お魚三昧生活

鹿児島の定置網で獲れる魚や市場の魚、鹿児島大学総合研究博物館魚類ボランティア(魚ボラ)の事などを紹介します!

ベンガルフエダイ?

2009年11月27日 | 定置網

今日は定置網で網を絞ると黄色く目立つ魚が浮いてくる。たまに獲れるヨスジフエダイかと思い掬う。見ると眼下の青色縦線が1本しか確認できない。ひょっとしてベンガルフエダイではと思う。ヨスジフエダイとは確か背鰭棘数が違ったと記憶していたが、どちらが何棘とまでは覚えていなかったので現場での同定は不可能。持ち帰り調べることにする。今までにもベンガルフエダイという種名がこの世にまだ無い頃にそれではという個体をいくつか獲っているが、撮った写真を見ると展鰭した写真が無く標本も残していない為、不明である。家に帰り検索図鑑で背鰭棘を調べると、この個体の背鰭は11棘であるがヨスジフエダイの計数も被っている。これではわからない。眼下の縦線も2本目が確認はできないが、薄っすらとしか現れない事もあるそうなので、決め手とはならない。各種掲示板でベンガルフエダイが投稿されるといつも討論されるように、誤同定を避ける為には慎重さが必要と思われる。という事で同定はまた魚ボラに任せる事にする。



後日、魚ボラでベンガルフエダイLutjanus bengalensis (Bloch,1790 )と同定されました。

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タマカイ?

2009年11月19日 | 市場

今日は水揚げしていると漁協の定置網で大きなハタの仲間が獲れたようだが種がわからないかと仲買に聞かれる。最近獲れるチャイロマルハタかヤイトハタではないかと見に行く。すると定置網船に活かしてあり、大きな腹が脹らみひっくり返って泳いでいてよくわからない。だが、体側に小黒点などは確認できなく、まだら模様になっている。このまだら模様は見覚えがある。地元かごしま水族館でも飼育展示されているタマカイである。タマカイは全長で3メートルに達する大型のハタの仲間である。私はタマカイに縁があり、学生の頃はタマカイの若魚(確かジャイアントグルーパーという名だったと記憶しているが)を観賞用に学校の教室の水槽で飼っていた。また、飼育のアルバイトをした葛西臨海水族園でも表には出していなかった(オープン当時は大き過ぎて暴れる為かタマカイを展示する水槽が無かった)が裏の水槽でとても大きな個体を飼育していた。若魚も水族園の個体も黄色に黒と鮮やか?な体色であったが、この個体は全体に茶色く、鮮やかさはない。ひょっとして違う種かもしれないかな。この個体は計測すると64キロあり、キロ単価1800円で取引された。1尾で10万円以上。魚ボラの標本用にとはまったく考えもしなかった。
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初入網 セトミノカサゴ

2009年11月16日 | 定置網

今日は定置網を起こすとマアジとサワラが多く忙しくなる。そんな中、私がいる所から一番離れた場所の水面に小さなミノカサゴの仲間が浮く。よく獲れるキリンミノだろうと思っていたら胸鰭の様子がどこか違う。いつもだったら直ぐに掬いに行くのだが、魚が多く持ち場を離れることができない。ようやく網を絞り終わり、持ち場を離れ掬いに行く。掬った魚を見るとセトミノカサゴである。セトミノカサゴはうちの定置網では初入網である。鹿児島でも大隈半島側ではよく獲れているそうで、こちらでも獲れるはずと探していた魚である。魚を確保するまでに時間が掛かってしまい、水面に浮いてはいたものの、他の魚に揉まれてしまい体表がスレてしまっている。持ち帰り展鰭すると、さらには背鰭棘が折れていたり胸鰭・腹鰭など各鰭の傷みも酷い。せっかくの初入網であったが標本の状態が悪くちょっと残念である。せめて漁獲が少ない時に獲れてくれれば状態良く確保できたのだが。おまけに撮影した写真を見ると涙骨の皮弁が上を向いていたり、眼上皮弁が寝てしまっている。せめて写真くらいはしっかりと撮るべきだったと後悔する。
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ヨコシマサワラ

2009年11月12日 | 市場

 最近定置網での水揚げはサワラが主体となっている。今日は水揚げ後、市場内を散策しているとサワラの中に体側の暗色斑が横縞となっている個体を見つける。ヨコシマサワラである。ヨコシマサワラは以前はサワラに混ざって毎年確認していたと思うが、ここ何年と見ておらず久しぶりの対面となる。魚ボラの標本としてまだ登録していないと思うが、この個体は2キロくらいあり標本用にはちょっと大き過ぎる。さらに現在は昔ほど高値の魚ではないが、2キロもあればやっぱり今でも高級魚である。確保したい気もあるが標本用にはもっと小さな個体で十分である。だが、昔からここで獲れるヨコシマサワラは皆大きな個体ばかりである。小さな個体を待っていてもいつになるか分からない。とりあえず写真を撮ろうとサワラの中から取り上げると尾鰭下葉が折れていて欠損している。自分の気持ちの中でこれを理由に確保するのを諦める。最近獲れる数が減っているのでいつか後悔する時が来るのだろうか。
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ミナミメダイ

2009年11月09日 | 市場

 今日は水揚げ後、所用で市場へ行くと隣の漁協の定置網が水揚げに来ていた。そこで漁協職員が水揚げする魚の種名が分からず悩んでいて、丁度通りかかった私に声が掛かる。魚を見るとオオメメダイではと思うが、この手の魚をよく知らない。ブログネタを探していたし、自分では写真を撮ったことが無かったので確保したく、種名を調べるという条件で譲ってもらう。この魚を獲った人に話を聞くと今年初めて見た魚であるとの事。さらにここ数日で数個体揚がっているようである。持ち帰り検索図鑑で調べるとオオメメダイ科で頭部背面の有鱗域の先端が眼の後縁に達することでミナミメダイのようである。姿から深海性の魚のように思うが、いろいろ調べてみると定置網で混獲されていたり、表層で巾着網によって漁獲されていたりしているようである。だが、情報量が極めて少ない。鱗が剥がれやすいようで、この個体も鱗は既に剥がれてしまっている。定置網の漁獲物であるにも関わらず、体表がズル剥け状態なので、かなり弱い魚のようである。状態が悪いので写真を撮ったら捨てようかと考えた。魚ボラの学生に電話して調べてもらうと、標本未登録種であることがわかり、一応魚ボラの標本用に冷凍保存する。
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