見つけられるようになった。特にヒュウガカサゴは教えてもらった一昨年には、普通のオニカサゴよりも多く水揚げされていた時期もあった。ところがブログで紹介しようと思っていた昨年は1個体も水揚げされる事がなかった。回遊魚ならそういうこともあると思われるが、先生曰くあまり移動する魚ではないとの事。どうして昨年は捕れなかったのかは疑問である。ヒュウガカサゴは眼隔域が深いため体側面からみて眼の上方1/2が頭部の輪郭から突出していて、比較的眼が大きいのでオニカサゴの鋭い顔つきからすると、どこか可愛い感じがする。ただ、素人の私が見た目だけでは同定できないフサカサゴ科魚類ではある。
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色彩変異?

2008年01月11日 | 定置網

 今日、水揚げしていると他の定置網の人に黄金色のヒラメが捕れたと教えてもらう。アルビノ個体かなと思いながら見に行く。するとまさしく黄金色のヒラメであった。アルビノだと赤味掛かった白色であるがこの個体はハッキリとした黄色?さらに眼が黒い。体にも黒い色素が残っているのが確認できる。という事はヒラメの色彩異常個体ではないだろうか。いつだったか新聞でもこのような色のヒラメが見つかったという記事を見たことがある。それにしても年明け早々なんだか縁起が良さそうである。でもこの色彩、ヒラメにとっては災難ではないだろうか?ヒラメといえば砂地に忍者のように隠れて捕食する魚である。でもこの体色では目立ってしまい、餌となる魚にバレてしまうのではないか。だが心配を他所にこの個体、良く肥えていて立派なヒラメである。そういえばこの体色はここの砂地の色によくマッチしているようにも思える。魚ボラの標本用に欲しかったのだがサイズが大きいし高値と思われる。活きていたので結局はかごしま水族館に引き取られていった。
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また以前のヒメジ属sp?

2008年01月07日 | 定置網

 今日は定置網でヒメジ・ヨメヒメジと感じの違う魚が目に付き、すぐさま確保する。サイズが小さく幼魚と思われるが尾鰭の暗色帯のパターンがヒメジ・ヨメヒメジとは違う。以前にうちの定置網で捕れたヒメジ属sp(ブログ2007 7.24)が思いつく。その個体は魚ボラに持ち込んだのだが同定できずspとなったままである。持ち帰り以前の個体の写真を見るとやはり尾鰭の暗色帯のパターンが良く似ている。顎ヒゲの色、体側の1本の縦帯など一致する部分がいくつかある。標本登録した個体の方は第一背鰭棘数は7本であったが、この個体も肉眼では7本に見えるがサイズが小さいので顕微鏡で良く確認しないと分からない。また、他の形質は両者とも分からないので、魚ボラで両者を比較してみないと同一種かどうかは分からない。だが、同一種であっても、また違ったとしても種が確定することはないのだろうな?
*後日日本初記録種とわかり、2012年に標準和名アカネヒメジと提唱されました。
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気になっていた写真

2008年01月04日 | 定置網

 今日は仕事始めである。昨年は最後の2日間が時化で定置網を起こすことができなかったので、1週間振りの網起こしとなる。また、正月の間鹿児島は大荒れの天気だったようで、1週間振りでさらに時化明けと、大漁を予感させるシナリオである。網を起こすとやはりロウニンアジやマアジ、タチウオなどが大漁。魚種も多過ぎて珍しい魚を見つけ出せない。帰港するとどこの定置網も大漁で揚場はごった返している。そんな中、水揚げされているアジ科の魚に目が付く。この魚、かなり昔定置網で1個体のみ捕れ写真に収めていた。その頃は現場で写真を撮ったら魚は捨てていた。家に帰ってから図鑑で調べたが種が分からなく、前鰓蓋骨後縁が黒かったという事だけでインドカイワリと同定していた。だが、今となっては種が不明であった。その後捕れることが無かった。写真からインターネットで調べたがインドカイワリにしては体形が丸いような気がして、別種のように思え気になっていた。それと同じような体形で前鰓蓋骨後縁が黒い魚が水揚げされている。すぐにでも確保したいのだが漁協の職員は忙しく、相手にしてくれそうもない。そこを無理言って頼み込み、何とか確保する。家に持ち帰り検索図鑑で調べるとインドカイワリとなる。形質を調べても一致した。あとはこの体形。やはり丸い感じがする。また、インターネットでの画像は下顎が大きく強調されているが、この個体はそこまでない。幼魚期はこんな感じなのだろうか?魚ボラに持ち込んで調べてみなければ!
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しながわ水族館

2008年01月02日 | 水族館

 あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願い致します。
さて、私はこの正月は家族で帰省中(東京)。今日は家族でしながわ水族館へ行く。水族館はもう2日からの営業であった。だが、私も水族館の飼育アルバイトをしていた時は正月も通常と変わらない仕事をしていた。水族館を休館にしたところで生き物を飼育している以上、飼育スタッフは休めないのである。水族館へ入るとそれほど混んでいない。じっくりと魚が見れると思いきやイルカのショーが終わるや否や展示水槽へ人の波がドォーッと押し寄せる。ここの水族館の売りのトンネル水槽もゆっくりと見ることができない。理想としてはここで家族写真を撮ろうと思っていたのだが・・・。結局大きなエイがいたくらいしか記憶に残っていない。そのまま波に飲み込まれながら出口へ向かう。最後の最後でうちの子より大きなシロワニが泳いでいて、子ども達は喜んでいた。私としてはヒカリイシモチが一番印象に残っているのだが・・・(採集したい)。
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