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能率技師のメモ帳 経済産業大臣ぬ登録中小企業診断士・特定社会保険労務士の備忘録

マネジメント理論、経営理論を世のため人のために役立てるために

中小企業診断士の理論政策更新研修をオンラインで受講しました・・・来年もオンラインで研修を受けたいものです

2023年12月08日 | 本と雑誌

中小企業診断士の資格の更新は結構大変です。

5年に一度、中小企業庁に更新の手続きを行わなければなりません。

その要件は、4時間の理論政策更新研修を毎年受講しなければならないこと。

そして、実際の現場での実務を5年で30日間(30ポイント)行わなければならないことです。

時間とコストがかかります。

広島県の中小企業診断協会では、今年初のオンライン研修が行われました。

アフターコロナで少し遅い感じもしますが、なかなか便利なので来年以降も続けていただきたいものです。

4時間のオンライン研修は、中国経済産業局の管理職の方の中小企業施策の講義と現役の中小企業診断士による生産性向上についての講義で構成されていました。

なかなか面白い内容で、勉強になりました。

オンライン研修ということで、途中に3回キーワードが提示されます。

これを受講終了後にキーワードを入力して事務局へ報告することで受講が認められます。

ちょっと間抜けなテレビ番組のようで笑っちゃいました。

オンライン・・・便利なDX時代になりました。

来年もオンラインで研修を受けたいものです。


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貧乏ピッツァ ヤマザキマリさんの新刊新書・・・マリさんの「食」のエッセイは垂涎モノです 食べたい時に食べたいモノを食べよう!

2023年12月04日 | 本と雑誌

大好きなヤマザキマリさんの新刊本が出ました。

新潮新書では「パスタぎらい」に次ぐ2冊目です。

17歳でイタリア・フィレンツェに留学。

貧乏な画学生として、スタートします。

その後、漫画家、文筆家、画家としてブレーク。

「テルマエ・ロマエ」「プリニウス」はベストセラーになりました。

貧乏ピッツァ

ヤマザキマリ著 新潮新書 820円+税

 

同書でも歯に衣着せぬヤマザキ節がさく裂します。

札幌の交響楽団でバイオリン奏者だった母のこと、幼少の頃のこと、イタリアへの留学のこと、イタリア人のご主人との会話、米国やイタリア、日本など世界中を転々としながら食を楽しむ姿勢・・・笑いながら読むことのできる一冊です。

 

目次

第1章 貧乏が私のかくし味

第2章 やっぱりイタリアは美味しい

第3章 素晴らしき日本の食文化

第4章 世界を食べる

第5章 忘れがたき思い出メシ

 

メインとなるのは、やはりイタリア料理の話。

初めて知ったことが、たくさんありました。

同じピッツァでも、イタリア北部と南部では違うことを面白おかしく解説されています。

ナポリやシチリアなどのイタリア南部では生地の厚いピザ、フチが大きなピザが主流・・・貧しい人が多いため、腹持ちを良くするためだそうです。

基本素手で食べます。

イタリア南部から米国に移民していた人が多く、米国のピザは南部のピザだそうです。

これに対して、イタリア北部は、生地の薄いピザが主流。

ナイフとフォークを使って食べ、フチは食べずに残すそうです。

当然ですが、食のマナーも国により違います。

イタリア人の旦那さんは、日本のラーメンや蕎麦を音を立てて食べることが出来ないそうです。

欧米では品のないことだとされているからです。

でもズルズルすすり上げて食べる醍醐味・・・おいしさが倍増するような気がします。

日本に生まれて良かったなあ!と思います。

世界には、いろいろな食のタブーがあることも書かれていました。

ドイツ・・・ジャガイモをナイフで切ってはいけない。

英国・・・アスパラをナイフで切ってはいけない。

中国・・・接待で出された料理を少し残さなければいけない おもてなしが足りなかったと思われる。

インド・・・食べ残しは失礼。

ハンガリー・・・「最初はビールで」の乾杯はNG。対ドイツ、1849年の独立革命に失敗したため。

メキシコ・・・タコスは素手で食べる。

ブラジル・・・ビザやタコスはナイフとフォークで食べる

イスラム・・・右手だけで食べる

ホント、いろいろあるんですね(笑)。

 

