肯定的映画評論室・新館

一刀両断!コラムで映画を三枚おろし。

『タロットカード殺人事件』、観ました。

2008-04-03 21:55:28 | 映画(た行)





監督:ウディ・アレン
出演:スカーレット・ヨハンソン、ヒュー・ジャックマン

 『タロットカード殺人事件』、観ました。
ロンドン市街のマジックショー劇場で、ジャーナリスト志望の女子大生サンドラが
舞台に上げられ、中に入った人間の身体が消えては現れるボックスに入れられる。
その中で彼女は著名なジャーナリストの亡霊ジョーと遭遇。急死したばかりの彼から、
とっておきのスクープを耳打ちされる…。
 誰が言ったか、(いや、誰も言ってなかったら、単に“オイラの思い込み”だけかも
しれないが(笑))、ウディ・アレンの映画って、本人が出てない方が面白い。ちなみに、
オイラが好きな作品を並べていくと、『カイロの紫のバラ』に『ハンナとその姉妹』、
『ギター弾きの恋』、『マッチポイント』‥‥。ほらね、やっぱり、本人が出ていない。
『アニーホール』や『ブロードウェイのダニー・ローズ』も悪くはないが、いまいち
オイラの趣味とは程遠い。そう言えば、かつてアンチのいった言葉で、ウディ・
アレンの自虐的なユダヤ系ギャグは、日本人には受け入れられない、って。ナルホド、
それも御もっとも。この映画でも、本人自らしゃしゃり出て、ご自慢の(?)マジックと
一緒に“ユダヤ人ネタ”をご披露するが、しゃべれどもしゃべれどもトークは空回り。
これならば、我らが(?)マギー司郎を連れて来いってカンジ(笑)。けどね。誤解して
ほしくないウディ・アレンの凄さは、単に笑わせるだけの話術とは違う、映画として
“語り口の巧さ”だと思うんだ。例えば、そんなクタビれたジジイのかくし芸と、
マシンガントークが続く退屈な展開に、突如、手品の箱の中から新聞記者の幽霊が
登場し、ヒロインへスクープネタを提供するのだから、思わずクスリとしてしまう。
いや、何しろ物語の切り口からして、意表をついていてスゴイのだ。不幸の死を
遂げた新聞記者、その彼が死神の船に乗ってあの世に向かう途中、死人同士の
立ち話で(?)世紀の特ダネを聞かされると、再びジャーナリストの血が騒ぎ、のこのこ
現世に戻っていくって、一体どうよ??、恐らく、その辺りのテイストは(アレンが
心酔する)ベルイマン作品に感化されてのことだとは思うが、その、冴えわたる
語り口の巧さに、思わず見入ってしまう。ぶっちゃけ、“犯人捜し”をメインにおく映画
じゃない。また、サスペンスとしてグイグイ引っ張り、たたみ掛けてくるスピード感も
ありゃしない。でも、オイラからすれば、そこがイイ。軽快にしてひょうひょうとした
ウディ・アレンの語り口、作品ごとに装いを変えるスカーレット・ヨハンソンの美しさ、
そして、ユーモアに満ち足りた贅沢な時間と上品な味わい――、こいつは長らく
観ることのなかった“大人のサスペンス”だ。おっと、最後に言い忘れるとこだった、
本人が出演したアレン作品にしては、珍しくオイラは気に入ったよ。



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