肯定的映画評論室・新館

一刀両断!コラムで映画を三枚おろし。

『アダプテーション』、観ました。

2005-11-29 21:50:21 | 映画(あ行)
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 『アダプテーション』、観ました。
脚本家のチャーリーは映画『マルコヴィッチの穴』で大成功を収めたが、新作
脚本のアイデアに煮詰まり悶々とする日々が続いている。そんな時、陽気な
双子の弟ドナルドの脚本がハリウッドで評判となり、次第にチャーリーは焦りを
感じ始める‥‥。
 脚本はチャーリー・カウフマン。初めて『マルコヴィッチの穴』を観た時に、
よくもあの奇想天外ストーリーを考えたもんだと感心しつつ、と同時に次回作は
相当かなりのプレッシャーが圧(の)し掛かるだろうと想像した。が、しかし、
まさか…まさか…、その次回作で苦しみ悩む、脚本(ほん)が書けなくなった
自分自身を書いちゃうなんて一体何処のどいつが想像する??、きっとコイツは
この上ない天才か、はたまたこの下ないお馬鹿さんか、ふたつにひとつ。
とにもかくにもこの映画、オイラは存分に大笑い。楽しませて頂きました。
 さて、この映画の見所は何と言っても脚本の面白さ。ニコラス・ケイジ扮する
デブでハゲで神経質な主人公が、コンプレックスから終始ブツブツ独り言を
言うんだが、それがミョ~に説得力があってシュールな笑いを誘うのだ。しかも、
架空キャラとして主人公の双子の弟が登場し、どんどん話はこんがらがって
どこまでが“実像”でどこまでが“虚像”なのか、観てるオイラはモチロン、
作ってる本人自身も分からなくなっていく面白さ、そして馬鹿馬鹿しさ(笑)。
いつもは濃ゆ~いお顔が空回り気味のニコラス・ケイジも、今回ばかりは役に
ぴったりマッチで良い仕事。もしかして…、もしかして…、これってニコラス・
ケイジの出演作では“最高傑作”じゃないのかい??