「今日の小さなお気に入り」 - My favourite little things

古今の書物から、心に適う言葉、文章を読み拾い、手帳代わりに、このページに書き写す。出る本は多いが、再読したいものは少い。

元祖引き籠り Long Good-bye 2021・11・16

2021-11-16 05:05:00 | Weblog


   今日の「 お気に入り 」は 、アメリカの詩人 エミリー・ディキンソン( Emily Dickinson 、1830 - 1886

  さん の 「 水は 、のどの渇きが教えてくれる 、" Water , is taught by thirst " 」、 短詩一篇 。

   以下に 、訳詩 、原詩 の 順に 引用します 。


     「 水は 、のどの渇きが教えてくれる 。

      陸地は ―― はるばる通ってきた海が 。

      歓喜は ―― 苦痛が ――

      平和は ―― 戦いの物語が ――

      愛は 、形見の品が ――

      小鳥は 、雪が 。          」


     「 Water , is taught by thirst .

      Land ―― by the Oceans passed

      Transport ―― by throe ――

      Peace ―― by its battles told ――

      Love , by Memorial Mold

      Birds , by the Snow
 」


    ( 出典: 亀井俊介 編「 対訳 ディキンソン詩集 ―― アメリカ詩人選 ( 3 ) 」 岩波文庫 )


      文庫本「 対訳 ディキンソン詩集 」の 「 まえがき 」の 冒頭 の 紹介文に こうあります 。

     「 エミリ・ディキンソン Emily Dickinson は 、アメリカの北東部 、ニュー・イングランド

      の田舎町に生まれ育ち 、その外に出ることは滅多になかった 。人生のなかばからは 、

      家の外に出ることすらなくなってしまった 。そして詩を書いていたのだが 、生前に印

      刷されたのは10篇だけ 。それもすべて匿名で 、自分からすすんで発表した詩は1篇

      もなかったと思われる 。だから 、もちろん 、詩人としてはまったく無名だった 。世

      間の人はその存在すら知らなかった 。

       ところが、いまや 、彼女がアメリカの生んだ最高の女性詩人であることは 、広く認

      められている 。いや 、『 女性 』などという限定をとっぱらっても 、彼女が ウォルト・

      ホイットマン Walt Whitman と並んで 、アメリカを代表する詩人であることに 、異論を

      はさむ人はほとんどいないだろう 。 」

   








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