白杖のトライリンガル

難聴だけじゃない?網膜色素変性症を併せ持つアッシャー症候群の息子達の日常を母の目からつづります。

はだしのゲン

2015-05-29 10:47:01 | 子供
この夏5年ぶりに日本に帰ります。

2週間小学校に体験入学をさせて、1週間は国内旅行の予定。
今回は瀬戸内海あたりを旅行する予定。

んで、せっかく広島に行くんだから、少しは原爆のお勉強をしていきましょうっと思いつきました。
アメリカ育ちの子供たちですからね、戦争はかっこいいもの、アトミックボムは素晴らしいものだと思っていますから、事実を教えなくては!っと前々から思っていました。

そして、我が家で「はだしのゲン」のアニメ映画を上映することにしました。
1980年代に作られたオリジナルのやつね。

ただ、DVDをどこで手に入れるか。
一般のレンタルビデオにあるわけがない。市立図書館を調べても、原作の漫画はあるけどDVDはない。

しかたなくインターネットで探すことに。
Youtubeを検索すると、出て来る出て来る、色々な言語バージョン。

日本語で見せようか英語で見せようか悩んだ挙句、やっぱりちゃんと理解してほしいから英語で見せることにしました。(広島弁はちょっと厳しいかと。。。)

Youtubeで下見をしていると、あれ?この英語バージョン、爆弾が落ちた瞬間の最も衝撃的な部分がカットされているじゃないですか!!!意味ない!カットしたのはアメリカ人に違いない!全くもう。


ま、その後ちゃんと英語のフルバージョン見つけました。


パソコンをテレビにつなげて準備完了。
やっぱりちゃんと大きい画面で見なきゃ。

「原子爆弾の映画だよ」と前置きはしておいたものの、あまり覚悟ができてない子供たち。


爆弾が落された直後のシーンになり、やけどした人たちがたくさん現れると、もううちの子供たち見ることができません。
次男は泣きながら隣の部屋に逃げて行き、兄ちゃんは補聴器のスイッチを切って目をつぶっちゃって。。。あららら。
(三男はよく意味が分かってなかったご様子。笑ってました。)

「もう怖くなくなったよ!」
っと呼び戻しても、やけどに苦しむ人たちのシーンや、死体を片付けるシーンなどがあちこちに出て来る。


そして放射能を帯びた有毒の黒い雨。

「Black rainだ~!」っと知識はある長男。


しかし髪の毛が抜けて血を吐いて死ぬシーンを見るとショックのご様子。

結局最後まで見たものの、それはそれはショックを受けた子供たち。
それから数時間2人とも言葉を失って無言で茫然と座ったまま。
こんな2人を見たのは初めて。

夕飯ものどを通らない。
夜は怖いと言って、私たちの部屋の床に寝ました。

私も2年生か3年生くらいの時にこの映画を見たと思うけど、ここまでショックではなかったよなぁ。
免疫のないアメリカ育ちの子供たちには、インパクトが強すぎたか?

去年の夏、ロスアラモスの原爆博物館に行って、『素晴らしい原爆』を楽しんできた子供たち。
今もう一度行ったら見方は全然違うと思うな。

あれから一週間、今でも次男は毎日のように原爆のことを夫に聞いている様子。
「どうしてポイズン(有毒)の黒い雨が降るの?」
「放射能って何?どうしてそんなものを原爆は発するの?何処から出て来るの?」
恐怖からくる質問なんだろうけど、なんだかめちゃくちゃ科学的。

極めつけは、
「誰が作って落したの?」
「アメリカだよ。」
「え??僕たちなの~?」
あまりのショックで次男号泣。

アメリカは正義の味方だと信じていたんでしょう。

アメリカを非難するのが目的ではないので、「悪いのは戦争なんだ」と説明してフォローはしておきましたが、ここまでショックを与えることになるとは正直思っていなかった。

でも、事実は知っておくべきだよねぇ。


広島にいったら原爆資料館に行って、本物の写真を見るよん、絵じゃないよ~~。



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