Toshizoh's Bar

大阪を愛する編集者トシゾーのほろ酔いメッセージ。

ジョニー・チェコットっていうレーサーがいてね・・・・

2011-04-18 23:43:52 | Weblog
と、俺の古い友人がいい出すときは、きまって奴がいわれない非難を受けた時や信頼していた人間に裏切られた時なのだった。

「ジョニー・チェコットってフォーミュラ750の世界チャンピオンになったこともあってね、予選じゃめっぽう速かったんだ。バリー・シーンと仲が良くてね、チェコットが予選でこけた後はバリーが後に乗っけて帰ったこともあったんだ」

俺もその姿は今でも目に浮かぶ。高校生の頃、奴がなけなしの小遣いをはたいて買ったライダーズクラブを見せてもらったからね。そのころ、350ccでは日本人初のロードレースチャンプを目指して片山敬済がプライベートチューンで3気筒にしたTZで勝ち星を重ね(チャンピオン獲得)、250ccではヤマハがワークス撤退した後に、カワサキが投入したKRでコーク・バリントンが連勝街道を突っ走っていた時だった。

その次の年、F750は廃止され、500ccではバリーに代わりケニー・ロバーツがチャンピオンになった。チェコットも500に参戦したが度重なるクラッシュに、いつしか表舞台から姿を消した…。

もし、チェコットに今、ロッシがはいているようなタイヤだけでも与えてられていたら・・・

チェコットを語る彼から愚痴を聞いたことはなかった。チェコットの愚痴も読んだことはなかった。俺の好きな奴ほど、寂しそうに笑いながら視界から去っていく。チェコット、バリー、リッキー・グラハム…。

俺もそのあとを追うだけかもしれないが、俺もすることは同じで正直にスロットルを開け続けるだけなのだ。小細工は好きじゃない。他人をペテンにかけるのはご免だ。ジョニー、あんたは最後はどんなバイクに乗ってたんだろうね。南米の高原の風は乾いていたんだろうか…