昨日のトンボ(オオシオカラトンボの雌?)とツユクサ(我が家のネコのひたいで)。
大坂なおみの全米オープンの話題がテレビで視聴率を稼いでいる。
私も体操界パワハラ問題と大坂なおみ優勝関連があれば観ないではいられない。
大坂なおみはメンタルの弱さがあるとセリーナ・ウィリアムズ側は当然ながら把握していて、機を見てそこを突いてくる作戦でもあったはず。
ブーイングの原因となった三つのペナルティは心理戦という面があったような気がする。
一つ目のペナルティのコーチングは、あとでコーチが「思わずやってしまった」と、禁止されているジェスチャーでのコーチングを認めているのだという。
それにセリーナが気づかなかったとしても、チーム・セリーナとしての違反行為に審判がペナルティを与えるのは当然だ。
昔、世界一生意気な17歳と評されたことのある女子テニス・プレーヤーでマルチナ・ヒンギスという小柄なのにやたら強くて、何度もグランド・スラムで優勝をしたスイス人がいた。
彼女のコーチはマルチナ・ナブラチロワに憧れ、彼女のようになって欲しいと娘に同じ名までつけた教育ママだった。
ヒンギスは失敗したりうまくいかなかったりすると、しょっちゅうコート上から母親を見ていた。
テレビカメラが映すコーチの母親は、いつも祈るようにして眉間に皺を寄せ、じっと動かず、ルールを守っていた。
一度ヒンギスがやけくそになって母親を見なくなったことがあった。
その時に中継アナウンサーが言った「あ、ヒンギス母親を見ません、背を向けて見なくなりました」という言葉が忘れられない。
「自分は悪いことをしていない」と猛抗議をしたセリーナ。
大迫力で審判を威嚇するのは、若干二十歳の大坂なおみを萎縮させるための心理戦でもあった。
二度目のペナルティとなるラケットの破壊行為だが、男子選手がグリップを持ったまま斧を振り下ろすようにして叩き壊したのを観たことは何度かあるが、手から離して叩きつけたのにラケットがグニャリと壊れてしまうシーンを観たのは初めてで、女の力でそこまでできるのかと驚きだった。
大坂なおみを心底からビビらせるためには、勝つためには僅か数十万円の罰金なんて目じゃなかったはず。
三度目のペナルティとなる、審判への度重なる猛抗議と暴言も、感情に任せているように見えて、大坂なおみにプレッシャーを与え、ほとんどが自分の味方である観客を煽る、かなり計算ずくの行為だったのではないか。
それでも心理戦を耐え、勝ってしまった大坂なおみには祝福を言い、抱きしめた姿は感動的だった。
そうして表彰の席でも鳴り止まないブーイングに対して、大坂なおみを讃え、客席に向かって「ノー モア ブーイング」と呼びかけたセリーナ。
自分に向かってのブーイングだってかなりあったはずなのに、そう言ってすり替えるのである。
これを称して、日本ではマッチ・ポンプというのだけれど、もし大坂なおみが、そんなことを表彰式で言ったとしたら、無事にはすまなかったんだろうな・・。
まことに風を読む難しさ、風の恐ろしさを感じる大イベントだったとニュースを観るにつけ思う。