お魚三昧生活

鹿児島の定置網で獲れる魚や市場の魚、鹿児島大学総合研究博物館魚類ボランティア(魚ボラ)の事などを紹介します!

予兆のあったタキゲンロクダイ確保

2022年08月30日 | 定置網
 今日は水揚げ後、お隣の定置網の水揚げの様子を見に行く。すると捨てられる雑魚が入ったカゴの中にタキゲンロクダイを発見。魚ボラの標本用に頂く。タキゲンロクダイはここでは珍しく、以前にうちの定置網で幼魚が初入網し、その日に他の定置網でも成魚が入り、幼魚・成魚を共に一度で初確保している(ブログ2010 3.11)。今回は久し振りのご対面である・・・と言いたいが、実は先週定置網の近くで見ておりこの予兆があった。先週うちの定置網でお世話になっている網業者が来て、うちとお隣の定置網の間にある瀬を確認したいと水中カメラで調査をした。その時に瀬の上にペアなのか2個体のタキゲンロクダイが映ったのである。前回初確保して以来出会っていなかったので驚き、生息を確認しただけではなく網に入ってくれないかなと思ったばかりであった。その時に映った個体かどうかはわからないが、お隣の定置網とはいえ、1個体だけでも取り敢えずは標本を確保出来たので良かった。このタキゲンロクダイも定置網の周辺には普通に生息しているけど網には入らない魚種なのだろうか。 

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残念!モノノケトンガリサカタザメ

2022年08月29日 | 魚ボラ
 今日の定置網漁で3個体のモノノケトンガリサカタザメが入網(ブログ2022 8.29)。そのうち2個体がいつもとは違う感じで胸鰭中央にある黒斑が無く、胸鰭を中心に体全体に小斑点が散在している。3個体中1個体がその様なら変異かと思うが2個体がいつもとは違う感じなので別種を疑う。そのうち1個体を標本用に確保する。確保したものの今までで一番大きなサイズであり、車に積めるだろうかと不安になる。車に積める一番大きなプラケースに入れても全長の3分の1以上が入らず、腹鰭から後は飛び出た状態。車に積もうと後ろの座席を倒して積んでも飛び出た部分が入らず、結局助手席も倒し、そこに尾鰭を入れ込み、尾鰭を横目に大学まで運転する事となる。鹿児島市内に入ると信号によく引っ掛かり、隣に並んだ車や市電から車の中を覗かれないかと余計な心配をしながら大学へ向かう。大学に着くと幸い学生が多くおり、みんなに標本処理室まで運んでもらい、標本登録してもらう。標本撮影も終わり、ホルマリン固定する為に容器に入れるのだが大きいので標本を真っ二つに切る。すると大きな硬い内臓が2つ出て来る。胃袋にしては変で少し切れ込みを入れると小さな眼が見える。胎仔である。切り開くと沢山出て来て全部で11個体も入っていた。その胎仔を見るとしっかりと胸鰭中央に黒斑がありモノノケトンガリサカタザメである。これで別種の疑いも否定された感じでガッカリ。この胎仔11個体も標本登録となる。
車に積める最大のプラケースに入らず

尾鰭は助手席へ

鹿児島大学





胸鰭中央に黒斑はなく、体には小斑点が散在


11個体の胎仔が出て来る

モノノケトンガリサカタザメの胎仔


胎仔も標本登録
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別種?モノノケトンガリサカタザメ

2022年08月29日 | 定置網
 今日は定置網漁で網を絞って行くと大きなモノノケトンガリサカタザメが目の前を泳いでいるのを見つける。かなりサイズが大きそうに見え、厄介に思う。網を絞り上げ、魚を取り込むとモノノケトンガリサカタザメも一緒に揚がって来る。泳いでいた時よりも小さく見え、水中だったから大きく見えたのかとホッとする。すると次に大ダモを魚の中に入れると大きなモノノケトンガリサカタザメが引っ掛かる。まだいたのかと驚く。大ダモには入らないのでフックで引っ掛けクレーンでデッキに上げる。こちらが泳いでいる時に見えた大きな個体である。更に同じくらいのサイズがもう1個体おり、全部で3個体もモノノケトンガリサカタザメが揚がる。一度に3個体は初めてかもしれない。更に小さな個体はモノノケトンガリサカタザメの特徴がよく現れた普通の個体であるが、大きな2個体は体型はモノノケそのものなのだが特徴の胸鰭中央にある黒斑が無く、胸鰭を中心に体全体に小斑点が散在しており別種を疑う。前回標本用に確保した時(ブログ2021 9.20)にトンガリサカタザメ属には国内未記録種が数種おり、獲れる可能性のある台湾に生息する未記録種もいるというのでその種を疑う。実際にモノノケトンガリサカタザメもトンガリサカタザメとされていた時に自分では疑っていたものの、若魚である事や地域変異と思いスルーしていた(ブログ2007 9.6)。今回もそのような失敗をしない様に1個体標本用に確保する。
今回獲れたモノノケトンガリサカタザメ3個体




