「今日の小さなお気に入り」 - My favourite little things

古今の書物から、心に適う言葉、文章を読み拾い、手帳代わりに、このページに書き写す。出る本は多いが、再読したいものは少い。

最上川 2005・05・16

2005-05-16 06:00:00 | Weblog
 松尾芭蕉(1644-1694)に奥州の最上川を詠んだ有名な俳句があります。

 「五月雨をあつめて早し最上川」

 与謝蕪村(1716-1783)にも芭蕉のこの句を意識したものがあります。自然と人間の対比が見事です。

 「さみだれや大河を前に家二軒」


 芭蕉の「奥の細道」にはもうひとつ最上川を詠んだ句があり、芭蕉の中では一番の「お気に入り」です。

 「暑き日を海にいれたり最上川


 高浜虚子(1874-1959)にも最上川を詠み込んだ句があり、謙虚な感じが気に入っています。 

 「夏山の 襟を正して 最上川」


 季節が違い、俳句と短歌の違いもありますが、斎藤茂吉(1882-1953)に郷里の最上川を詠んだ歌がいくつもあります。

 「最上川逆白波のたつまでにふぶくゆふべと なりにけるかも」

 「此の岸も彼の岸も共に白くなり最上の川はおのづからなる」

 「ながらへてあれば涙のいづるまで最上の川の春ををしまむ」
 
コメント
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