お魚三昧生活

鹿児島の定置網で獲れる魚や市場の魚、鹿児島大学総合研究博物館魚類ボランティア(魚ボラ)の事などを紹介します!

コバンヒメジ

2023年06月30日 | 定置網
 今日の定置網漁ではマルソウダが大漁。そんな中、ピンク色に目立つ大きなヒメジの仲間を発見。コバンヒメジである。コバンヒメジは定置網やここの市場では珍しいのだが、夜間採集や素潜り採集では幼魚をよく見る。特に昨年は幼魚が非常に多かったイメージでヒメジ科の中では一番よく見たのではないだろうか。だが、今回のサイズはというと見る事がほぼなく、成長するとどこへ行ってしまうのだろうかと思う程である。今まで市場で撮った写真を見てもほんの数個体だけである。今回は水揚げ作業が忙しく標本用に確保することが出来なかった。次はいつ出会うことが出来るだろうか。
コバンヒメジ



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驚きのブダイ幼魚雄個体・・・と思ったら

2023年06月28日 | 定置網
 今日は定置網漁を終え市場で選別作業をしているとブダイの幼魚を2個体発見。ブダイは雌雄で体色が違い、この2個体は体色から雌雄のようである。ブダイの雄の幼魚を見るのは初めてである。今回獲れた個体と同じサイズのブダイ幼魚を素潜り採集時によく見るのだが、全てが雌であり雄個体は見た事がない。ブダイは生まれた時は全て雌であり、成長と共に雄に転換する雌性先熟型の性転換をする。今回の個体はまだ小さい幼魚であるが雄の体色をしていて驚く。珍しいので魚ボラの標本用に確保する。だが自分の知識が信用出来ず、家に帰ってから調べてみる。すると、中には生まれた時から雄という一次雄と呼ばれる個体もいるみたいである。今までたまたま雄の幼魚を見た事がないだけだったみたいである。これから素潜り採集時には注意しながらブダイ幼魚を観察してみようと思う次第である。
ブダイ幼魚 雄個体

ブダイ幼魚 雌個体

ブダイ幼魚 雌雄
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惚れ惚れするヨコシマサワラ

2023年06月27日 | 定置網
 今日の定置網漁で網を起こしていくと大きな魚が目に付く。その泳ぎから久し振りにウシサワラではないかと思う。更に作業が進んで行き、魚の体側が見えるとヨコシマサワラであり驚く。ヨコシマサワラは普通のサワラが獲れる時期にたまに混ざるだけで、ここでは少し珍しい。いつもはサワラと同じくらいのサイズで体側の模様だけが違うといった感じであるが、今回の個体はサワラよりも見間違えたウシサワラによく似た体型である。この日一緒にカマスサワラも獲れたのだが、カマスサワラの方が痩せて見えるくらいの惚れ惚れとする体型である。当然高値が付き、とても標本用には確保出来ない個体であるので写真にだけ収める。
ヨコシマサワラ



カマスサワラ


左:カマスサワラ   右:ヨコシマサワラ
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カンムリベラ成魚

2023年06月23日 | 市場
 今日は定置網漁を終え市場への水揚げが終わると漁師さんが私を訪ねて来る。刺網で珍しい魚が獲れて確保してあるとの事。なんでも真っ黒な魚で深海魚みたいらしい。浅場の刺網で深海魚はないだろうと思うも期待しながら冷蔵庫へその魚を見に行く。見ると頭部が突出しておりカンムリベラの成魚である。カンムリベラは定置網や市場では見たことのない魚であるが素潜り採集時には見ており、とても動きが素早く採集するのが難しい魚である。一応、幼魚、若魚は何年もかけ採集(ブログ2018 8.1)(ブログ2020 8.17)したものの成魚はまだ採集出来ていなかった。有難く頂き魚ボラの標本用に確保する。これでカンムリベラの幼魚・若魚・成魚の標本写真が揃ったと思うも、この個体は意外と長さがありうちの撮影用の水槽には入らない。更に調べると撮影済みと思っていた幼魚も何故か標本写真は撮っていないことが発覚。という事で急に撮影意欲が薄れ、この個体は撮影せずそのまま冷凍保存する。冷凍保存したもののカンムリベラの成魚はかなり大きくなるらしい。家での撮影となると今回の個体がサイズ的にベストだったような気がするも既に冷凍中。やはり自分でベストな個体を採集しろという事だろう
カンムリベラ



