白杖のトライリンガル

難聴だけじゃない?網膜色素変性症を併せ持つアッシャー症候群の息子達の日常を母の目からつづります。

友達の助け

2018-06-15 12:42:06 | RP
いよいよ中学も卒業。

この学校は本当にいい学校だった。
お金はかかったけど、親として最高のプレゼントだったんじゃないかな。

お金持ちのご子息ご令嬢ばかりなんだけど、みんな本当に良い子たちで、
見ていてとても微笑ましかった。

長男は卒業したくないと、ずいぶん嘆いていたけど、
長男だけでなく、親の私も卒業してしまうのが寂しくて仕方ない。

仲の良い10人くらいのグループがあって、
みんなマーカスの目のことを知っている。

暗いところでずいぶんと助けてもらったようだ。

最後の日、レストランを貸し切ってパーティーをした日も、
夜9時まで遊んで、真っ暗な中どうしたのかと心配したけど、
夫が迎えに行ったとき

「ヘイ、マーカス、お父さんが迎えに来てるぞ!」

っと長男の手をとって夫の方に歩いてきたらしい。

「目の前に椅子があるぞ、気を付けろ」
などと、周りにいた子たちも声をかけていたそうだ。

そんな友達の中にいたから、長男は学校がすごく楽しかった。
ぶつかったり転んだりしても、
「またやっちゃった」って
笑っていられたんだと思う。


卒業式の日、狭い校舎にたくさんの人が来ていた。
長男は人込みをきらう。
どうしてもぶつかってしまう。

卒業生が退場するとき、
長男は自然と手を友達の肩にのせた。

人と一緒だと安心して歩けるから、自然に身についたものだと思う。

のせられた友達も、嫌な顔一つせず、普通に自然に一緒に退場してきた。

なんか、感動した。

友達のすばらしさ、大切さ。
そして気が付いた。
親ができることなんて、ほとんど何もないんだ。

今後ますます親と一緒にいる時間は少なくなる。

長男は、時間のほとんどを友達と過ごす。

良い友達に恵まれること。それが一番必要なのかもしれない。

たぶん将来は、彼女や奥さんが長男の助けになるんだろう。


親ができることなんてなにもない。