この他、世界の料理や日本料理についても、マリさん独自の文化論、歴史観を交えて進んでいきます。

同書の結論は、「人間、どうせ死ぬんだから、食べたいときに食べたいものを食べるのが一番幸せ」ということだと思いました。

経済で世界のトップレベルに達したものの、その後失速した日本。

一人当たりGDPは、今やイタリアと同じくらいです。

でも、あくせく働く日本人と対照的に、イタリア人は少しビンボーでも毎日楽しく暮らしているような気がします。

NHKのBSで映し出されるイタリアの日常の光景・・・ビンボーでも庶民でも幸せそうな人々の暮らしがあります。

ヤマザキマリさんの華麗なる貧乏話、世界の食を食べつくした結論としての食哲学・・・笑いながら読めるリベラルアーツとしての見事な一冊でした。


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運は遺伝する 行動遺伝学が教える成功法則 いかに地獄を生き延びるか?橘玲さんと安藤寿康慶大名誉教授の対談集

2023年12月03日 | 本と雑誌

遺伝が半分以上・・・。

良い環境の中で凄い努力をしても、アタマを良くしたり、金持ちになれたり、異性にモテるわけではない・・・。

「言ってはいけない 残酷すぎる真実」の著者橘玲さんと安藤寿康慶大名誉教授の対談集が出版されました。

運は遺伝する 行動遺伝学が教える成功法則

橘玲・安藤寿康(対談) NHK出版新書 980円+税

 

安藤寿康さんは、行動遺伝学が専門の慶大名誉教授。

教育学、行動遺伝学の切り口から、遺伝の闇を暴き出している橘玲さんとの対談。

安藤教授は橘さんのことを「偽悪的芸風の行間に垣間見られる愛」と形容しています(笑)。

 

目次

第1章 運すら遺伝している DNA革命とゲノムワイド関連分析

第2章 知能はいかに遺伝するのか

第3章 遺伝と環境のあいだ

第4章 パーソナリティの正体

第5章 遺伝的な適性の見つけ方

第6章 遺伝と日本人 どこから来て、どこに行くのか

 

行動遺伝学は、ユダヤ人のホロコーストをもたらしたナチスの優生学への反省から、今まで決して表の学問とは見られていなかった学問でした。

最近のバイオテクノロジーやクリスパーキャスナイン(分子遺伝学)、ゲノムワイド関連分析(GWAS)などの進化により、遺伝の中に科学が持ち込まれました。

ゲノムを解析することにより、その人の未来をある程度推測できる時代、操作できる時代になっていると言えます。

すでに欧米の富裕層は、巨額のカネをかけて、優秀な子孫を遺すための動きをしているのではないか?と思います。

同書では、逃げることのできない遺伝、おおっぴら触れてはいけない遺伝について、人気作家と大学教授の対談の中で明らかにしていきます。

 

同書で線引きしたところを一部紹介させていただきます。

 

遺伝が環境を引き寄せている

「親ガチャ」の影響はそれほど大きくない

経済格差と知能格差・・・人間は遺伝と環境の相互作用によってつくられる

パーソナリティだけでなく能力においても子育ての影響は小さく、遺伝の影響が大きい

偏差値でいえば40から60の範囲の外見なら、その人を魅力的だと思う相手がどこかにいる

 

咲ける場所に動きなさい

浅く広くでは才能は発現しない

親が自分にできないことを子供に無理矢理やらせても、あまりいい結果にはならない

遺伝的なアドバンテージをフックにして、好きなこと、得意なことに人的資本を集中させる

その上で、自分の強みを活かせるニッチに活動の場をずらすことで、それなりの成功を手に入れることができる

 

