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腕時計修理専門店・トゥールビヨン店主のブログです
腕時計の修理の詳細や腕時計のトリビア、店主の個人的な趣味の話などを気の向くままに書いております。
 



先日お預かりしましたオメガ シーマスター プラネットオーシャンの修理が仕上がって戻ってきました。

こちら↓


千葉県船橋市在住Y様所有。

分解掃除、テンプ調整、パッキン交換、防水検査しております。


で、本日のテーマは“コーアクシャル”
コーアクシャルってなんじゃろな?

こちら↓
 CO-AXIALと表記してます。

コーアクシャルとは...

通常のレバー式脱進機が一枚のガンギ車と2つのツメ石なのに対し、コーアクシャル脱進機は、ガンギ車と同軸にガンギカナを有し、4つのツメ石で動きを制御してテンワを往復運動させる構造を持ちます。
ガンギもツメも2倍になり、精度とエネルギー効率を飛躍的に高める画期的な発明です。
同時にガンギ車とツメ石の接触や摩擦が少なく、注油期間も飛躍的に延ばす結果になりました。

この説明ではなんのことかサッパリわからんという方もいらっしゃるでしょうが、簡単に言うと、一番消耗の激しいパーツの負担が2分の1になったので、メンテナンス時期を延ばすことができました、ということ。

こちらがその仕組み↓


中央の銀色の歯車がガンギ。内側がガンギカナで外側がガンギ車。その下にあるのがアンクルで、ピンク色がツメ石。


コーアクシャルは1974年にイギリス人時計師のジョージ・ダニエル氏が考案。その後20年以上どのブランドも商用化できなかったのですが、1999年にオメガが開発に成功し、発表となりました。

当時は「ガンギ車に注油の必要がないなんて、そんな馬鹿なことはないよ」とペプシNEXのCMの妻夫木聡のように思いました。

Y様、非常に良い時計なので、大事にお使い下さいませ。


ここ最近、ブログの内容が硬くてつまらんね。明日は休みですが、木曜日は何か傑作な笑い話をご用意したいと思う腕時計修理専門店トゥールビヨン店主。
つまらん!お前のブログはつまらん!(大滝秀治風) がんばります。

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