お魚三昧生活

鹿児島の定置網で獲れる魚や市場の魚、鹿児島大学総合研究博物館魚類ボランティア(魚ボラ)の事などを紹介します!

石の下にもシイラ

2020年11月28日 | 採集
 今日は夜間採集の日。いつもの様に港へ行くと大潮の丁度干潮時。港の中は潮が引き、海底が出ている。岸壁からは潮が低く期待できないので、港内を歩いて散策する。だが、面白いものは見つからずそのまま砂浜まで来てしまう。ここは2年前の寒い時期に石の下に隠れる稀種シラヌイハタの幼魚を見つけた場所である。と言う事で、期待しながら石の下を探してみる。石をそっと持ち上げると下にはカニの他、魚ではクモハゼやクツワハゼ、シマスズメダイの幼魚達が隠れている。一つひとつ丁寧に石の下を探って行くと突然赤い魚が目に付く。急いで採集すると何とシイラの幼魚である。シイラの幼魚は普段は流れ藻などの間に身を潜めているイメージである。石の下にいるとは思わずちょっと驚く。恐らく潮が引き、周りに隠れるゴミや藻などが無く、石の下に隠れていたものと思われる。それにしても最初は赤い魚に見えたが、大きな鰭が赤かったのか、夜仕様の体色だったのかわからないが、このサイズのエビスシイラの幼魚を未だに見た事がないので、ひょっとしたらそれかなとも思ったのだが、時間が経てば普通のシイラの幼魚な感じになって来た。生かして持ち帰ろうとしたが、バケツに入れたら水温が低かったのか死んでしまう。泳ぐ姿も写真に収めたかったが、魚ボラの標本用としてそのまま冷凍となる。



シイラ幼魚



コバンヒメジ幼魚
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

モンガラカワハギ

2020年11月27日 | 定置網
 今日は定置網漁を終え帰港すると、お隣の定置網の人が魚を持ってくる。見るとモンガラカワハギの若魚である。モンガラカワハギは市場で何度か見たことがあるといった程度でここでは珍しい。うちの定置網では幼魚のみ入網したことがあり(ブログ2015 8.20)、当初は魚種が不明であったが、のちにDNA解析によって種が確定された。モンガラカワハギはその奇抜な模様な為人気があり、水族館では他の魚を気付つける嫌がられがちなモンガラカワハギ科の魚ではあるが、モンガラカワハギだけは展示されている。その為、市場に揚がっていても水族館用に活かしてあることが殆どで、標本用にもなかなか手に入らない魚である。だが、今回は既に死んでおり標本用に頂く。更に若魚な為サイズが小さく、家の撮影用の水槽にも入るので標本写真も撮影。昔から一度撮ってみたい魚であったので目標達成となる。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ホッとしたウシサワラだが・・・

2020年11月27日 | 定置網
 今日は定置網でウシサワラが入網。うちの定置網では2年振りとなり久し振りに出会えホッとする。今年も残りわずかとなり、来年の干支は丑だが、年賀状用の写真にウシと言えばウシサワラが思いつき、今年も獲れなのだろうかと思っていたところであった。だが、突然本当に獲れてしまい戸惑う。最近で言う映える写真を撮りたいのだが、どのような写真が良いのか考えておらず、結局普通に記録用の写真しか撮れずに水揚げとなってしまう。ウシサワラは未だに魚ボラの標本用に確保していないので、確保して黒バックの写真でも良いのだが、今回も17キロと非常に大きく、結局標本用にも確保するのも諦める。と同時に年賀状にもウシサワラの写真を使うのを諦める事となってしまう。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

コンゴウフグ幼魚

2020年11月26日 | 定置網
 今日は定置網漁で網を絞ると、目の前に小さな緑色の塊が動いている。急いで掬い取る。見るとハコフグ類の幼魚のようである。だが、定置網や素潜りでは今までにまだ出会ったことのない体色に姿である。とても可愛い感じなので生かした状態で持ち帰る。家に帰り泳ぐ姿を撮影。その写真をパソコンで拡大して見ると画像でしかまだ見たことのないコンゴウフグの幼魚である。コンゴウフグは最近はあまり見かけなくなってしまっているが、以前は幼魚から成魚まで定置網で普通に獲れ、水族館などへも搬出している。コンゴウフグと言えば著しく長く発達した眼上棘や腹側隆起棘が特徴であるが、このようにまだ未発達の小さな幼魚を見るのは初めてである。同じコンゴウフグ属のシマウミスズメなどはこのサイズの時点で既に眼上棘や腹側隆起棘が確認できるのだが、棘が何倍にも発達するコンゴウフグなのに、この時点ではまだ確認出来ないというのも面白い。家に水槽を構えていれば飼育したいところではあるが、現在は海水用の水槽は無いので今回は標本用にする。




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今年2個体目スジアラ

2020年11月25日 | 定置網
 今日は定置網にスジアラが入網。1週間前には大きなチャイロマルハタも獲れ、良い感じである。アラは市場では年に何度か見かけるが、うちの定置網では珍しく、昨年の7月にようやく初入網となるものの、結局年間で1個体だけであった。今年も同じ7月に1個体入網しており、今回は今年2個体目である。昨年は1個体のみで、今年は2体目が獲れたものの、増えて来ているとはまだ言える数ではない。昔はいなかったチャイロマルハタも最初は少なかったが、年々増加しており、このスジアラも同じように増加して行ってもらいたい。最近はコロナの影響で高級魚ほど値が下がっているが、だからと言ってこの大きなサイズのスジアラを標本用に確保する勇気はやはり湧く事はない。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

