ぼんくら放浪記

Blogを綴ることによって、自分のぼんくらさを自己点検しています。

双調 平家物語 Ⅲ

2010-09-03 05:00:00 | 読書
夏休み前には読了していたのですが、田舎に帰ってからゆっくり感想を書こうなどと思っていたら、時間はたっぷりあったにも拘らず、何も書けませんでした。丁度あの頃は辺見庸や網野善彦の本の紹介で、結構違った本を読んでいたせいもあるのかも知れませんが、要は横着、ダラけていたのです。

             

清盛の専横に眉を顰める平安貴族達、しかしそれを表立って言える者はいません。清盛の娘・徳子が天皇の子を懐妊し、平氏一門は第二の藤原家になったも同然と有頂天、これを良しとしない後白河法皇と摂関家は反平家を鮮明にします。

             

これに怒った清盛は後白河院を鳥羽の離宮に幽閉し、権力を恣(ほしいまま)にし放題、天皇の異母兄・以仁王はついに平家追討の詔勅を源頼政に宣しました。

             

平家の逆襲に以仁王は三井寺に身を寄せ、叡山や興福寺の僧へ援軍を頼みますが、平家を恐れる僧達は呼応しません。
三井寺といえば、イノシシが国宝の障子を破ったというニュースが一昨日流れてましたね。国宝の障子を破ったなどと聞けば一大事ですが、国宝が入った部屋の障子を破ったのでしょうね。

この時、三井寺と一緒に興福寺や東大寺も焼かれてしまいます。

             

幼くして伊豆に配流になっていた源頼朝に転機が訪れるのはこの頃、平家を討てと偽の院宣が届くのです。頼朝は源氏に呼応する兵どもを結集させ、平維盛率いる大軍と富士川で睨み合いますが、既に武士というより公家に成り果てていた平家軍は、水鳥の羽ばたく音に驚いて一目散に遷都した福原の地へと逃げ帰ってしまいます。

             

怒り心頭の清盛ですが、とうとう灼熱地獄の病に倒れ、平家の勢いも翳りを見せ始めます。

君の名残を』で主人公だった源氏の一方の頭領・義仲は信濃を領とすることで満足していたのに、源行家に叱咤され北陸路を京へと戦線を拡大していきます。

             

再び京へと都を移した平家ですが、義仲の進軍に怯えて、清盛の孫・安徳天皇と三種の神器を携えて西国へと逃げ延びます。後白河法皇は再び京での実権を握り、三種の神器を取り戻すよう院宣を発しますが、天皇を取り戻せとは言いません。法皇にとって平家の血筋の天皇は不要だったのでした。

             

京に入った義仲は後白河から平家追討の院宣を賜りますが、その戦いは果々しくありません。京に残った義仲軍の兵も時の飢饉に食糧を求めて狼藉を働き、後白河との仲も悪くなるばかり、安徳に代わる天皇を決める際にも以仁王の遺児をと進言するに至り、天皇家の相続に一介の武士が口を出すとは何事かと、田舎者扱いされるようになってしまいました。

             

頼朝の命で京へと向かった義経は義仲と戦い、勝利します。義経は後白河の護衛の任につきますが、義仲追討の賞は頼朝にばかり、義経には何の恩賞もありませんでした。まぁ、この後は平家を追う義経軍の話であり、皆さんがご存知のストーリーです。

全16巻のうち最後の巻が平家物語という軍記物語、前章全て天皇家・摂関家・平家の盛衰についての考証といっても良いのではないでしょうか。

1冊1100円のものを16冊、17600円も出して、一つのストーリーを読み終えました。

『歴史を考えるヒント』から出発した歴史を巡る読書の旅も平安時代を過ぎようとしています。あまり歴史上の人物に偏ったストーリーは歴史を見つめるには不適切なのかも知れませんが、そうした小説ばかりが並んでいるのが本屋です。

まぁボチボチと鎌倉時代に入っていきたいと思っています。

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