あまちゃんの カタコト中文日記

中国・杭州がえりのライター助手、日々のいろいろ。

BS1スペシャル ”がん大国に生きる~中国・命の決断を迫られる患者たち~

2023-02-02 | テレビ
録画してあったBS1スペシャル↓がとてもよかった。(2月4日、7日に再放送予定)

がんの新規患者が世界最多という中国。そりゃそうだろ? 人口が多いもんね。公的な保険の整備が遅れ、がん治療の自己負担は平均年収の5倍ほどだって、ひえー。

◆まず冒頭から、いかにも中国らしい光景を目にした。大手病院の路地裏(屋外)に作られた調理場。そこには調理器具と調味料が完備されていて毎日200人の入院患者とその家族が食費節約のため、ここに野菜や肉などを持ち込み、食事を作る。

◆これを見て、不思議に思われる方も多いだろう。実は中国の病院はキホン、日本のような病院食の提供がない。そこで食事は付添いの家族(or本人)が買ってくるか、外卖(出前)を利用するしかしかないのだ。付き添いの家族がいない患者は阿姨=パートの介護人を雇うしかない。

◆ボクが杭州に行ってまもなく、おじちゃんの部下(独身女性)が乳がんになったので一度お見舞いに行ったが、彼女も阿姨を雇っていた。そして、この阿姨にも当たりはずれがある(ちなみに今来ているあの人は全然気が利かない...)とか言っていた。それを思うと日本は恵まれている。家族が付き添えなくても看護師さんが”完全看護”してくれるし、不味くともちゃんと栄養を考えられた食事が出てくるからね。杭州の病院でちらと目にした(患者に付き添ってのお世話はしない)看護師さんは、なんとなくえらそうにしているように見えた(苦笑)。

◆番組のなかで、肺がんの高齢男性を孫娘が仕事をやめてまで世話をするケースが紹介されていた。なぜ孫娘がって? 実は彼女が幼い頃に両親が離婚、それぞれ再婚して新しい家庭で子どもを儲けた。それで彼女は邪魔者になり、祖父母に育てられたというわけだ。かつて祖父は孫娘のために大学の学費までも苦労して工面した。その恩義もあって、今度は祖父の命を助けたいと治療費集めに奔走する彼女。祖父の息子である父に電話で援助を頼んでも、そんな金はないと冷たく断られる始末・・・。
まあ、よくそんな場面まで撮影できたもんだ、と感心してしまう。
ヘタな映画よりもドキュメンタリーのほうがリアルに迫ってきて面白い。(命の選択を迫られている当人たちにはお気の毒だけどね)

*おまけ*

先週見た中国映画(原題:我的姐姐)。
離れて暮らす両親が交通事故で亡くなり、会ったこともない弟を「おまえが面倒見ろ」と親戚中から押しつけられて困惑するお話。まあまあでした。
主人公を演じる张子枫は子役出身、日本でいう芦田愛菜ちゃんのような存在か。

テレビドラマでもよくお見かけしました(中央)。子役出身は演技が上手いね。
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