お魚三昧生活

鹿児島の定置網で獲れる魚や市場の魚、鹿児島大学総合研究博物館魚類ボランティア(魚ボラ)の事などを紹介します!

やってしまったキビレヒイラギ

2024年01月26日 | 定置網
 今週に入り大寒波到来。海は当然大時化となる。そうなると大時化明けの定置網漁に期待していた。そして3日振りに定置網漁出漁となる。ところが蓋を開ければ小さなオキヒイラギがメインの漁模様。帰港後に選別作業をするも面白い魚は見つからない。最後にこの小さなオキヒイラギを選別。混ざっている雑魚やヒメヒイラギを取り除く作業。せめてこのオキヒイラギの中にヒイラギ科の別種がいないだろうかと選別作業をしながら探す。すると下顎が太めの個体を発見。コバンヒイラギだろうと思い確保。その後も見つかり最終的に10個体見つける。更にネッタイヒイラギとミジンベニハゼも1個体ずつ見つかり、特にネッタイヒイラギは久し振りの対面となる。コバンヒイラギは今までに結構標本を確保して来たうえサイズが小さかったので大きめで綺麗な個体を残し、半分だけ標本用に確保する。大時化明けで期待していたが最後の最後でネッタイヒイラギと久し振りに対面出来たので良しとしていた。ところが仕事が終わり確保した標本を持ち帰ろうと再び見るとコバンヒイラギに何か違和感がある。コバンヒイラギは体型がもっと卵型な感じがする。なので口の中に指を入れてみる。するとコバンヒイラギの特徴である犬歯状の歯がないではないか。となるとキビレヒイラギとなる。家に帰り調べると以前にも自分で同じような事をしておりブログにも載せていた(ブログ2019 2.27)。キビレヒイラギはネット情報が少なく珍しい種と思われる。久し振りのネッタイヒイラギが嬉しく気を取られていたのかコバンヒイラギと思い込みキビレヒイラギを5個体も捨ててしまったではないか。ネッタイヒイラギの嬉しさを大きく上回り後悔する事となる。だが、今回10個体も入網しているのでまた獲れるだろうと今後に期待する。
漁獲されたオキヒイラギ

オキヒイラギの選別作業

最初はコバンヒイラギと思っていたがキビレヒイラギ

久し振りのネッタイヒイラギ

ミジンベニハゼ

選別作業でキビレヒイラギを10個体も見つけたのだが

キビレヒイラギ

両顎に犬歯状の歯がない
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ホッとしたカラスエイ

2024年01月20日 | 定置網
 今年も日頃の魚の事をアップして行きますのでお付き合いの程、よろしくお願い致します。先ずは年明け早々に起きた能登半島の震災により被災された皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。能登半島は我々定置網漁業者においてブリ漁の聖地であり、そこが壊滅的な被害に遭われとても驚いております。一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。

 さて、年が明け、長い正月休み明けの定置網漁を期待していましたが面白い魚はなく、それからも普通種の漁模様が続く。何もブログネタのない状況が続きもう月の半分が過ぎてしまう。そして昨日やっと久し振りにカラスエイが入網。まだ日が昇る前の辺りが暗い時間帯であり水中も暗く体盤も黒く見難い状況であったがアカエイとは違う泳ぎ方に見覚えがあり、直ぐにカラスエイと認識。他の魚と混ざる前に確保する。帰港後、水揚げ作業が忙しいのでカラスエイを籠に入れたまま漁協の冷蔵庫に入れて置く。仕事を終えてから漁協の冷蔵庫へカラスエイを見に行く。籠から出して写真を撮ろうとすると体盤の腹側に籠の跡が付いてしまっている。長い時間籠に入れっぱなしだった為、跡が付いてしまい失敗したと後悔。この状態では魚ボラの標本には出来ないので前回モノノケトンガリサカタザメを持って行った(ブログ2023 12.13)水産学部の食べる先生の方へ持って行こうかと悩む。取り敢えず大きな袋に移し替え一日置くことにする。そして今日、仕事終わりでカラスエイを見に行くと体盤腹側に付いていた籠の跡が消えている。これなら魚ボラの標本になりそうである。ホッとしいつもの様に研究室へと走り標本登録してもらう。
カラスエイ

体盤腹側に籠の跡が付いてしまう

一日置き、籠の跡が消える


カラスエイの歯


鹿大郡元キャンパス




黒い板で標本への光の反射を抑える


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする