歯に衣着せぬ冨山さんの新刊です。
現在、経営共創基盤CEO。産業再生機構で振るわれた辣腕が垣間見られる一冊です。
「IGPI流 経営分析のリアル・ノウハウ」
冨山和彦著
PHPビジネス新書 820円・税別
キャッチコピーとして、「会社再生のプロが実践している37の手法が身につく本」が掲げられていますが、そこで説明されているのは経営現場を起点して、企業再生、事業再生に向けたマネジメントをしていこうというスタンス。
冨山流のBS、PL、CSの読み方、簿記の重要性から、業種業態別のデューデリの方法まで分かりやすく解説されています。
目次
第1章 リアルな経営分析とき何か?
第2章 リアルな経営分析の進め方
第3章 生き残る企業と消え去る企業 実例に学ぶ分析枠組み編
第4章 生き残る会社の数字のつくり方 ケーススタディ
著者は、財務数字や財務諸表の分析で行う平均値や経営分析等の数字は、それだけで判断するのは危険。
その会社の置かれている状況、経営トップ、社内事情などを加味していかなければならないと述べています。
サラリーマン社長なのか、オーナー社長なのかでも数字の読み方は変わってこなければならないということで、事例での解説も加えられています。
今回、この本を読みながら、改めて貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書の「美しさ」を感じた次第です。
財務諸表という一見無機質な書類から、その企業のストーリーを語ることができるか?
それが、経営コンサルティングの第一歩であることを教えられました。
ビジネスパースン必読の一冊だと思います。