運が良い悪いも遺伝、アタマの良しあしも遺伝、スポーツが出来る出来ないも遺伝、モテも非モテも遺伝、犯罪者も悪人も遺伝・・・。

すべてが、そうとは思いたくないですが・・・。

何とも残酷な行動遺伝学・・・「言ってはいけない」その闇の部分を同書は白日の下にさらしてくれます。

必読の一冊です。


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同僚は生成AI 破壊者か期待のエースか?日経ビジネス誌の特集・・・デジタル植民地、AI進駐軍支配の国に成り下がるな!ニッポン

2023年12月02日 | 本と雑誌

今年最大の話題であるオープンAI社のChaiGPTのリリース。

仕事のやり方に変化を及ぼしました。

今までPCのディスプレイを見ながら自分のアタマで考えていたワークフローをサポートする生成AI。

タイポ、コスパを向上させてくれました。

ただ、個人的に思うのが、ChaiGPTは、一般論の世界。

プロンプトやチャットについて研究を深めれば、AIのポテンシャルを引き出し、もっとパフォーマンスを高めることが出来ると思うのですが、まだまだ人間優位かなとも思っています。

 

日経ビジネス誌2023.11.27号の特集「同僚は生成AI 破壊者か期待のエースか?」。

まさに旬のテーマです。

Contents

Part1 相次ぐ盗用に解雇 問われる人間の役割

Part2 シンギュラリティ・サバイバル 先進企業は既に転換 生成AIありきの経営

Part3 シリコンバレー最前線 3大トレンドが告げる生成AI大競争時代

Part4 新興勢が爆速成長 生成AIの旗手25選

 

この特集では、福井県の東尋坊で自殺を予防する活動をされている元警察官のコメントから始まります。

美大生の女性が、生成AIが創り出す作品を見て将来を絶望し、東尋坊を訪れたという事実が複数発生。

AIが起因して自殺願望が起こるというのは、当然ながら過去にはなかったとのこと。

そういえば、AIの創り出す作成は実にカラフルで幻想的・・・とても魅力的です。

 

今年、米国ハリウッドで起こった映画関係者のストライキも、生成AIの導入、活用が理由の一つになっています。

実際に、脚本家や俳優、イラストレーター、コピーライター、声優、記者などの仕事が生成AIに奪われているそうです。

 

企業も生成AIシフトが進んでいます。

大和証券、サイバーエージェント、第一生命、住友商事などの五大商社などの事例が紹介されています。

シリコンバレー最前線として、 3大トレンドが告げる生成AI大競争時代がレポートされています。

トレンド1 ChaiGPTは、もはや「ワン・オブ・ゼム」

トレンド2 クラウド3強、AIでも全面戦争・・・グーグル、マイクロソフト、アマゾン

トレンド3 相次ぐ訴訟リスクの「肩がわり」宣言・・・アドビ、MS、グーグル

 

今後も、米国を中心にしたAI開発が進んでいく中、日本のAI企業の活躍の場は残されていないようにも思えます。

デジタル人材も少なく、AIに投資する機会も極少・・・日の出ずる国ジパングの未来に暗い陰・・・。

デジタル植民地、AI進駐軍支配の国に成り下がってしまいます。

今、手を打たなければ、何とかしなければ、この国の未来はありません。

今週、やっと、さくらインターネットのニュースがありました。

スタートアップを含め、もっとたくさんのIT起業が出てくることが求められています。

がんばろう!ニッポン


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いちばんやさしい「組織開発」のはじめ方・・・アフターコロナ、組織や職場に漂うモヤモヤ感をどう乗り越えていくか?

