今日の「 お気に入り 」は 、アメリカの詩人 エミリー・ディキンソン( Emily Dickinson 、1830 - 1886 )
さん の 「 水は 、のどの渇きが教えてくれる 、" Water , is taught by thirst " 」、 短詩一篇 。
以下に 、訳詩 、原詩 の 順に 引用します 。
「 水は 、のどの渇きが教えてくれる 。
陸地は ―― はるばる通ってきた海が 。
歓喜は ―― 苦痛が ――
平和は ―― 戦いの物語が ――
愛は 、形見の品が ――
小鳥は 、雪が 。 」
「 Water , is taught by thirst .
Land ―― by the Oceans passed
Transport ―― by throe ――
Peace ―― by its battles told ――
Love , by Memorial Mold
Birds , by the Snow 」
( 出典: 亀井俊介 編「 対訳 ディキンソン詩集 ―― アメリカ詩人選 ( 3 ) 」 岩波文庫 )
文庫本「 対訳 ディキンソン詩集 」の 「 まえがき 」の 冒頭 の 紹介文に こうあります 。
「 エミリ・ディキンソン Emily Dickinson は 、アメリカの北東部 、ニュー・イングランド
の田舎町に生まれ育ち 、その外に出ることは滅多になかった 。人生のなかばからは 、
家の外に出ることすらなくなってしまった 。そして詩を書いていたのだが 、生前に印
刷されたのは10篇だけ 。それもすべて匿名で 、自分からすすんで発表した詩は1篇
もなかったと思われる 。だから 、もちろん 、詩人としてはまったく無名だった 。世
間の人はその存在すら知らなかった 。
ところが、いまや 、彼女がアメリカの生んだ最高の女性詩人であることは 、広く認
められている 。いや 、『 女性 』などという限定をとっぱらっても 、彼女が ウォルト・
ホイットマン Walt Whitman と並んで 、アメリカを代表する詩人であることに 、異論を
はさむ人はほとんどいないだろう 。 」