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楽しかった定置網漁

2022年08月24日 | 定置網
 今日の定置網漁に見覚えのあるお方が乗船。思い出に残る楽しい一日となりました。

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うちの定置網でもヤシャカマス

2022年08月20日 | 定置網
 今日は定置網漁で網を絞って行くと大きなカマスの仲間が泳いでいるのを発見。またかなと思い取り上げる。すると思った通りヤシャカマスである。ヤシャカマスは2年前に日本初記録種として記載されたカマスの仲間で、先月も市場に揚がっているのを見つけ標本用に確保している(ブログ2022 7.9)。だが、他の定置網の漁獲物な為、自分の所で獲れた個体も標本登録したいと思っていた。実はブログでは紹介していないのだが、うちの定置網では先週もヤシャカマスが入網しており今月2個体目である。サイズが大きく家の冷凍庫では保存できないので、標本用に確保したらその日のうちに大学へ持ち込まなければならず、先週は大学へ走る時間が無く、標本用には確保していない。今回は土曜日ではあるが予定は入っていないので大学へ走ることも出来る。だが、綺麗な個体ではあるが今回は6キロ以上もあり流石に大き過ぎる。という事で今回も標本用に確保するのは諦め、写真にのみ記録する。


ヤシャカマス





先週12日に入網したヤシャカマス(確保せず)
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ダーウィンが来た!放映

2022年08月18日 | 日記
 モノノケトンガリサカタザメが新種記載(ブログ2020 9.20)され、私もその著者に入れてもらっている。もう2年も前の事であるが、今回モノノケトンガリサカタザメをテレビで取り上げてくれるという事で第一著者の方からメールを頂く。そのテレビはNHKのあの「ダーウィンが来た!」で、その後テレビディレクターの方から電話で軽く取材され、何度もメールのやり取りを行い、現地まで来られてインタビューや定置網漁の乗船取材を受けた。そして今日、「夏スペシャル 新種発見!身近に潜む大スクープ」と題して放映された。実はどのような内容になっているのか少し不安があった。取材を受けた段階で、私は新種とは気付けなかった人として取材を受けている感じがしており、テレビで公開処刑されるのではと思っていた。ところがテレビを観ると決してその様な感じは全く無く、凄腕漁師として紹介され、逆に照れてしまう内容であった。私へのインタビューはオープニングでほんの少し使われただけでほぼカットされていたが、その代わりサクヤヒメジを全国放送で紹介してもらう。当時のインタビュー時にサクヤヒメジの話をしたらディレクターの方に興味を持ってもらえ、後日番組内で紹介したいとの事で写真を提供した。だが、こちらもスタジオ内での話の中に出て来るという事であったので、話の流れで少し出るのかと思っていたら、「新種の名前のつけ方」という場面で想像を遥かに上回る程扱われ、私としてはモノノケトンガリサカタザメよりもサクヤヒメジの方が大収穫であった。これでサクヤヒメジのメジャー計画(ブログ2012 1.16)(ブログ2017 2.1)(ブログ2017 11.19)が大きく動き、様々な人にサクヤヒメジを知ってもらえたのではないだろうか。今回は鹿児島と紹介されただけで地元でのロケハンをしたものの全く紹介されなかったのがちょっと残念であった。だが、番組内で乱獲されない様にSNSなどでは保護の観点から発見場所を詳しく書かないと言われていたので、その為大まかに鹿児島とだけなったのかもしれない。今回の番組は一般の人にも非常にわかり易い内容だったので、生物に興味の無い方でも十分に楽しめたのではないだろうか。今回は本当に貴重な体験をさせてもらえたうえ、サクヤヒメジのメジャー計画も大きく飛躍した。






地元でロケハン
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フタスジリュウキュウスズメダイ初確認初採集

2022年08月03日 | 採集
 今日は仕事が早く終わったので素潜り採集に行く。海に入ると陸から見た目以上に濁りがある。今回もひと通り散策するがなかなか欲しいと思う魚が見つからない。そのような状況の中、ようやく枝サンゴの上にフタスジリュウキュウスズメダイを発見。フタスジリュウキュウスズメダイは普通種であるが、うちの海域では初めて確認。これは採集したいところではあるが、枝サンゴの上にいるという事は採集しようとすると枝サンゴ内に逃げ込まれ採集出来ないパターンである。採集は厳しそうなので生息確認だけでも残そうとカメラで撮影に挑む。見るとまだ幼魚であるが大小2個体確認。写真を撮っていると大きな個体の方は行動範囲が広く、サンゴから離れることもある。これならば採集出来るかもしれないので網を仕掛ける。大きな個体がサンゴから離れた所を後ろから追い、何とか採集に成功。だが、もう1個体はサンゴの中に隠れ採集出来ず。でも、採集は諦めていたので1個体でも標本に残すことが出来ラッキーであった。その他、素潜り採集時によく見るのだが、まだ採集出来ていなかったヒメフエダイの幼魚も今回は初採集することが出来た。今回は2個体のみの採集であったが、共に初採集なので満足である。


フタスジリュウキュウスズメダイを初確認


今回の収穫

フタスジリュウキュウスズメダイ幼魚

ヒメフエダイ幼魚


フタスジリュウキュウスズメダイ幼魚


ヒメフエダイ幼魚
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