沖から綺麗な潮が入って来て、今日は定置網漁がシイラ主体となる。港に戻り選別作業をしていると久しぶりにエビスシイラを見つける。調べると実に4年振りの入網である。選別作業を終え、最終的に1トン強獲れたシイラの中からエビスシイラを3個体見つけ全て確保する。持ち帰るものの、現在家の冷凍庫は標本でいっぱいであり、小さいとはいえこのサイズの標本を3個体も冷凍するスペースはない。Facebookに投稿すると、エビスシイラの雌雄の違いの問い合わせがある。確かに普通のシイラにはハッキリとした違いが表れるが、今まで見たエビスシイラは全て同じである。雌雄の違いが気になるし、冷凍できないので捌いて生殖腺を確認して雌雄を調べてみる。すると雄が2個体に雌1個体であった。更に驚いたのが雌雄共に生殖腺が発達している。このサイズでしかも雌雄の違いが表れていないのにもう成熟している。という事は外見からは違いがわからないのだろうか。違いを調べる為に展鰭し写真を撮る。撮った写真から比較すると雄個体の方が背鰭の高さが高い感じである。色々な魚種の例を見ると、これは繁殖時期に雄が求愛行動で鰭を大きく広げ、雌にアピールする為だろうと考える。だが、エビスシイラは体長70センチまで大きくなるらしい。この個体は成熟しているものの、まだ小さい。大きな個体はまだ見た事無いのだが、成長すると普通のシイラのように雄の頭部が張り出してくるのだろうか。
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