お魚三昧生活

鹿児島の定置網で獲れる魚や市場の魚、鹿児島大学総合研究博物館魚類ボランティア(魚ボラ)の事などを紹介します!

大きなオオウミウマ

2008年07月30日 | 日記

 今日は水揚げ後、仕事を早退して委員をしている自然教室へ行く。地元の小学生(上級生)を対象に近くの無人島でキャンプを行なう。この自然教室の委員長は小型定置網を操業していて、今回のキャンプのイベントとして定置網体験を行なう。網を揚げるとカンパチの若魚やクロサギが多い。そんな中、大きなタツノオトシゴが捕れる。頭部と尾がこのように曲がっている状態でも15センチ以上はある。子供達は大喜びで急いでバケツに生かして眺める。自分はこのような大きなタツノオトシゴの仲間は見た事がなく、種名が気になる。だが、子供達のアイドルとなっているタツノオトシゴを横取りすることはできない。とてもじゃないけど「標本にする」と言うことなんてもっての外という状況。島に戻って来てからもみんなでバケツの中を覗き込んでいる。ところがその後海水浴の時間になると子供達は遊ぶことに夢中になり、タツノオトシゴの入ったバケツの事を忘れてくれる。結局解散するまでタツノオトシゴの話題が出なかったので、仕方なく魚ボラの標本用に確保する。丁度今日は魚ボラの日で参加する予定だったので同定は魚ボラで行なうことにして、帰宅後直ぐに標本を持って大学へ向かう。魚ボラでの同定結果はオオウミウマであった。普通種でちょっとガッカリであったがオオウミウマがこんなに大きくなるとは知らなかった。そういえば今月行った沖縄美ら海水族館でも見たような気がする。時間が無くサッと見ただけだったので良くは覚えていない。
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ナミマツカサ

2008年07月29日 | 定置網

 今日は定置網でアカマツカサ属の魚が2個体捕れる。鱗が硬く傷付き難い魚ではあるが、見つけ次第直ぐに掬って魚ボラの標本用に確保する。以前に定置網で捕れたアカマツカサ属の魚は魚ボラでナミマツカサと同定されている。今回の個体も魚ボラに持ち込んだ個体とよく似ている。実は家にある検索図鑑第1版にはナミマツカサは記載されていない。ネットで調べると第1版が発行された後に新種記載された魚のようである。新種と言ってもアカマツカサ・ヨゴレマツカサなどと混同されていただけで決して珍しいという訳ではなく、むしろ普通種という事で並(ナミ)のアカマツカサでナミマツカサと言う事らしい。家では検索できないという事で今回の個体も同定は魚ボラに任せる。結果ナミマツカサであった。
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ヤミハタ

2008年07月28日 | 市場

 最近は潮が速く水温も高く魚種が少なく、ブログも更新できない状況である。そんな中、今日は水揚げ後市場内を覗くと体長20センチ程の小さなハタの仲間が水揚げされていた。ヤミハタではないだろうか。ヤミハタを見るのは初めてであったが、何故か名前が浮かんだ。魚ボラでハタ類の標本が集まっていないという事であったので購入を考える。ハタ類は値段が高いので普段はなかなか手が出ないが、今回の個体はとても小さく、キロ単価が高くても1尾あたりの値段は知れていると思い、即購入。標本としてもとても手頃なサイズである。持ち帰り検索図鑑で調べるとやはりヤミハタであった。魚ボラの日まで3日もあるが冷凍しなくても大丈夫ではと考え、そのまま冷蔵状態で保存する。でも最近忙しく、魚ボラに参加できるのだろうか?
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テングハギモドキ

