国鉄フライヤーズ

目指せカネ、ヒマ、若さ

大量生産、大量消費の経団連には発信能力無い

2011-11-28 01:00:00 | 備忘録
成功している会社の話(一番下の記事)。

宇都宮のカメラ販売店だ。
家電量販店の激戦地区らしいですな、宇都宮。
コジマ、ヤマダ電機、ケーズデンキ、ヨドバシカメラの大型店がしのぎを削る。
品揃えに大差ないとしたら薄利多売の価格戦争という消耗戦だろうか。

ここで最強のカメラ販売店が「サトーカメラ」だそうだ。
デジタル一眼レフカメラの販売シェアが県内で60%以上に達するというというから驚きだ。
牧歌的な「無駄と非効率のかたまり」がこのサトーカメラだと。
店員は子供連れのおばあさんに1時間半に亘ってデジカメの使い方を教える。

セルフプリント機の前にはソファーが置かれ、そこでは客がのんびり操作。
その傍らでは店員がプリントする写真を一緒に選んでいる。
セルフじゃないじゃん(笑)。

カメラのことをよく知っている人は人口の1割。
残りの9割に写真の楽しさを教える。
そしてその9割がリピーターになる。
ヒト(キュレーターと言ってもいい、専門知識を持った売り子)を使っての新規需要の開拓。
雇用を守り利潤を上げる。
最安値でなくポイントもつけないので利益率が高い。
ヒトを使って利益率を上げる、おお、いい話ではないか。

今、世の中の趨勢はネット通販。
用途によってはこれ程便利なものはない。
かくいう当ブログも書籍、電化製品からゴルフボールまで「尼損」とか「過客どっと混む」、「落点」のお世話になっている。
毎日のように黒猫とかサガワ君がピンポンだ。

しかしネット通販はただの自動販売機だ。
そこにはレガシー販売店のようなキュレーター(相談相手)はいない。
付属サービスは口コミという余り当てにならない素人の人気投票。
後はどうしてもテレビなどによる宣伝がヒット商品製造の鍵となってしまう。
イメージに操られているのかもしれない。
それに乗せられたのではネットで安く買っても賢い消費者とは言えない。

便利さと価格競争力を売り物にするネット通販の影響は甚大だ。
本屋のボーダーズの倒産にある通りレガシー販売店が苦境に陥っている。
イギリスのJTBと言われるトーマス・クックも倒産寸前だとか。
ネット旅行代理店に顧客を奪われていることが主因だ。


ネットは単純だ。
商品番号が決まれば後は価格の勝負。
最安業者は「価格ドットコム」等で簡単に比較できる。
価格比較のサイトでそこを入り口に購入されたモノ、サービスに対し販売店から口銭を貰うのがこの商売。
数少ないネット通販の勝者だろう。
取扱い品目はどんどん広がっている。
最近では引越し、太陽光発電、葬儀、新築マンション、賃貸住宅、旅行にFX取引まで。

価格.com

値段の叩き合いに勝つのは店も在庫も持たないネット専門販売業者。
比較しやすいものはパッケージ化されているので企画も簡単だ。
しかし彼らにしたところで利益はどれだけ残るのか。
利益率は当然低い。

中間業者が排除され雇用が失われる上に生産者も安値競争で消耗する。
それがネット・デフレだ。
証券、銀行、保険、旅行代理店などでレガシー業者が苦境に立っていると同時にネット業者も儲かっていない。

商品購入の最大のポイントが価格とは何とつまらない話か。
大量消費、大量生産をベースにした自由競争。
価格が主な購入基準という未成熟な顧客が相手。
大体、いくら買い物の値段が下がってもあなたの給料が下がったり、失業したのでは意味がない。

それでも成長が続く間は皆が潤う。
先富主義というやつだ。
しかし、ひと度成長が止まれば所詮は弱肉強食のゼロサム・ゲーム。
それが新自由主義だ。
今、世界中の先進国で起きていること。
格差問題の本質だ。

福島以降、世界でエネルギーが成長のボトルネックになる。
化石燃料は有限だし、自然再生エネルギーの効率は低い。
原発と自由競争による成長はセットだったのかもしれない。
成長が止まる世界についてきちんと考えたほうがいい。

「原発だ」「TPPの自由競争だ」とベクトル違いの妄言を喚く経団連のジイサンたちは退場の時だ。
効率追求で非正規社員を下位カーストの様に使い、雇用を痩せ細らせる。
経営者としては下の部類と言ったら言い過ぎか。

喧嘩上等のカメラ店が「ど素人」に教わった商売の極意

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2 コメント

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減らない (taku)
2011-11-28 16:34:35
竹の子、皮一枚売っても又何か買ってしまうのでは?
大きなパラダイムの変化に鈍感な人っているんですよね。
処でエリエールさんの話、服部真澄や手嶋龍一の小説ような込み入った国際的裏話があると面白いんだが。
現実はあまりロマンティックではないのかなあ。
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最近はレガシーな竹の子生活 (はっちゃん)
2011-11-28 11:28:30
随分お世話になった懐かしい「トーマス・クック」のレトロなポスターが目に留まったのでコメントしてしまおう。

「キケン・エネルギー」を使って大量生産・大量消費の「資源の浪費」を繰り返しながら、それと相矛盾する温暖化防止とCO2削減という「インチキ理論」を駆使して、弱肉強食のゼロサム・ゲームでさらに金儲けに奔走する人間の姿は浅ましいなあ。いつか本当に天罰が下されるかも!

そういうボクも本の販売では「尼損」や「落点」を使っているけど(近所のレガシー書店以外には販路がないので・笑)昨今はもう死ぬまで聴かないであろうレコードや読まない本をキャリング・バッグに詰めてゴロゴロ新宿まで売りに行っている。これも手造りのスロー・ライフの一環でケッコー楽しいけど少し疲れる(笑)

ps カジノで100オク以上摩った人がいるとはどういう世の中だ。本当に摩ったのなら単なるアホだが、半分くらい戻って来てるんじゃないの?
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