BEACHCOMBERといわれる人たちがいるそうだ。
海岸を文字通り櫛で梳くように探索して漂着物を探す、という趣味(多分)の人たちだ。
そんな人たちの一人がブリティッシュ・コロンビアの人気のない海岸で見つけた白いコンテナ。
その中には宮城ナンバーのハーレー・ダビッドソンが横たわっていた。
その後の調査で持ち主は宮城・山元町に住む横山育生さんだと判明。
津波で自宅を流され、家族3人を亡くし、今は仮設住宅で暮らしているとのことだ。
当ブログでは瓦礫の広域処理についていろいろと書いた。
被災地外での処理を全否定するものではない。
問題は被災者支援の美名のもとに行われる経済性を無視した利権争奪戦や子供たちを洗脳するNHKの大越健介。
嘆かわしいことだ。
しかし瓦礫は最初から瓦礫だったわけではない。
2月に被災地を回った時には流された車や船、倒壊した家とかを見てそこに有った生活に思いを馳せた。
瓦礫が全く見えないくらい津波に圧倒された陸前高田の異様な静けさには息を飲んだ。
それなのに瓦礫問題みたいな政治・経済の問題になると途端にそんな思いはどこかに飛んでいた。
瓦礫になった生活を思うとやるせない。
そして瓦礫という言葉に無感覚になっていた自分にちょっとガッカリだ。
このハーレー、約1年をかけて5000キロを旅してきたのだろうか。
震災を忘れないようにゆっくりと届けられたメッセージ。
そして被災者にとっては大切な人生の一部だ。
多くが持ち主に返されることを願いたい。
記事によると津波被災地からは150万トンもの漂流物が流れ出し、太平洋を移動している。
その多くは潮流の関係で、2013年から2014年ごろにアラスカやカナダのブリティッシュコロンビア沿岸にたどりつく見通しだ。
引用
ブリティッシュコロンビアの海洋博物館は4月25日、漂着物を記録する「Tsunami Debris Project(津波瓦礫プロジェクト)」をフェイスブックに立ち上げて、発見した人に写真や映像など情報提供を求め始めました。
漂着物をできるだけ所有者に返したいという思いに加えて、震災と津波というこの「出来事についてほかの人たちが学べるよう記録を残し、博物館としての使命を果たしたい」というのが狙いだそうです。
引用終わり
これがそのフェイスブック・ページ。
Tunami Debris Project - Maritime Museum of BC
そしていい話。
この記事はさらに、震災直後の被災現場で、警察や消防やレスキュー作業員たちが誰に言われるまでもなく、破壊の中に散らばったたくさんの写真を拾い集めたことに言及。それが今、ボランティア団体によって洗われ、整理され、「Exhibit of Photos Swept Away by Tsunami in Japan(日本の津波で流された写真展)」としてアメリカ国内を巡回していると説明しています。
「写真をゴミ扱いして泥の中に放っておくのはたやすいことだったろうが、救命活動に当たっていた人たちは、写真に人間性を見いだしたのだ」とコラムは書きます。なのであなたたちもどうか忘れないでほしいと、アラスカやカリフォルニアに至る北アメリカの太平洋岸でこれから砂浜を散策する人たちに呼びかけています。子供の靴やプラスチックの人形、木の櫛を、海辺で見つけたら、どうするかと。次に日本の漁船が霧の中から現れたら、どうするかと。
「敬意をもって扱ってほしい。何があったか、決して忘れないように」。
このコラムを書いたマーク・ヒュームという同紙の記者に、私は深く感謝したいと思います。
(紹介してくれた加藤祐子さんありがとう)。
日本から流れ着いたものをどう扱うか、それは人の持ち物なのだと
執筆者:加藤祐子 東京生まれ。シブがき隊と同い年。8歳からニューヨーク英語を話すも、「ビートルズ」と「モンティ・パイソン」の洗礼を受け、イギリス英語も体得。怪しい関西弁も少しできる。全国紙社会部と経済部、国際機関本部を経て、CNN日本語版サイト「CNN.co.jp」で 2000年と2004年米大統領選の日本語報道を担当。2006年2月よりgooニュース編集者。フィナンシャル・タイムズ翻訳も担当。英語屋のニュース屋。最新の訳書に「策謀家チェイニー 副大統領が創った『ブッシュのアメリカ』」(朝日新聞出版)。
debris
An estimated 1.5 million tonnes of flotsam believed to be headed to Canada
逆輸出になりましたね~
正直、少々自分の中でも風化している処がありつつの
今回の話だったので
行く前に読めてよかったです
ありがとうございます
又岩手ですか。いいところですよね。
報告楽しみにしています。