2008年07月18日 | 定置網

 今日は水揚げをしていると漁協の定置網の人に珍しい魚が捕れたと教えてもらう。水族館用にと市場の活魚場に生かしている。見に行くと尾柄部に大きな骨質板が2対確認でき、テングハギ属魚類と分かる。この魚をどうするのか話をすると、幸い?口に傷があるので水族館には連絡しないとの事。それならばと魚ボラの標本用に頂く。取り上げるとテングハギ属独特の前頭部の角状突起が確認できない。見た目ではテングハギモドキのように思える。この魚はここでは珍しい部類に入る。幼魚はうちの定置網で1度捕れた事があるが、その成魚は見るのも初めて。持ち帰り検索図鑑で同定すると、やはりテングハギモドキのようである。テングハギモドキは魚ボラの標本としてはまだ未登録と思われる。だが、おかげ様で魚ボラの標本登録数が1万を超え、最近は忙しく魚ボラにあまり顔を出していないので、どの種が登録されているのかを把握していない。未登録種であれば貴重で大変に有難い標本提供となる。ところがこの個体、全長で50センチ程はあり、大き過ぎる。家に持ち帰ったもののどうすることもできず、未だにクーラーに入れたままである。近日中に魚ボラに参加するのであればまだ良いが、今後いつ参加できるかは未定である。冷凍保存するにも海水に浸けた状態で行なわなければならない。とりあえずはクーラーに入れたまま漁協の冷凍庫に入れようと思うが、このクーラーは近日中に使う予定がある。頂いた貴重な標本ではあるが口には傷もあるのでその運命は今のところ廃棄処分が濃厚。ここでは珍しい種ではあるが、手頃なサイズの標本が手に入ることを祈りたい。


*無事に標本登録しテングハギモドキNaso hexacanthus (Bleeker,1855 ) と同定されました。
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沖縄3日目

2008年07月11日 | 定置網

 今日は沖縄出張最終日。昨日で行事は終わったので今日は美ら海水族館へ行く。美ら海水族館も一度見学したかった水族館であったので楽しみにしていた。今日の日程はこの水族館見学だけではあるが、ホテル・空港から遠く移動に時間が掛かる為、水族館見学はわずか1時間ちょっとしかない。初めて訪れる水族館、しかも大きな水族館としては見学時間があまりにも少なすぎる。この水族館の目玉はやはりジンベエザメであろう。そのジンベエザメが1つ大型水槽に3尾も泳いでいる。その水槽は見た目以上に奥行きがありそうで、1枚の写真にその3尾のジンベエザメを収めることができなかった。ジンベエザメは地元かごしま水族館でも今まで見てきたし、定置網にも入網する。3尾を一度に見られるのには圧巻されるが、自分としてはオニイトマキエイを一番見たかった。泳ぐ姿は今まで映像でしか見た事がなく初めて見る事ができた。これをダイビング時に見れれば最高だろうなとダイバーがこれ見たさに通う気持ちがよく分かる。ここに泳ぐオニイトマキエイはサイズ的にどうなのだろう。もっと大きくなるのかな?一度最大級の個体も見てみたいものだ。オニイトマキエイは昔、うちの定置網で一度だけ捕れた事があるが既に死んで腐っていたのでそのまま捨てた。口がとても大きくよく捕れるイトマキエイとの違いは明らかであった。定置網でも捕れる可能性があるので、是非とも地元かごしま水族館でも泳ぐ姿を見てみたい。だが魚ボラの標本としては・・・。このほか深海のコーナーでうちから搬出したムツ、メダイにご対面。メダイは驚く程の大きさに成長していた(うちのかなぁ)。時間が無いうえ水槽内がとても暗くマトウダイまでは探しきらなかった。今度はプライベートで訪れ、ゆっくりと館内を見学したいと思う。
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沖縄2日目

2008年07月10日 | 日記

 今日は沖縄出張2日目。九州地区漁港漁場大会当日。午前中はその大会に出席。午後は糸満漁港視察後観光地を巡り、ホテルへ帰る。その後、お土産を探しに土産店の並ぶ国際通りへと行く。時間があるので魚が見たくてまた昨日覗いた公設市場へ行く。カメラを手にしていたにも関わらずお店の人に「昨日来た鹿児島の漁師さん」とバレてしまう。日焼けしていて普通の観光客とは見た目が違うらしい。ちょっとショック。バレているなら堂々と魚の写真を撮らせてくれと頼む。今日、目に付いたのがこの鮮やかな色彩のハタ。シマハタと思われる。ハタの仲間なので美味しい魚とは思われるが、とても食欲の沸く体色ではない。食べるよりも鑑賞したい魚である。自分としては写真を撮って標本にしたい魚である。お店の人にバレた次いでに鰭を広げてみたかったがそこまでは頼めない。鹿児島県産ではないので買いもしないので氷から出してとも頼めず、結局はそのままの状態で撮影。お店として客でもないのに撮影させて頂いただけでもありがたい。口を閉じ、展鰭すればまた感じが違ってくると思うので、いつか標本を手にして綺麗な写真を撮ってみたい魚である。
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沖縄1日目