2023年11月08日 | 本と雑誌

和の精神、空気を読む、気合と根性・・・日本の会社は「昭和」世代のがんばりで国際競争力を強めてきました。

が、最近では韓国に平均賃金を追い越され、円安もどんどん進み、かつてのJAPAN as No.1と賞賛を浴びた時の頃がウソのようです。

働き方改革、ワークライフバランス、インクルージョンやダイバーシティ、非正規雇用の従業員の増加、健康経営、パワハラやセクハラなどのハラスメント問題・・・。

組織、職場は既に経営者や管理職の指揮、命令では動かなくなっています。

組織や職場に漂うモヤモヤ感・・・。

社員のやる気の低下、コミュニケーション機会の減少、言われたことしかやらない社員、辞めていく若手社員、シニア社員の増加・・・。

そこを襲ったコロナ禍・・・テレワークや在宅勤務、リモートワーク・・・さらに組織としてのチカラは低下していきます。

いちばんやさしい「組織開発」のはじめ方

早瀬信・高橋妙子・瀬山暁夫著  ダイヤモンド社刊 1700円+税

 

組織開発とは、組織や職場のポテンシャルを引き出し、1たす1が2にも3にもなるようにしていく計画的な努力のことを言います。

働く人個人の能力やスキルを開発していくことを「人材開発」と言いますが、組織や職場レベルでのチカラを伸ばそうというのが「組織開発」です。

Organization Developmentを略して、OD(オーディー)とも呼ばれます。

 

目次

Chapter1 職場のモヤモヤを消し去る!組織開発の「キホン」

Chapter2 知識ゼロからでも実践できる組織開発の「はじめ方」

Chapter3 7つの成功事例から読み解く組織開発「実践ポイント」

Chapter4 さあ、組織開発を始めよう

 

同書は、組織開発の研究を進める南山大学の教員やコンサルタントの共著。

小難しい理論、理屈だけではなく、現場感のある実践ベースの内容となっています。

また、1on1ミーティングや診断アプローチ、ファシリテーションといった方法論、テクニックではなく、組織の実態に即した事例、ケースを盛り込んだ一冊になっています。

 

組織開発のスタートは、「信頼」と「対話」。

最近では、心理的安全性という言葉がありますが、働く仲間と自由に意見を出し合い、何でも言える空間を創り出すことが重要となります。

さらに、ポジティブに語り合うことが最も大切。

問題を起こしている人を探る犯人探しではなく、明日を語り合う恋人探しでなければなりません。

現在、小職が研究しているのがアプリシエイティブ・インクワイヤリー(AI)。

米国生まれの、この組織開発手法は、米国マクドナルドや米国海軍で導入されています。

超ポジティブなアメリカ人が好むポジティブアプローチです。

 

組織力、職場力が落ちている日本の会社。

個々のチカラを伸ばすとともに、組織開発で復活を遂げなければなりません。

 

マネジメント理論やマネジメント教育にも流行があります。

世の中に不安や不満が増えてきた時、この組織開発(OD)を活用しようという動きが、過去何度もありました。

アフターコロナ・・・先行きの見えない現状を乗り越えていくためにも、組織開発アプローチは有効な手段だと思います。


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車のある風景 松任谷正隆さんの新刊本・・・クルマ好きにはタマラナイ必読の一冊です 日本の自動車史を巡るエッセイ集

2023年11月04日 | 本と雑誌

JAFから定期刊行されている「JAF Mate」。

この雑誌に掲載されている松任谷正隆さんの人気エッセイが一冊の本になりました。

ユーミンさんの旦那さんである正隆さん。

音楽プロデューサー、作編曲家、日本自動車ジャーナリスト協会所属の正隆さん・・・70歳になられるとのこと。

「カーグラフィックTV」でも有名なMr.自動車・・・クルマのウンチクでは日本を代表する方です。

車のある風景

松任谷正隆著  JAF Mateブックス  1800円+税

 

日本が高度成長していく中、東京の山の手で育った正隆さん。

急速に自動車が普及していく光景を、そして音楽、恋愛、クルマの中で右往左往した青春時代をクールなタッチで描写していきます。

日本の戦後史の中の自動車、外国車を、自ら運転されてきた正隆さんだからこそ書けるエッセイ集と言えます。

 

目次

第1章 少年時代の思い出

第2章 バンドライフ、カーライフ

第3章 結婚生活あれこれ

第4章 クルマ選びに思う

第5章 カーライフよもやま話

第6章 忘れえぬ出会い

第7章 クルマ乗りの心得

第8章 今、そしてこれから

正隆さんの若き日の写真、最近の写真が随所に入っています。

また、唐仁原教久さんが描くクルマの挿画が、とってもお洒落、さらには装丁もなかなか素敵な本になっています。

自分のカーライフとオーバーラップさせながら、ドライバー心理「あるある」が散りばめられたドライバーの共感を呼ぶ一冊です。

ユーミンさんとの結婚の話、「中央フリーウェイ」の裏話、納豆スパの話・・・エスプリとユーモア、笑いを誘うタッチが素晴らしいです。

カーグラTVで見る正隆さんの紳士的で温和な語り口からすると、家庭内ではユーミンさんに主導権を取られているイメージでした。

が、このエッセイ集を読むと、かなりの亭主関白なのではないかと思った次第です(笑)。

巻末には、特別付録として「僕の自動車回顧録」が掲載されています。

正隆さんが乗ったクルマの中で印象深いものをエッセイを交えて解説していきます。

はじめて乗ったカローラスプリンター、コロナマークⅡ、アウディ、メルセデス、アルファロメオ、ポルシェタルガ、ランドローバー、三菱ジープなどが紹介されています。

読書の秋、秋の夜長にユーミンを聴きながら読んでいただきたい一冊です。


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最後はなぜかうまくいくイタリア人 イタリア人に学ぶ、心軽やかに生きるヒント・・・好きなことだけ楽しみ、嫌いなことは先延ばし

2023年11月01日 | 本と雑誌

長引く経済停滞、円安も加わり、この国のGDPはドイツに抜かれて世界4位に転落・・・というニュースが出ていました。

平均賃金もお隣の韓国に抜かれ、先進国と呼ぶには少し難しいポジションになってきました。

少子高齢化が進み人口減少、イノベーションも起きない、円安の進展・・・これからの日本経済は更に厳しい状況になっていくのだと思います。

一人当たりのGDPもイタリアぐらいになりました。

でも、そのイタリア・・・ラテン的で、自由奔放、デザイン力、ハイブランド・・・苦虫をかみつぶしたよう表情で生きる日本人、貧乏でも笑顔で生きるイタリア人・・・国民性の違いでしょうか?

BSを見ていると、イタリアの片田舎で老夫婦が屋外にテーブルを出し、わずかなチーズとパン、そして赤ワインを楽しみながら談笑している光景がオンエアされていました。

決して裕福ではありませんが、そこには幸福が満ち溢れていました。

日本人には決して出来ない人生の楽しみ方だと思った次第です。

最後はなぜかうまくいくイタリア人

宮崎勲著  日経ビジネス人文庫 750円+税

 

同書は、広島の紀伊國屋書店、丸善で大量に平積みされている一冊。

人気があるんですかねえ。

サブコピーの「イタリア人に学ぶ、心軽やかに生きるヒント」も気になり、購入しました。

著者は、イタリアのワインや食を専門とする執筆家。

ローマの新聞社を皮切りに35年以上、イタリアと日本を行き来している方です。

同書では、著者がイタリアで体験した様々な出来事をベースに、ちょっと辛口にイタリア人を語っています。

 

目次

1 仕事 ルーズなのになぜか結果の出る秘密

2 人生 好きなことだけ楽しみ、嫌いなことは先延ばし

3 家族と恋愛 対人関係を支配する、義理、絆、コネ

4 食事 食卓でのふるまいは、商談以上に難しい

5 独断と偏見で考えるイタリア

 

イタリアという国が統一して、わずか154年であること、地域によって文化や価値観が全然違うこと・・・新たに知ったことがたくさんありました。

面白かったのが、最終章にある「不思議の国イタリアの、あるある行動」。

思わず笑ってしまいました。

 

あるある1 国民意識を持つのはサッカー観戦の時だけ

あるある2 列は絶対に作らない

あるある3 レジを待つ最中に商品を食べ始める

あるある4 夜でもサングラスをかける

あるある5 雨が降ると、元気をなくす

 

