苗木城跡に行ったあと、久しぶりに温泉宿泊をした。行ったことがない恵那峡温泉である。
恵那峡は大正13年にできた日本初のダム式発電所「大井ダム」によってできたダム湖にある人工峡谷だ。そしてその畔にある恵那峡温泉には3つの代表的なホテルがある。湖に一番近いのが『恵那峡国際ホテル』、2008年12月オープン。次に『恵那峡グランドホテル』、1971年4月オープン。そして1965年に恵那市が土地を旧郵政省に寄付して誘致したのが『かんぽの宿恵那』。
かんぽの宿は郵政民営化に伴い2021年に民間に譲渡されたが、恵那は設立の関係から地元資本により2023年4月に『恵那峡温泉ホテルゆずり葉』としてリニューアルオープンした。
そんな経緯は知らず、ゆこゆこで予約したんだけどね。
リニューアルオープン一周年記念とか掲示してあったから何だろう?と思ったくらい。
それでも部屋からの展望はいいし、部屋の下駄箱の上にスリッパ用の名札・・・
大浴場でスリッパを脱いだとき、この名札をスリッパに付けておけば履き間違えられることもない
・・・心憎い配慮に感動した。
先月の琵琶湖のようにお風呂以外の浴衣禁止なんてこともなく、スリッパもご安全だったし(^^;
お風呂は温泉、露天風呂もありーので、温泉宿の定番3回入浴ができた。
お楽しみの夕食は展望レストラン。
給仕などをしてくれたのはどう見ても外国人女性。聞いてみるとお国はネパールとのこと。うーん、国際的。
テーブルには前菜とお造り、しゃぶしゃぶ(下の画像の台物)が供された。
まずは前菜から。
前菜といっても書いてあることが凝ってるので、それぞれピックアップしないと・・・
『冷やし玉〆 恵那産トマトジュース』
でも、だいたい『玉〆』ってなに?
読みは『玉締め』。溶き卵を、少量の塩を加えて煮立たせた出汁に入れてゆるやかに固め、取り出して巻き簀で締めて冷まし形を作ったもの。広い意味では「卵とじ」など卵の凝固力を利用した料理全般に使われるとのことだが、どこに玉締めがあるかわかんない。冷たいトマトジュースはそのまんまなのでわかったよ。
『新若布の桜花寄せ』
桜の葉っぱが下に敷いてある。でも桜の花は・・・ピンクの練り物がそうみたい。ワカメと桜の葉っぱの取り合わせが面白い。
『春子の鯛手毬寿司』
鯛の手毬寿司は薄味で良かった。では『春子』は・・・春に生まれた子供かしらと思っていたら『カスゴ』と読むのだそうで、真鯛、血鯛(チダイ)、黄鯛の幼魚の総称なのだそうだ。
知らずに『ハルコ』と認識していたら恥をかくところだった。こういうものにはルビを振って欲しい。漢字で書けばいいってもんじゃない。日本語はかくも難しいものなんだから。
『蕗と恵那燻製チーズのお浸し』
フキの葉柄をお浸しにし、チーズを添えたもの。
『鶏若草松風』
若草は緑部分で松風は和菓子の松風のような見た目をした料理。しっとりした食感だった。
『鍵蕨と花びら百合根』
鍵蕨とは鉤の手のように曲がった蕨の芽のこと。花びら百合根は前述した『新若布の桜花寄せ』で桜の花と思ったものが百合根のようだ。紛らわしい置き方をするんじゃないよ。
『ブロッコリー昆布押し』
ブロッコリーは見るからにわかるけれど、昆布はどこに・・・というより昆布出汁で仕上げたというところか?
『青竹串打ち(鰻蒲焼き、赤蒟蒻有馬煮)』
串打ちにした鰻蒲焼きと赤蒟蒻有馬煮。鰻蒲焼きは安定の美味さ。赤蒟蒻はそのまんまだけど、有馬煮とは有馬の山椒を使った煮物につける名称とのこと。そう言われればピリ辛だったような。
お造り『勘八平造り 鮪 恵那くしはらの里 刺身蒟蒻』
勘八はカンパチ。鮪ではなく鱒と言って出された。刺身蒟蒻は丸いまんま。くしはらは旧串原村で明智より南、矢作川で愛知県と接している。峠では大馬渡峠がある。
焼肴『更紗鱒ポテト焼きと春野菜の蕗味噌添え』
また訳のわからん用語『更紗』。一般的には多色を用いて色々な造形を染め出した織物のこと。転じて料理では数種類の色の材料を取り合わせて「更紗模様」のように彩りよく仕上げた和え物のことで、和え物の他にも使える献立名。 材料や和え衣に決まり事はないので、野菜類や魚介、鶏肉、練り物、大豆製品などと好みの和え衣を合わせるとのこと。
でも、見たところ更紗とは言い難く、ポテト汁がかかっているだけ。春野菜はタケノコほか。もちろん美味しさとは関係ない。難解な用語を使いすぎだなあ。
蓋物『筍万頭碓井餡掛け』
碓井餡とは明治時代から羽曳野市碓井地区で栽培されているエンドウ豆のことらしく、明治時代にアメリカから入ってきたとのこと。
揚物『恵那鶏の柚子卸し大根 黄ズッキーニ 春子椎茸 青唐針唐辛子』
鶏の揚物に柚子卸し大根がかけられたもの。黄ズッキーニや青唐辛子の味は覚えてない。
そしてまたもや出てきた『春子』これも『カスゴ』かと思ったら
椎茸は、発生する時期により春子(はるこ)、藤子(ふじこ)、秋子(あきこ)、寒子(かんこ)とも呼ぶ。春子は、2月から4月頃に採れるものとのこと。
まったくぅ。同じメニューのなかで片や『カスゴ』片や『ハルコ』と読ませるものを入れるならルビを振らんとアカンでしょう。
台物。冒頭に載せた固形燃料で作る『しゃぶしゃぶ』。
しゃぶしゃぶと言えばポン酢や胡麻ダレを付けて食べるのが定番だけど、塩麹スープがどうとか書いてあるのでしゃぶしゃぶするところに。塩麹スープが使ってあるようだ。けっこう薄味だったので期待外れと言っておく。
食事『若布ちりめん御飯 恵那坂折棚田産こしひかり使用』
止め椀『恵那マルコ醸造無添加味噌仕立て』
香の物『ゆずり葉売店漬物』とのことで、タクアン、野沢菜、柚子味噌?が出た。
若布ちりめん御飯は味がついているので食べやすく味噌汁もお代わりが出来たので、例のネパールの方にお代わりをお願いした。
坂折の棚田は日本の棚田百選に選ばれたところで坂折峠、中峠、福地峠、中の方峠など峠も豊富にあって楽しい所だった。みんな苗木藩の領地だなあv(^^;
水物『オレンジゼリー、メロン、苺ケーキ』
苺ケーキは小さすぎてイマイチ。メロンとオレンジゼリーはそれなりに美味しかった。