お魚三昧生活

鹿児島の定置網で獲れる魚や市場の魚、鹿児島大学総合研究博物館魚類ボランティア(魚ボラ)の事などを紹介します!

騙されたチョウハン

2019年10月26日 | 採集
 今日は土曜日なのでいつものように夜間採集へと港へ向かう。丁度干潮時で潮が下げており、港が干上がり歩ける状態。歩いてみるとコチの仲間を発見し、難なく採集。見るとトカゲゴチのようである。普段は見ないのだが、あちこちで発見し、数個体だけ採集する。その後、港に上がって岸壁を探すとチョウチョウウオの幼魚を発見し採集。珍しくもないチョウチョウウオであるが、一応採集し確保する。家に帰り採集した魚を見ると、チョウチョウウオの幼魚と思っていた個体の尾柄部に黒斑が現れている。という事はチョウハンの幼魚である。港で撮った写真を見ると、体が夜仕様の体色となり、部分部分が白濁したような状態となっており、この尾柄部の黒斑が隠れてしまっている感じである。おまけに現場では暗いのでチョウハンであるとは気付かなかった。夜間採集ではチョウハンは初採集である。普通のチョウチョウウオの幼魚はよく見つかるので普段は見つけてもあまり採集しないのだが、今回は他にめぼしい魚があまり居らず、採集して良い結果となった。チョウチョウウオの幼魚はよく見かけるので、今までもこの体色に騙されてた恐れもあり、今後注意せねばという教訓になった。



トカゲゴチ



チョウハン幼魚(夜仕様)



チョウハン幼魚
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今朝の地元紙から ホデリイソハゼ

2019年10月17日 | 魚ボラ
 今朝、新聞を見ると新種のハゼ2種(アマミコイソハゼ、ホデリイソハゼ)の記事が載っている。新種ではあるが以前から見つかっており、記載されていなかったハゼの仲間である。魚ボラの学生が論文を書き、日本魚類学雑誌に掲載された。このホデリイソハゼの方は、この前地元で行われた魚類調査時にも標本を得ており、タイプ標本はその時の個体であるので地元産である。更にこの標準和名の由来は、地元に伝わる日本神話に登場する海幸彦(ホデリノミコト)から命名されており、私の息子の名も同じ由来で命名したのでとても親近感の湧く魚である。今度は自分でも採集したいという思いも湧いてくる。
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ユカタヒメジ学名変更

2019年10月10日 | 日記
 うちの定置網で獲れた謎なヒメジの仲間(ブログ2008年06月24日)が昨年の3月に10年越しでUpeneus spottocaudalis Uiblein and Gledhill in Uiblein et al., 2017と同定され、標準和名ユカタヒメジと提唱された(ブログ2018年03月23日)。今回、国際動物学術誌ズータクサ(Zootaxa)でU.spottocaudalisを新種記載した著者により新たにインド太平洋域のヒメジ科の報告があり、そこでUpeneus heterospinus Uiblein and Pavlov in Uiblein et al., 2019が新種記載された。そこでユカタヒメジはこの種であることが判明し、ユカタヒメジの学名がUpeneus heterospinus Uiblein and Pavlov in Uiblein et al., 2019に変更となる。U.spottocaudalisは南半球で確認されているだけでユカタヒメジとして報告した時は北半球初記録として報告され疑問もあった。今回変更となったU.heterospinusはシンガポール、タイ、フィリピン、台湾などに生息し、日本に流れて来ても不思議ではなく、これで疑問も解消された感じである。北半球初記録ではなくなったが、それでも北限記録は維持している。この分布域なら今後も見つかる可能性も出て来て、今後また出会えることに期待したい。


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オオモンカエルアンコウ

2019年10月07日 | 日記
 今日は水揚げ終了後、本船をいつもの場所に係留し船外機で帰ろうとしていると、漁師さんが声を掛けてくる。行ってみると面白い魚が獲れたと真っ黒い魚を渡される。見るとカエルアンコウである。カエルアンコウは体色に様々なバリエーションがあり、黒くても珍しくはないが、これだけ真っ黒いカエルアンコウは見た事が無い。もしかしてと思いよく観察するとエスカの形状が普通のカエルアンコウとは違う。ひょっとしてオオモンカエルアンコウではないだろうか。オオモンカエルアンコウは今までに標本は確保しているが、これだけ小さな個体は初めて見る。家に帰り調べるとやはりオオモンカエルアンコウとなる。今日は昨日の深海エビ漁で確保した標本を魚ボラに持ち込む予定なので、鮮度の良い状態で持ち込むことが出来そうである。ただ、今日の魚ボラはオーストラリア連邦科学産業研究機構の魚類コレクションの管理者が来ており、歓迎会が行われるので標本が無くても伺う予定であった。歓迎会という事で逆に標本処理できる状態ではないような気もする。



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深海魚採集

2019年10月06日 | 採集
 今日は日曜日で仕事は休み。自分の仕事の定置網漁は休みであるが、深海エビ漁は日曜日でも出漁出来れば操業する。という事で以前からお願いしていた深海エビ漁に同行し、深海魚の標本収集を行う。昨年も魚ボラでの地元の魚類調査時に学生と乗船予定であったが、生憎時化となり行くことが出来ず、2年振りの深海エビ船の乗船となる。出港から2時間余りで漁場に到着し、辺りが明るくなってきたのを見計り網を入れ操業が始まる。網を揚げると深海エビの中に魚も混ざっている。エビ以外は逃がしてしまうので、魚は標本用に頂く。船のスペース的にクーラーは一つしか持ち込めなかったので、全てを確保することはできないので選別しながら必要な魚種だけを確保する。4回の操業でクーラー一杯に標本を確保し終了。深海性の魚種なので普段の定置網とは魚種が殆ど被らず本当に有意義で面白い標本収集となる。船の方々、お忙しいところお邪魔しましたが、ありがとうございました。





高級魚アカムツ



結構沢山獲れるヒレタカフジクジラ



ソコマトウダイ



ハダカイワシ



今回初確保マルカワカジカ



ギンメダイ科



ザラガレイ



ユメカサゴ



ミドリフサアンコウ



リュウグウハダカ



ロウソクチビキ



フウセンキンメ



ギンザメ
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