夜間採集でタカノハダイの食レポ

2020年11月21日 | 採集
 今日は土曜日で夜間採集の日である。いつものように港へ行き、魚を探すがいつもの顔ぶればかりである。そのような状況の中、目の前に大きなタカノハダイが現れ、タモ網で掬う。いつもならタカノハダイを見つけても採集しないのだが、今日は何も獲物が無く、記録用に写真だけに収めて逃がそうと思っていた。写真を撮り逃がそうとしたが、この個体はかなり大きく水揚げされるサイズである。市場ではよく見かける魚ではあるが、実際に私自身食べた記憶がない。買ってまで食べる魚ではないと思っていたので食べた事がなかった。と言う事で今回は持ち帰る。家に着き、深夜ではあるが早速タカノハダイを三枚に下ろす。すると腹部には脂の塊があり、刺身に切ると包丁に脂がのり期待できる。食べてみると脂があり、メジナのような感じで、とても美味しい。タカノハダイがこんなに美味しいとは思ってもいなかった。今回の夜間採集でタカノハダイの美味しさを知った事は大収穫であった。


ボラ幼魚




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

夜間採集でゲンコ

2020年11月14日 | 採集
 今日は土曜日で夜間採集の日である。今日は大潮の干潮時にあたるのでまた岸壁採集と言うよりも干上がった港の海底を歩いて散策となる。散策していると裏返って無眼側が表になっているシタビラメを発見。潮が引く途中で逃げ遅れたのだろうか。ライトで照らしても逃げも隠れもしない。それどころか動きもしないのでゆっくりと撮影。地面は完全には干上がっておらず、手に取るとまだ生きている。普段なら砂に潜って見つからないのだろうが、何かの拍子にひっくり返ってしまったみたいだが、ひっくり返ると潜ることも出来ないみたいである。遠慮なく標本用に確保する。持ち帰り調べてみるとウシノシタ科のゲンコのようである。有眼側の模様がちょっと違う感じであるが、まだ幼魚だからと思われる。採集したというより落ちている魚を拾った感じである。そのほか、またチョウハンの幼魚を見つける。最近は普通のチョウチョウウオよりもチョウハンの幼魚の方が出会っている感じである。




裏返った状態で発見のゲンコ幼魚。



岩場の方も散策



チョウハン幼魚



ヨメヒメジ幼魚



コバンヒメジ幼魚



クロホシフエダイ幼魚



砂に潜り身を潜めているイネゴチ



本日の採集結果

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

サヨリトビウオ

2020年11月14日 | 定置網
 今日の定置網漁で久し振りにサヨリトビウオを見つけ確保する。今、魚ボラとは別件でトビウオの仲間を頼まれており、水面を泳ぐトビウオ類を探していて偶然発見する。サヨリトビウオはここでは珍しく、前回の採集データを見ると2016年で、もう4年も前である。サヨリトビウオ属には2種あり、サヨリトビウオとクロビレサヨリトビウオである。今まで採集したのは全てサヨリトビウオであり、クロオビサヨリトビウオはまだ未採集であり探している。今回のこの個体の腹鰭を見ると黒く見える。これはクロビレの方ではないかと期待する。家に持ち帰り検索図鑑で同定すると、サヨリトビウオの方も腹鰭が淡色だが暗色域もあるとなっている。この個体を確認すると腹鰭全体が暗色という訳ではない。となると普通のサヨリトビウオである。過去のブログ記事を見ると初入網だった時の記事(ブログ2007 9月26日)内で同じように腹鰭を確認し、更に確信を得る為に覚えが無いのだが解剖までして鰾を調べている。その時は3個体あったので、1個体を犠牲にして解剖できたが、今回は1個体しかない。だが、その時と腹鰭の暗色域が同じ状態な為、この個体も解剖して調べなくても普通のサヨリトビウオであろう。クロビレサヨリトビウオであれば魚ボラの標本用に確保するのだが、普通のサヨリトビウオなので別件の方へ確保することにする。




腹鰭は淡色だが暗色域もある


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今年2度目の深海エビ漁

2020年11月01日 | 採集
 仕事の都合上、休みである日曜日にしか乗船できない深海エビ漁。漁期は7月~12月の半年しかなく、その日曜日に自分の予定がない、出漁出来る海況状況など、様々な全ての条件が揃わないと乗船に恵まれない。今年も11月に入り、ようやく今年2度目の乗船となる。魚ボラの学生によると標本も結構揃いつつあるとの事なので、今回は魚ボラ用の標本の他に食べられそうな魚も確保することにする。今日は雨予報であったが、幸い雨は降っても霧雨程度で済み、多少のうねりがあるだけ。1回目の漁ではエビも魚の非常に少なかったものの、網を投入ごとに漁模様も良くなって行く。予定通り4回操業してある程度の深海魚を標本用に確保できる。今回はナミアイトラギスのみが初確保となる。また、いつもたくさん獲れるホウネンエソ属の魚は全く見ることが出来なかった。確保した標本は明日鹿大へ持ち込み標本登録する予定である。今年もあともう1回は乗船出来ないものだろうか。
*ナミアイトラギスは後日イトヒキアイトラギスに同定されました。





ゾウカスベ



ギンザメ



ヒレタカフジクジラ



エビ漁では初採集のナミアイトラギス

*後日イトヒキアイトラギスに同定されました。それでも初採集。


トンボイヌゴチ



ナツハリゴチ



イトハリゴチ



ナカムラギンメ



アカムツ



ボウズカジカ



ソコマトウダイ



カゴマトウダイ



ミドリフサアンコウ



リュウグウハダカ





ソコダラ科魚類



ウスベニキントキ?

*魚ボラでウスベニキントキと同定されました。


ヒウチダイ
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする