ぼんくら放浪記

Blogを綴ることによって、自分のぼんくらさを自己点検しています。

忍法帖

2011-06-24 05:00:00 | 読書
山田風太郎の『八犬傳』並びに間違って買った『忍法八犬伝』を読んで、氏の忍法帖シリーズを読破しようと企みました。5月の終盤から現在までこのシリーズ8冊を読みきりました。今回は一つ一つの感想文は省きます。

忍法帖①が『甲賀忍法帖』②が『忍法忠臣蔵』③が『伊賀忍法帖』④が既説の『忍法八犬伝』⑤が『くの一忍法帖』、面白くて惹きつけられ、理屈などないので(忍法なので屁理屈はある)、簡単にしかも時間的にも早く読めました。ようもこんな忍法を考え出すなぁと呆れもし、感心もするのです。

ずっと前に読んだ『魔界転生』が巻の⑥と⑦、その表紙の艶かしさの割りに官能的な部分は無かったのですが、今回のものは表紙と一緒、女の忍者の艶かしい場面が多いのです。でも官能的かというとそうでもない、実にあっさりとした表現で、忍法なのだからそれはそれで闘争なのだなぁと思うのです。

             

忍法帖⑧は『江戸忍法帖』⑨と⑩が『魔界転生』に主演の柳生十兵衛が登場する『柳生忍法帖』、どれをとっても奇想天外、縦横無尽、天衣無縫はちょっと違うか、荒唐無稽と人を驚かすような四文字熟語が当てはまるストーリーの連続、摩訶不思議や奇妙奇天烈というような五文字熟語もあるかな、でも決して支離滅裂ではありません。周到に計算されたストーリーが読者を惹きつけるのです。

全体を通して思うのは、“にっと笑う”という表現が非常に多いこと、如何にも忍者が忍法を成功させた場面に適切な表現なのかも知れません。

                  

忍法帖シリーズ11番目が『風来忍法帖』、この本を読んでいてびっくりしたのは、最近読んだ『のぼうの城』と舞台が同じ忍城で繰り広げられる石田三成と成田家の戦模様であったこと、成田家家臣の政木丹波や酒巻靭負なども同じように登場しますが、こちらではあまり活躍しません。もちろんのぼう様こと成田長親も登場しませんが、城主・成田氏家の妻が登場、『のぼうの城』では珠という名前でしたが、こちらでは麻也姫という名前で登場させ(どちらも江戸城を築いた太田道灌の曾孫・太田三楽斎の娘)、『のぼうの城』で活躍した氏家の娘・甲斐姫のごとく活躍するようになっています。いやいや説明は逆、山田風太郎のほうがずっと先に書いているのですからね(初の文庫化は1964年)。主人公は香具師の7人、ストーリーの前半で風魔忍法を習う羽目になり、やがて彼らの意思に反して、三成の水攻めから麻也姫を助けて忍城を守り抜いていくようになります。

風太郎の忍法帖シリーズはまだまだ続いていきます。

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