お魚三昧生活

鹿児島の定置網で獲れる魚や市場の魚、鹿児島大学総合研究博物館魚類ボランティア(魚ボラ)の事などを紹介します!

謎な稚魚

2020年10月18日 | 採集
 今回の夜間採集遠征でもう1種、謎な稚魚も採集。家に持ち帰ると既に死んでおり、泳ぐ姿は観察できず。体が小さいので撮影し、パソコンで画像を拡大して見てみる。すると全体像や頭部の感じ、体色からクロイシモチかなと思う。だが、調べるとクロイシモチにしては背鰭棘の数が多い。テンジクダイ科の別種かなと思うが、背鰭棘の数が皆違う。となると何だろうか。よく見ると2基あると思われていた背鰭が切れているだけで1基のようにも見える。となると腹鰭棘、臀鰭棘も合わせ、フエダイ科フエフキダイ科、ハタ科辺りだろうか。結局迷宮入りである。まぁ、稚魚なので、自分の知識では迷宮入りするのが当たり前なのでここで終了。


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夜間採集遠征でハクテンハタ幼魚

2020年10月18日 | 採集
 いつもの夜間採集を終え、時刻は既に日付を跨ごうとしている。最近の夜間採集で収穫が無いので、まだ見ぬ魚を求めて同じ市内ではあるがひと山越え、隣町の港へと久し振りの遠征へ。この港は以前にサラサハゼやイッテンフエダイの幼魚など面白い魚を採集した場所である(ブログ2018 11月10日)。普段は潮が満ちて入れない場所であるが、大潮の干潮時のみ干上がり、小さな川の流れ込みがあるので、そこで前回と同じように採集を試みる。川の中を覗くとたまり場にハゼ類がジッとしている。採集するとカワアナゴの幼魚のような感じ。この種があちこちに確認でき、数個体採集。そのほかハゼ類が次々と見つかる。そのような状況の中、探していたハタ類の幼魚を発見。ハクテンハタの幼魚である。ハクテンハタは地元やこの地域でもまだ見た事がないが、太平洋側では採集記録があり、こちらでもそのうち見つかるだろうと思って探していた。運よく水深が浅く、周りに隠れるような大きな石も無く、簡単に採集。このハクテンハタの幼魚を採集したことで、今回の遠征は大成功である。ハゼ類をたくさん採集したが、必要分だけ確保し、全て生かして持ち帰る。今回ここに来たのは珍しい魚を探す目的の他に、ちょっと考えがあり、汽水域のハゼと言う事で家の淡水の水槽で飼育できないものかと考えていた。ハゼ類は今後飼育にチャレンジしてみる。




ハクテンハタ幼魚



ヒトミハゼ?



タネハゼ



クツワハゼ



コバンヒメジ幼魚






ハクテンハタ幼魚



カワアナゴ?

*コメントでチチブモドキと教えて頂きました。ありがとうございます。


ヒトミハゼ?
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身に覚えのある夜間採集

2020年10月17日 | 採集
 今日は土曜日恒例の夜間採集の日。最近は夜間採集での収穫が無くワクワク感が無い。そこで明日の日曜日は何も予定はなく、更に今夜は丁度大潮の干潮時に当たるので、いつもの港を散策後、別の場所への遠征を考えている。先ずは定点観測と言う事でいつもの港へと行き、魚を探す。すると早速チョウチョウウオの幼魚を見つけ採集。記録用に写真を撮る。するとチョウチョウウオではなくよく似るチョウハンの幼魚である。体が少し白濁した感じの夜仕様の体色になっており騙されるところであった。そういえば以前もここでチョウチョウウオの幼魚を採集し、家に持ち帰ったらチョウチョウウオではなくチョウハンの幼魚であった事を思い出す。確認すると昨年の10月26日の事であり、同じ月である。その事はブログにも載せている(ブログ2019 10.26)。昨年がここの港での初採集だったみたいであるが、今年も同じ月に採集でき、良い記録となる。来年の10月にもまたチョウハンの幼魚に出会いたい思いである。この後もサッと港を散策し、ヨソギを見つけ写真にだけ収め終了。もう日を跨ぐ時間であるが別の港へと遠征する。



チョウハン幼魚



ヨソギ
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講演会に深海魚試食

2020年10月15日 | 日記
 今日は市の水産振興対策協議会の会議があり、私もそのメンバーで参加する。事前に出欠確認の連絡があり、その時に研修会で私も微力ながら協力している鹿児島大学水産学部のO先生の講演があると聞き、それからはこの日を楽しみにしていた。会場に到着すると同時にO先生も学生を引き連れ登場。直ぐに駆け寄り、会場入りする前からお話。そして会議後、魚食普及に関する研修会と言う事で、楽しみにしていたO先生による講演会。「雑魚を宝物にするために」と題して講演が行われる。鹿児島は海の幸に恵まれた土地であり、お魚大国である。ところがみんなが想う県のイメージは畜産農業大国である。漁師として身につまされる思いで講演を聞く。講演後は深海魚料理の試食会である。私も乗船させてもらっている深海エビ漁で混獲される魚介類を使った料理である。普段は沖で捨てられてしまう深海魚であるが、食べてみればとても美味しい魚介類である。油で揚げたり、フライ、煮付け、南蛮漬けなどの深海魚料理がたくさん出て来る。全て試食したが美味しいものばかりであった。元々深海魚は脂があり、私もエビ船に乗船した時は標本用の他に自分で食べるようにも魚を確保している。普通に美味しい魚達ばかりであるので、沖で捨てられてしまうのが勿体ない気がする。最近はO先生の魚食普及活動のおかげで鹿児島中央市場にも今までは捨てられていた深海魚が徐々にではあるが並ぶようになって来ている。私もO先生に協力していると文の最初で書いているが、本当は我々漁業生産者が水産業の為にO先生に協力してもらっているのである。これからも先生の要望には全力で応え、鹿児島をお魚大国として自慢できる県にしたい。


