創造性の開発 新規商品を企画しよう

新規商品企画の成功学
求むる所第一義
随時随所楽しまざるなし

我を通すのは迷惑

2012-08-18 08:05:31 | Weblog

おはようございます。

 対象とした代表的ユーザーモデルの最後の項目に来ましたが、昨日、運用重視のシステムを説明しました。運用つながりで、本の表紙にまつわる話を思い出しました。表紙のデザインなどが決まった経過を先にまとめたくなりました。

 粗い章立てができ、執筆を始めたとき、会社に決済願いを出すと大問題になる、と思えました。そこで、当時、副社長だった私のアドバイザーに本の執筆許可願いを打診しました。これでは上等すぎる表現かも知れません。無理やり巻き込んだ、と言うべきかも。彼は当社の副社長、同時にソフトバンクの孫社長の後見人でもあるような立場でした。ソフトバンクの社外取締役か、出資者だったのかも。孫社長も無下に出来ない人でした。

 アドバイザーに、料理と栄養の専門的な大学から、私は非常勤講師依頼をされた、会社の同僚がシステムを販売できる、ついては教科書を書きたい、きちんとした資料のほうが学生は勉強する、卒業後も彼女らの財産になるだろう、2000円くらいの教科書ならコピー代より割安になるだろう、などなど我田引水でとうとうと、いい加減に説明しました。当時の生協などのコピー代は1ページ10円ではありませんでした。パソコンで印刷しにくい絵の多い資料にする、とも釘も刺しました。そのため、たくさんの挿絵を描くことになりました。この本の挿絵が多くなった理由です。挿絵は学生に評判が良かったようです。

 黙って聞いていたアドバイザーは、分かった、任せておけ、とだけ言いました。そして、既に説明したように、私は紹介文をまとめました。後日、経営企画の担当者から電話があり、社長決済できた、二度と社外講師許可願いも、本の原稿執筆願いも、決済申請しないで欲しい、と言われてしまいました。もう時効だから言えますが、実は10年間に、5冊の教科書を出版してしまいました。その都度、何とか偉い人を誤魔化して。偉い人はどうにかしてくれるものです。

 やっと社内問題をクリヤでき、1年ほど後に、本の全体が纏まりました。編集長は優れたベテランでした。非常勤の若い女性を使い、数冊の本を担当し、すすめていたのかもしれません。2週間に一度ほどソフトバンクにお邪魔して、原稿の打ち合わせと販売方針の打ち合わせをしました。私の要望は、当方の名前が目立たない、2000円を切る教科書代にして欲しい、講義の始まるまでに発刊して欲しい、でした。原稿料や販売について要望した覚えはありません。

 編集長は、副社長の名前を出したい、腹帯に書きたい、お礼は会社としてする、著者は考えなくて良い、私の所属会社名と担当部門名を表紙に書きたい、などなどでした。私は、本のコストを下げ、結局、本の売値を下げるため、表紙のデザインや腹帯にお金を掛けて欲しくない、紹介文は本文の先頭に入れる、私の社名は許して欲しい、著者名は見えにくくして欲しい、などなど色々お願いしました。そしてデザインが出来上がりました。「その失敗しない構築・運用法」の赤文字が真ん中で目立ち、「効率的な文書情報管理システムの導入は、まず環境の整備から!!」の黒文字で銀色の腹帯、「オフィスの情報共有化を目指す!パソコンLAN ドキュメントシステム」の凄く太い大文字の表紙ができました。

 このデザインはあまり目立って欲しくない私の我が侭を認めてくれたためです。著者名は飾りや腹帯で目立たなくなりました。当時、会社を刺激しなくなって良かったと思いました。我侭を聞いてくれた、若い編集長に感謝しています。暫くご無沙汰していますので、また機会があれば訪問したいと思っています。唯でさえ売り難い私の本が、表紙のデザインでさらに売れなくなったから。心ならずも、編集長の足を引っ張りました。今日は、彼への感謝の念を込めて、表紙の経過を記事にしました。

今日はここまでにします。

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