塚本邦雄著『定家百首』(河合出書房新社 昭和48年刊)より定家の驚くべき世界を紹介させていただく。
あくがれし雪と月との色とめてこずゑに薫るはるのやまかぜ 花月百首
春の桜をうたった歌である。が、あっけにとられてしまう鮮やかな切れ味。
雪、月とくれば花、なのだが、その言葉は出てこない。
色、そして薫り。あこがれのリフレイン。
憧れの対象である美のはかなさ。山風のひと吹きで吹き消されてしまう薫りのような。あとに残された凡人である私。
あくがれし雪と月との色とめてこずゑに薫るはるのやまかぜ 花月百首
春の桜をうたった歌である。が、あっけにとられてしまう鮮やかな切れ味。
雪、月とくれば花、なのだが、その言葉は出てこない。
色、そして薫り。あこがれのリフレイン。
憧れの対象である美のはかなさ。山風のひと吹きで吹き消されてしまう薫りのような。あとに残された凡人である私。