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やっと出会えた ボウズモンガラ

2023年06月17日 | 定置網・魚ボラ
 今日は定置網漁を終え市場で水揚げ作業をしていると、お隣の定置網の方が珍しい魚と言って持って来る。見るとボウズモンガラである。ボウズモンガラは探していた魚であり見て直ぐにやっと出会えたという感じであった。ボウズモンガラは紅海・アラビア海のみに分布している魚であったが、3年前に魚ボラの元学生が日本にも分布している事を研究により確認し、標準和名が提唱された魚である。国内では石川から山口の日本海側と高知・鹿児島とちょっと飛び地の分布であるが恐らくその中間にも分布しているのではないだろうか。鹿児島でもお隣の大隅半島では既に確認されており、同じ年に発行された大隅市場魚類図鑑にも掲載されている。見た目はアミモンガラそのものなのだが全身に白色斑がないだけのように見え、最初はアミモンガラが成長に伴い白色斑が消えただけではと疑った位である。こちらの薩摩半島では初確認であり初確保となる。なので薩摩半島沿岸の魚類図鑑(ブログ2022 2.25)にもまた1種追加となる。という事で土曜日ではあるが綺麗な写真を撮ってもらいに鹿大へと走り標本登録してもらう。
ボウズモンガラ

鹿児島大学




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キビレキントキを標本登録

2023年06月07日 | 魚ボラ
 昨日市場で見つけたキントキダイ科の魚。自分で調べ、消去法でキビレキントキとなったが自信がない。SNSに投稿するとキントキダイ科の研究をしている魚ボラの学生から連絡があり、キビレキントキとの事。という事で薩摩半島沿岸の魚類図鑑(ブログ2022 2.25)にまだ未掲載な魚種なので綺麗な写真を撮ってもらいたいので大学へ走ることに。今日は水曜日なので丁度魚ボラの日である。だが、現在家にストックしている冷凍標本はなく、このキビレキントキ1個体だけを持ち込み標本登録してもらう。図鑑が刊行されてから1年ちょっと経つが、未だに少しずつではあるが新たな魚種が増えている。
鹿児島大学へ

鹿児島大学

キビレキントキ



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今年もヤシャカマス

2023年06月07日 | 定置網
 今日の定置網漁でヤシャカマスが入網。今年初である。ヤシャカマスは3年前に日本初記録種として記載されたカマスの仲間であり、昨年魚ボラの標本用に初確保した(ブログ2022 7.9)。 昨年は当たり年だったのかその後も水揚げがあり、日を追うごとにサイズも大きくなり最終的に10キロ近くにまでなった。その為、サイズアップしていったおかげで標本として確保し辛くなり、確保出来たのはまだ1個体のみである。今回の個体は3キロと標本用には小さくてお手頃サイズである。サイズが大きくなればそれだけ金額もアップしてしまう。小さく安いうちに魚ボラの標本用を確保しようと考える。更に今日は魚ボラの日であり、昨日のキビレキントキを大学へ持って行こうと考えていたので丁度都合が良い。ところが今年初物という事で一度セリに掛けないと値段を付けられないとの事である。今回は確保するのは見送り次回なるべく成長する前にもう一度網に入ってもらいたい。でも、本当は近年見なくなってしまったオニカマスのこのサイズの標本の方が欲しいところである。
ヤシャカマス 今年初入網



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悩ましいキントキダイ科 キビレキントキ?

2023年06月06日 | 市場
 今日は定置網漁を終え水揚げ後市場内を散策。すると、体色の地味な魚が並ぶ中にオレンジ色に輝き、見つけてくれと言わんばかりにひと際目立つ魚が目に付く。体色から見た感じミナミキントキかなと思う。だが、体型に違和感があり、更に腹鰭が少し開いていて基部に暗色斑が見えない。手に取り腹鰭を広げてみるがやはり暗色斑がない。尾鰭を見ると湾入していないがアカネキントキも確か腹鰭基部に暗色斑があったような。となると消去法でキビレキントキとなる。確かに胸鰭は薄いが黄色である。取り敢えず魚ボラの標本用に確保する。家に帰り調べると腹鰭の鰭膜が暗色となっている。この個体は暗色というよりもどちらかというと赤い感じである。ネットでも調べるとよく似た感じの個体の写真が見つかったがその同定自体が信用できるかどうかであり結局がよくわからない。サイズ的に小さく現在家の冷凍庫も空なのでミナミキントキであれば冷凍保存でいいのだが、キビレキントキとなると薩摩半島沿岸の魚類図鑑(ブログ2022 2.25)に載っていないので早めに綺麗な写真を撮ってもらいたい。取り敢えず冷蔵で保管し考えることにする。
*後日、魚ボラでキビレキントキと同定されました。




胸鰭はどちらかというと黄色

腹鰭の鰭膜は黒い感じにも見えるが全体的には赤い感じ
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