能率技師のメモ帳 経済産業大臣登録中小企業診断士・特定社会保険労務士の備忘録

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日本最古の遊園地 浅草花やしき 圧縮陳列でしぶとく生き抜く中小企業のお手本経営

2014年12月26日 | まち歩き

浅草の花やしき・・・日本最古の遊園地と言われています。

1853年、実に江戸時代、造園師森田六三郎により牡丹と菊細工を主とした「花屋敷」として誕生。

明治時代には遊具が置かれましたが、メインは動物園。虎の五つ子やライオンの赤ちゃんが産まれた動物園でした。


当時の浅草は、浅草六区に代表される日本のブロードウェイ。

映画、演劇、落語、お笑い・・・様々なアミューズメントが集積していました。

今では考えられないほどの人、人、人・・・。

 

戦後の昭和24年に「浅草花やしき」と改名。

これ以降、豆汽車、豆プール、紙芝居、回転ボート、ジェックコースターが設置されていきます。

この「豆」というのが、浅草花やしきのサバイバルできている秘密です。

本当に狭い敷地の中に重層的に配置された遊具。実に40以上のアトラクション、飲食店、お土産店があります。

 

花やしきの乗り物・アトラクション

・メリーゴーランド

・ちびっ子観覧車

・スカイシップ

・ちびっ子タクシー

・Beeタワー

・スワン

・スリラーカー

・3Dシアター

・お化け屋敷

・ゴーストの館

・ビックリハウス

・カーニバル

・ぴょんぴょん

・ヘリコプター

・ローラーコースター

・リトルスター

・ディスクオー

・スペースショット

(「豆・・・」が「ちびっ子・・・」に変わっています)

まさに、極度に圧縮されたアミューズメントパークなのです。

ムダなスペースを排除、狭い空間でも射的やゲーム、クレープ店や自動販売機などでうめ、スペース、空間を有効活用しています。

小売業的に、坪単価という指標でいうと、東京ディズニーランドより高いかもしれません。

 

また、設備投資面でも極度に圧縮。

古くて昭和時代のアトラクションが中心ですが、ここを訪れるお客さんは、最新の遊具を期待していません。

むしろ、昭和レトロを楽しむため、童心に帰るために訪れるのです。

この意味でも、富士急ハイランドや東京ドームシティとは異なる戦略をとっていると言えます。

 

ここで働く従業員さんたちも、多くは学生アルバイト。子

供目線で笑顔で接する姿勢は、ホスピタリティ、おもてなしの心が溢れんばかり・・・子供たちも、おにいちゃん、おねえちゃん的な存在として認知し、いっしょに楽しそうに遊んでいます。


入場料も大人1000円(子供500円)と決して安くはありません(大人2300円のフリーバスもあります)。

各種アトラクションも200円~500円を追加で支払う必要があり、

一人当たり2500円程度落としているのではないでしょうか?

 

限られた経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)を最大限に活かし、強みを伸張させ、弱みを圧縮する。

・・・まさに、ニッポンの中小企業のお手本だと思います。

 

集客力抜群の浅草寺のそばという立地を最大限に生かし、150年以上続く花やしき。

この遊園地を見るたびに、その生命力、逞しさに励まされる感じがします。

いつまでも続けていただきたい昭和を代表するアミューズメントパークです。


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