今日の「お気に入り」は、萩原朔太郎(1886-1942)の「純情小曲集」の「愛憐詩篇」から「利根川のほとり」と題した詩を一篇。
利根川のほとり
きのふまた身を投げんと思ひて
利根川のほとりをさまよひしが
水の流れはやくして
わがなげきせきとむるすべもなければ
おめおめと生きながらへて
今日もまた河原に来り石投げてあそびくらしつ。
きのふけふ
ある甲斐もなきわが身をばかくばかりいとしと思ふうれしさ
たれかは殺すとするものぞ
抱きしめて抱きしめてこそ泣くべかりけれ。
河上徹太郎編「萩原朔太郎詩集」(新潮文庫)所収
利根川のほとり
きのふまた身を投げんと思ひて
利根川のほとりをさまよひしが
水の流れはやくして
わがなげきせきとむるすべもなければ
おめおめと生きながらへて
今日もまた河原に来り石投げてあそびくらしつ。
きのふけふ
ある甲斐もなきわが身をばかくばかりいとしと思ふうれしさ
たれかは殺すとするものぞ
抱きしめて抱きしめてこそ泣くべかりけれ。
河上徹太郎編「萩原朔太郎詩集」(新潮文庫)所収