時間にルーズ、食卓へのこだわり、家族第一、好きなことだけ楽しむ、コネ社会・・・イタリアの国民性に少し嫉妬します。

日本も、もう少しスローダウンしても良いような気がします(笑)。

 

同書でアンダーラインを引いたところを少し紹介させていただきます。

イタリア人気質が、うまく表現されています。

 

アポの時間は努力目標と考える

仕事とプライベートは、あえて分けない

計画はなくても、最後は何とかする

一度に2つやろうとしない

人生における「寄り道」を大切にする

 

嫌なことは、後回しでよいことにする

どんな状況でも、しぶとく楽しみを見つける

好き嫌い、美しいか醜いかで物事を判断する

短所は直さない、長所は大事にする

使えそうなコネは、とりあえず使う

日本の社会とは少し異なる風土を持つイタリアの社会。

お金がなくても楽しそうに、幸せそうに生きていける社会は、実に魅力的でした。

ラテン系の楽観的に生き方が出来るイタリア人。

努力しても、日本人の自分には出来ないんだろうなあ、と少し諦め気分です(笑)。


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月曜日が楽しみな会社にしよう!ゴールドラット博士が遺した言葉 月曜日の朝、口笛を吹きながら、スキップしながら行きたい会社

2023年10月30日 | 本と雑誌

日経ビジネス誌2023.10.30号の「有訓無訓」。

ゴールドラットジャパンCEOの岸良裕司さんが登場。

「人生を変えたゴールドラット博士との出会い 優れた経営は理論で実現できる」

なかなか面白い記事でした。

マネジメント理論「TOC」は、エリヤフ・ゴールドラット博士の発明品。

ボトルネック対策こそが飛躍的な生産性向上に結び付ける鍵になると喝破しました。

博士の著した「ザ・ゴール」は、当時世界一の技術工業力のあった日本だけには紹介したくないと翻訳されなかったという逸話があります。

 

ゴールドラットジャパン岸良CEOは、稲盛和夫さんの京セラ、政府関連を経て、TOCの論文を著したことをきっかけにゴールドラット博士からスカウトされたとのこと。

人生が大きく変わっていくというストーリーはワクワク・ドキドキさせます。

 

月曜日が楽しみな会社にしよう!

これは、ゴールドラット博士が遺した言葉だそうです。

サザエさん現象やブラックマンデーではなく、月曜日の朝、口笛を吹きながら、スキップしながら行くことの出来る会社が増えるといいですね。


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丸井・エーザイ・味の素に学べ 人的資本開示の心得 日経ビジネス誌の特集記事 ニッポンの会社に再びイノベーションを起こすチャンス!

2023年10月29日 | 本と雑誌

人的資本経営、ISO30141、健康経営・・・経営資源「ヒト」にスポットライトが当たっています。

今までは、財務諸表に人材についての開示は不要でしたが、株主やステークホルダーが欲しいのは、最大の経営資源である会社組織が囲いこんでいる「人財」。

2023年3月期から、有価証券報告書での開示がはじまりました。

米国では2020年から開示義務が課せられているため、3年以上遅れてのディスクロージャーになります。

今週号の日経ビジネス誌2023.10.30の特集記事は「丸井・エーザイ・味の素に学べ 人的資本開示の心得」。

旬のテーマです。

Contents

Part1 人的資本の見える化は世界的な潮流 横並びの日本企業 開示を起点に変革を起こせ

Part2 成長力の源泉、こう見せる 独自指標に価値

Part3 経営開示に焦点 KPI示し克服の道筋示す

Part4 上場企業だけじゃない 「見える化」「透明性」であなたの職場を快適に

 

人的資本開示アワードは、日経ビジネス誌が始めた専門家による賞。

人的資本投資、企業価値、経営戦略、ダイバーシティ、エンゲージメントなどの視点から審査を行ったということです。

 

全体表彰

金賞 丸井グループ・・・挑戦と失敗の価値 数字で明確に示す 店舗より人への投資効率高い

銀賞 エーザイ・・・豊富なデータで人財の投資効率示す 定量的に開示

銅賞 味の素・・・施策の成果を「働きがい」で可視化 エンゲージメントと業績の相関関係

 

