「今日の小さなお気に入り」 - My favourite little things

古今の書物から、心に適う言葉、文章を読み拾い、手帳代わりに、このページに書き写す。出る本は多いが、再読したいものは少い。

深い眠りにおちいって BEING FAST ASLEEP, Long Good-bye 2021・11・21

2021-11-21 05:35:00 | Weblog


   今日の「 お気に入り 」は 、アメリカの詩人 エミリー・ディキンソン( Emily Dickinson 、1830 - 1886

  さん の 短詩一篇 「 わたしがもう生きていなかったら 、" If I shouldn't be alive " 」 。

   以下に 、訳詩 、原詩 の 順に 引用します 。


     「 わたしがもう生きていなかったら

      駒鳥たちがやって来た時 ――

      やってよね 、赤いネクタイの子に 、

      形見のパン屑を 。


      深い眠りにおちいって 、

      わたしがありがとうをいえなくっても 、

      分かるわね 、いおうとしているんだと

      御影石 ( みかげいし ) の唇で ! 」


     「 If I shouldn't be alive

      When the Robins come ,

      Give the one in Red Cravat,

      A Memorial crumb.


      If I couldn't thank you,

      Being fast asleep,

      You will know I'm trying

      With my Granite lip !.
 」


    ( 出典: 亀井俊介 編「 対訳 ディキンソン詩集 ―― アメリカ詩人選 ( 3 ) 」 岩波文庫 )


    ( 筆者註: 文庫本にある訳註 には 、「 Robins ( pl. ) ヨーロッパ産の robin ( 駒鳥 ) は 、
          胸毛が赤いので robin redbreast ともいう 。アメリカ産のは じつは ツグミ
          の一種だが 、姿が似ているところから同じ名で呼ばれている 。」と 解説されています 。

          Cravat は 、現在のネクタイとスカーフを兼ねたような首に巻く布 。 )



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