鹿児島大学水産学部O先生による講演




深海エビ漁に混獲される魚介類







深海魚を使った料理の数々
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久し振りにキテンハタ

2020年10月12日 | 市場
 今日は水揚げ後、市場内を散策すると久し振りにキテンハタを発見。キテンハタは珍しいがうちの定置網でも獲れた事があるが(ブログ2010 1.8)、その時はわからずスルーしてしまう。その後も市場で2度程見ているが、サイズも大きく標本用に確保するには値が高く、手を出せないでいる。今回も2キロ以上あり、やはり手が出ない。前回の写真を見るともう3年も前である(ブログ2017 10.20)。今まではキテンハタの特徴である尾鰭の上部1/3にある斑紋で認識していたが、今回は体側を見ただけで直ぐにキテンハタだと認識できた。今度は1キロ以下の個体と出会いたい。
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図鑑「高尾野川河口周辺の生きものたち」

2020年10月06日 | 魚ボラ
今日、図鑑「高尾野川河口周辺の生きものたち」が届く。この図鑑は「鹿児島県のツル及びその渡来地」として高尾野川周辺の田園地帯が国指定出水・高尾野鳥獣保護区に指定されており、最近ラムサール条約登録候補湿地に選定されたものの、その周辺水域に生息する水生生物や河川周辺の植物相に関する知見は今までほとんどなく、出水市より魚類分類学研究室が生物相の調査依頼を受け、半年かけて調査を行ったその成果である。私も1日だけ現地調査に参加している(ブログ2020 5.31)。この図鑑では魚類だけでなく、鳥類(73種)、魚類(71種)、甲殻類(72種)、貝類(49種)及び植物(90種)の5つの分類群セクションから成り、中には絶滅危惧種、希少種が多々含まれ、環境保全の重要性も読み取ることが出来る。現在魚類分類学研究室では甲殻類にも通な学生が在籍しており、魚類だけでなく、専門外の甲殻類も担当し調査、執筆している。この図鑑のPDF版は鹿大総合研究博物館のページ(https://www.museum.kagoshima-u.ac.jp/staff/motomura/dl.html)から無料でダウンロードでき、冊子体は鹿児島大学インフォメーションセンターで購入が可能。
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イトヒキカガミダイ標本登録

2020年10月05日 | 魚ボラ
 今日は昨日の深海エビ網漁で確保したイトヒキカガミダイなどの標本を登録へ鹿児島大学へと走る。今日標本登録する予定であったので、標本は冷凍せずに、海水を入れたクーラーに氷を入れた昨日の状態で冷蔵保存したままにしてある。幸い今日は時化で仕事が休みになったので氷が溶ける前に早めに大学へと行く事が出来た。心配していたイトヒキカガミダイの長く伸びた背鰭も、切れることなく無事に撮影、標本登録することが出来た。今年はあと何回エビ船に乗船することが出来るだろうか。








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深海エビ漁で得た、そのほかの魚達

2020年10月04日 | 日記
 今日の深海エビ漁で得られたイトヒキカガミダイ以外の魚達である。イトハリゴチとトウカイツノザメは今回が初採集。


イトハリゴチ



シマイタチウオ



フウセンキンメ



サンゴイワシ




ハダカイワシの仲間



ホウネンエソの仲間



カゴマトウダイ



ソコマトウダイ



トウヨウカマス



フウリュウウオ



ミドリフサアンコウ



ボウズカジカ



トウカイツノザメ



ヒレタカフジクジラ



ギンザメ



ダイコクサギフエ



ウロコガレイ



アカムツ




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深海エビ漁でイトヒキカガミダイ

2020年10月04日 | 採集
 今日は忙しくてなかなか乗船できなかった深海エビ漁に今年初乗船。魚ボラの標本用の深海魚を求めて4時前に出航。漁場まで2時間弱。漁場に到着する頃にようやく辺りが明るくなってくる。網を入れて操業。すると日も昇って来る。1時間程網を曳き、いよいよ網を揚げ、魚とのご対面。網が水面まで揚がるとエビの選別をしやすくする為に網の口を開き、浮いた魚を外へ放出する。その時に確保したい魚をタモ網を借りて掬う。その時はカモメも集まり私との争奪戦となる。するといつもは大きな個体ばかりのカガミダイだが、標本サイズの小さな個体を発見し急いで確保。確保したい魚をひと通り掬い取り、争奪戦を終え掬った魚をクーラーへと移す。すると小さなカガミダイの背鰭が糸状に伸びている。これはイトヒキカガミダイである。イトヒキカガミダイは昨年新種記載されたばかりの魚である。いきなりお宝をゲットである。この伸びた鰭が切れないように丁寧にジップロックに入れ保存する。イトヒキカガミダイの記載論文を読んでいないのだが、大きく成長してもこの糸状に伸びた鰭は残るのだろうか。イトヒキアジは成長に伴い伸びた鰭も短くなる。同じように伸びた鰭が成長に伴い短くなれば識別するのは容易ではない。だが、鰭の長さが維持されるかどうかはわからないが、運よく魚ボラの学生が最近執筆したカガミダイの論文を読むとイトヒキカガミダイとカガミダイの違いが引用されており、臀鰭第2棘と第3棘の間の基底部に骨質棘状板がないことからカガミダイと容易に識別出来るらしい。これからは大型個体も確保して骨質棘状板を確認してみなければならない。



イトヒキカガミダイ






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