2008年07月09日 | 日記

 定置網漁業をしているとたまに現地研修視察があるくらいで出張というものには縁が無いものと思っていた。ところがどういう訳か漁協の役員になってしまい、いきなり今日から沖縄へ3日間の出張となる。今回は明日、九州地区漁港漁場大会があり、我が漁協代表として今年の当番県の沖縄へ出発。鹿児島からは約50人程の参加となる。自分としては沖縄初上陸となった。那覇空港到着後、まず向かったのが第一牧志公設市場。ここは以前から一度行ってみたかった場所であり、今日の一番の楽しみであった。到着すると昼食という事で鮮魚売り場を横目にいきなり二階へ案内される。自分としては一階で魚介類を買い、二階で調理してもらいたかったのだが事前に用意された昼食を頂く。その後、思っていた以上に狭い場内を県代表約50名が市場の案内人の後をゾロゾロと付いて説明を聞く。鮮魚店に来ると色とりどりの沖縄の魚達にご対面。想像していたハタ・ブダイ類がやはり多い。そんな中、大きなフグが目に付く。ヒトヅラハリセンボンである。うちの定置網では捕れた事がなく、以前に水族館で見たことがあるくらい。皮を剥がされた個体もあり、ネズミフグと見間違う程の大きさにちょっと驚く。こんなに大きくなるとは知らなかった。さらに驚いたのはその値段。1尾で4500円と横に並ぶ高級なハタ類と同じくらいの値段である。最初は食べて見たかったが、その値段を見て直ぐに諦める。だが、後で観光案内を見て知ったが、ハリセンボンの仲間を使った「アバサー汁」は有名で肝臓をすり潰して入れてあり、独特の風味を出し美味しいとの事。やっぱり食べてみたい。今度定置網で捕れるハリセンボンで作ってみるか。でもレシピも無いし、魚が小さすぎる。
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コクチフサカサゴ

2008年07月02日 | 定置網

 今日は定置網で体長が5センチ程の小さなフサカサゴ科の魚が捕れる。うちの定置網では稀で、あまりよく見たことがなく分からないがコクチフサカサゴではないだろうか。コクチフサカサゴは3年振りの入網となり、今までに捕れたのはこれで3個体目となる。ところが鹿児島で稀という訳ではなく、魚ボラの学生が標本収集に通う太平洋側では毎日のように捕れているらしく、魚ボラにはその標本が持ち込まれている。太平洋側とここ東シナ海側とでは違うのだろうか。浅い所にいるのか分からないが潜った時にも見た事がない。今回の個体は小さいうえ、同定が難しいフサカサゴ科魚類である。魚ボラの標本用に確保し、先生に同定してもらおう。


*コクチフサカサゴScorpaena miostoma Günther,1880 と同定されました。
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クサアジ

2008年07月01日 | 市場

 今日は水揚げを終え、市場内を覗いているとクサアジが1個体水揚げされているのを見つける。クサアジはアジという名ではあるがアカマンボウ目の魚であり、稀種である。ここの市場でも水揚げされているのを見るのは久しぶりである。だが5年以上前には山のように水揚げされていた事もあった。水揚げされるものの、まだ食べたこともなく、美味しいのかどのように調理されているのかは分からない。まだ魚ボラでクサアジの標本は数が少ないので確保したいが時間があまりない。迷うところであったがとりあえず写真だけでも撮ろうと背鰭を広げてみるとかなり傷んでいる。これで迷いも無くなり確保するのを諦める。標本用にはあっさりと諦めたものの、一度は食べてみたくてちょっと後悔。
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