新・空と鷹と鉄の間に

ヒコーキ、ホークス、鉄道好きのブログです。

週末パスで乗り鉄~13

2016-06-05 08:42:56 | 鉄道

越後湯沢を定刻1353に発車した快速風っこループ号。吹きっさらしなので風もそうですが、ディーゼルエンジンの唸る音、車輪が線路のつなぎ目を刻む音、そしてディーゼルエンジンからの排煙の香りなどが直に感じられます。

岩原スキー場前、越後中里とスキー場の最寄駅が続き、列車は次第に山の中へと入って行きます。
古より上越線の名撮影地、岩原の大カーブもゆっくり堪能できました。越後中里駅を通過すると上下線が分かれて上り線は通称松川ループへと入っていきます。が、こちらの松川ループ線はほとんどトンネルで交差する場所もトンネルの中なのでループ線の案内は全くありません。ただ注意していると列車がカーブを走っているのがわかります。しかしトンネルに入るとトンネル内のひんやりした空気が車内を駆け巡り寒いぐらいです。トンネルに入ると冷えるのはわかっていたので、上着を羽織ります。松川ループ線を抜けると土樽駅を通過。そして列車は清水トンネルへと入ります。
「トンネルを抜けると、そこは雪国だった。」
川端康成の小説「雪國」の一節に書かれたトンネルはこの清水トンネル。開通当初は単線運転で清水トンネルを抜けるとまさに雪国が広がっていましたが、1967年に新清水トンネルが完成し複線化が達成されると清水トンネルは上り線となり、小説の時代のようなことは経験できなくなっています。列車が清水トンネルに入ると車内にはひんやりとした空気が流れ込み、乗客は寒さに震えながらひたすら出口を待ちわびるようになります。相席の男二人組はビールにも手をつけずに寒さに震えていました。こちらは上着を羽織り清水トンネルの旅を楽しみます。途中茂倉信号場跡でトンネルが複線断面になっているのを観察したり、トンネルの壁面の様子を観察したりします。長いトンネルを抜けるとカメラの放列に迎えられて、土合駅に到着しました。

土合駅は群馬県最北の駅にあたり、上り線は清水トンネル出口にあるのですが、下り線は新清水トンネル内にあり駅舎から下り線ホームまで400段以上の階段を使わないとたどり着かないモグラ駅となっています。谷川岳ロープウエイの乗り場が近隣にあるので、谷川岳登山の入り口として駅舎も山をイメージしたものとなっていますが無人駅です。

列車はここで20分近く停車するので、撮影タイムとなっていました。私も駅舎を撮ったり、駅構内を歩いたりして過ごしました。さすがに下り線ホームに行く気にはなりませんでしたが。車掌さんも帽子を貸して記念撮影してあげたりして、和気あいあいとした雰囲気の流れる停車時間でした。