「中心市街地」という言葉も、最近ではあまりスポットライトを浴びなくなってきました。
少し前までは、経済産業省、都道府県の産業局などが中心となって中心市街地活性化や商店街の振興などの施策を展開してきましたが、ほとんど効果がなかったというのが本当のところです。
中心市街地活性化法や大店法など、地元商店主を保護し、かつ街を再生しようという動きが、ほとんど空振りに終わったということだと思います。
少子高齢化、車社会にともなうロードサイドの発展、全国チェーン店の出店など、地場の個性は次第に希薄になり、にぎわいや活力がどんどんなくなってきています。
どこの街に行っても、駅前はほとんど同じ光景が展開されることになります。
そんな中、ある町の駅前で面白い光景に出合いました。
「おしゃれ横丁」
素敵なネーミングです。
オードリー・ヘップバーンが歩いていそう・・・(笑)。
そのアーケードの向こうには、小さな小売店、飲食店や飲み屋さん、風俗が続いていました。
ちょっと昭和レトロな感じです。
独特なデザインの時計塔。シュールな感じを与えてくれます。
3メートルぐらいの狭い路地にお店が並んでいます。
なんとモニュメントも・・・。
平成元年と表記されています。
これもなかなか素敵なデザインです。
夜になると、ターミナル駅から流れる勤め帰りのサラリーマンが、ネオン輝く、この横丁を通って帰路につくのだと思います。
高齢社会となった日本。
これからは、中心市街地を中心として、歩いて動ける範囲で生活する・・・そんな「コンパクトシティ」が必要というのは定説になっています。
おじいちゃん、おばあちゃんが、徒歩で買い物、通院、コミュニティ参加が出来る・・・そんな都市機能を圧縮化したタウンマネジメントが求められていると言えるのです。
とすれば、鉄道やバスのターミナル駅を中心にした街づくりが必須と言えそうです。
駅を中心として1キロメートル以内圏で、ほぼ全ての都市機能を集中させる・・・しかも防災も視野に入れた街づくり。
そんな中、注目したのが、「横丁」。
そのほとんどがターミナル駅のそばに立地し、賑わい、盛り上がりを見せています。
吉祥寺のハモニカ横丁、日本橋の甘酒横丁、札幌のラーメン横丁など、「横丁」は、まだまだ健在。
横丁に出店している経営者の努力や、自然発生的に形成された立地の優位性などに起因していると思うのですが、そこを通るときのワクワク感やドキドキ感は、なかなか楽しいものです。
西新宿の「しょんべん横丁」、同じく新宿の「ゴールデン街」も横丁の代表格。
そのネーミングの切り口、いかがわしさ(笑)も、その横丁の魅力を引き出す源泉になっているように思います。
一方で、人工的に作られた横丁は、イマイチ。
二子玉川の「柳小路」や東京駅のレストラン街「黒壁横丁」・・・どうも人工的、画一的で人の雑談や体温が感じられない空間なのです。
もちろん、あと20年経ち、年輪を重ねれば味が出てくると思うのですが・・・。
「横丁」「路地」を大切にして、コンパクトシティ化を進めていく。
これからのタウンマネジメントの切札だと思います。