天正10年といえば本能寺にて信長が光秀に謀殺された年、その頃秀吉は備中高松城を囲んで毛利家を水攻めで苦しめていました。
秀吉に「佐吉」と呼ばれていた石田光成は、その水攻めの壮絶さを目の当たりにして、自分もこのような戦をしてみたいと思うシーンから、このお話は始まります。
それから8年経った天正18年、秀吉は天下統一のため、最後に残った北条氏を討つべく、石田光成、大谷吉継等を引き連れ小田原城を目指していました。
小田原からは忍城に500の兵力を提出させ、北条への積年の恩顧に応えるよう使者がやってきます。500の兵は忍城の半数です。
タイトル『のぼうの城』は、主人公である成田長親の城という意味であり、では『のぼう』とは何かというと、頭に『でく』を付けると解るのですが、図体だけが大きくて、役に立たないところから付けられた綽名、城下の百姓たちからも「のぼう様」と呼ばれる始末、それでも百姓たちは「のぼう様」を軽蔑しているわけではなかったのです。
長親は城主・成田氏長の従兄弟、田植えや稲刈り、麦踏など百姓の仕事を手伝うのが好きなのですが、その割りに下手で失敗ばかりするので「のぼう様」と呼ばれるようになったのです。
城主・氏長は500の兵と共に小田原城へ、援軍と見せかけて関白に寝返るので、(忍城が)関白軍に囲まれたら開城せよと言い残し、忍城を後にします。
秀吉から忍城を攻めるよう命令された光成と吉継は、20000の大軍勢で忍城を取り囲みます。忍城側は氏長に言われたように戦闘態勢を築き篭城の構えを見せますが、本心は開城です。戦闘態勢を取らないと北条側に疑いをかけられるから。
ここに甲斐姫という男勝りの美人がいるのですが、この姫なかなかの正義感、成田家では加勢侍といって何かしらの特技を持った者を一代限りで召抱えていたことがあり、ある加勢侍が城下の百姓の嫁に手を出し、それを咎めるためにその者を切り捨てたという武勇伝もあるくらいです。その姫が「のぼう様」に惚れているという噂もあったのです。
大軍にて忍城を取り囲んだ三成は、長束正家という位を鼻にかけた男を軍使として、和・戦いずれかを問いにやらせます。関白に降ることを決めていた成田家でしたが、米粒のように小さな忍城を鼻くそぐらいにしか思ってない正家の侮辱的な態度に、内心断腸の思いで頭を下げる成田家の家臣たち、軍使の最後の要求は甲斐姫を殿下に差し出せというものでした。
家臣の苛立ちを他所に、上段に座った長親は澄ました顔で答えます。
「戦いまする。」家臣はおろか、軍使もびっくり、ストーリーは予想しなかった方へ進んでいきます。
秀吉に「佐吉」と呼ばれていた石田光成は、その水攻めの壮絶さを目の当たりにして、自分もこのような戦をしてみたいと思うシーンから、このお話は始まります。
それから8年経った天正18年、秀吉は天下統一のため、最後に残った北条氏を討つべく、石田光成、大谷吉継等を引き連れ小田原城を目指していました。
小田原からは忍城に500の兵力を提出させ、北条への積年の恩顧に応えるよう使者がやってきます。500の兵は忍城の半数です。
タイトル『のぼうの城』は、主人公である成田長親の城という意味であり、では『のぼう』とは何かというと、頭に『でく』を付けると解るのですが、図体だけが大きくて、役に立たないところから付けられた綽名、城下の百姓たちからも「のぼう様」と呼ばれる始末、それでも百姓たちは「のぼう様」を軽蔑しているわけではなかったのです。
長親は城主・成田氏長の従兄弟、田植えや稲刈り、麦踏など百姓の仕事を手伝うのが好きなのですが、その割りに下手で失敗ばかりするので「のぼう様」と呼ばれるようになったのです。
城主・氏長は500の兵と共に小田原城へ、援軍と見せかけて関白に寝返るので、(忍城が)関白軍に囲まれたら開城せよと言い残し、忍城を後にします。
秀吉から忍城を攻めるよう命令された光成と吉継は、20000の大軍勢で忍城を取り囲みます。忍城側は氏長に言われたように戦闘態勢を築き篭城の構えを見せますが、本心は開城です。戦闘態勢を取らないと北条側に疑いをかけられるから。
ここに甲斐姫という男勝りの美人がいるのですが、この姫なかなかの正義感、成田家では加勢侍といって何かしらの特技を持った者を一代限りで召抱えていたことがあり、ある加勢侍が城下の百姓の嫁に手を出し、それを咎めるためにその者を切り捨てたという武勇伝もあるくらいです。その姫が「のぼう様」に惚れているという噂もあったのです。
大軍にて忍城を取り囲んだ三成は、長束正家という位を鼻にかけた男を軍使として、和・戦いずれかを問いにやらせます。関白に降ることを決めていた成田家でしたが、米粒のように小さな忍城を鼻くそぐらいにしか思ってない正家の侮辱的な態度に、内心断腸の思いで頭を下げる成田家の家臣たち、軍使の最後の要求は甲斐姫を殿下に差し出せというものでした。
家臣の苛立ちを他所に、上段に座った長親は澄ました顔で答えます。
「戦いまする。」家臣はおろか、軍使もびっくり、ストーリーは予想しなかった方へ進んでいきます。