開示された情報が納得を得るためには、客観性、定量化、数字、ファクト、ロジックが必要です。

受賞した各社ともに、その要件を満たしており、社員に対してもストーリーを持って語れる内容になっています。

その際、その会社らしさは、KPIに出ています。

「LTV(ライフタイムバリュー)」、「オフィス年間平均出社率(伊藤忠)」、「依願退職率(東京ガス)」「健康年齢(小野薬品)」、「奈良県GDP(南都銀行)」、「成長対話満足度(三菱商事)」「中核人材のグループ他社経験比率(東洋製缶)」・・・。

面白いですね。

 

女性エンパワーメント部門では、双日、丸井グループ。

デジタル部門では、リコーと帝人。

育成部門では、日清食品、ディスコ。

サクセッション部門では、三井化学と味の素。

インパクト部門では、エーザイとオムロンがそれぞれ受賞しています。

まだ義務化はされていないものの、中堅企業、中小企業でも人的資本開示を活用すれば、メリットを享受することが出来ると思います。

コミットメント、モチベーションの向上、リテンション対策、そして何よりも学生求職者へのアピールです。

単に女性管理職比率や離職率といった定番メニューだけではなく、自社独自の指標を作っても面白いと思います。

 

新人から一人前になるまでの平均年数

年間の研修時間

管理職に昇進するまでの平均年数

イクメン休職率

年次有給休暇取得率・・・

 

今まで、BS(貸借対照表)、PL(損益計算書)、CS(キャッシュフロー計算書)などの財務諸表には出てこなかった人財。

上場企業では、会社組織が抱え込んでいる人財を有価証券報告書に記載しなければならない時代になりました。

これを機に、ニッポンの会社に再びイノベーションを起こすチャンスにしていかなければならないと思います。


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だから、会社が倒産する 危ない会社は受付で分かる・・・経営コンサルタント小宮一慶さんの新刊

2023年10月25日 | 本と雑誌

日本の企業のうち約10%がゾンビ企業だと言われています。

世界一と言われる中小企業政策が、つぶれるはずの会社を延命させているのです。

 

経営コンサルタント小宮一慶さん著の新刊が発刊されました。

中小企業向けの経営の原理原則がまとめられた一冊です。

ドラッカー、一倉定、稲盛和夫、松下幸之助など経営の神様と言われた先人の言葉を引用しつつ、著者の自説を展開していきます。

だから、会社が倒産する 

小宮一慶著  PHPビジネス文庫  850円+税

 

著者の指摘する経営の根幹は、QPS。

Q「品質」クオリティ、P「価格」プライス、S「サービス」です。

お客さま第一で、最高の品質の商品、サービスを、適正な価格で提供する、同時にお客さまの感動を呼ぶサービスを提供することで会社は強くなると指摘します。

さらに、女性活躍や会社内の掃除、お客さまアンケートの是非、朝礼など泥臭いテーマも取り上げて同書は進みます。

 

目次

第1章 「品質・価格・サービス」をアップデートできない会社は潰れる

第2章 必ずまた訪れる危機への備えはあるか

第3章 社長が「生き方」の勉強をしているか

第4章 事業承継の準備をしているか

 

著者は経営コンサルタント事務所の若いコンサルに次のように指導しているそうです。

「会社に行って何を観ればいいか分からなければ、お客さま第一の会社かどうか、外部志向かどうか見てきなさい。」

企業の存在意義は、すべて社外にある・・・ここが起点です。

当然に財務も重要。

キャッシュは月商の1.7か月分が必要、自己資本比率は10%以上なければならないと指摘します。

最終章は、少子高齢化の中、後継者をどうするか?について触れています。

成功のポイントは、財務の健全化とマネジメントチームの設置。

早いうちから後継者を巻き込んで進めよ、と助言しています。

経営や事業承継に悩んでいる社長さんに読んでいただきたい一冊です。


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