腕時計修理専門店・トゥールビヨン店主のブログです
腕時計の修理の詳細や腕時計のトリビア、店主の個人的な趣味の話などを気の向くままに書いております。
 



明日、魔が差して自宅のパソコンから更新しない限り、今日が2007年の最後のブログになります。

今年も多くの方々に大変お世話になりました。
来年も何卒宜しくお願い致します。

 

ここ最近当ブログに登場する機会がない店主の母親が書きました。
書道の先生をしております。
今日帰りに表のシャッターに貼って帰ります。


去年のこの時期のブログにも書いた記憶がありますが、「あけおめ」とか「ことよろ」などと略さず、年始のご挨拶くらいきちんとしてほしいもんです。
誰が最初にこんなバカげた略語を言ったのか?

だいたい「KY」だってそうです。
“空気が読める”でも「KY」でしょ。
最後の“る”と“ない”の違いだけだっての。

何をグチグチ言ってるのか自分でもよくわからないが...

アメリカTVドラマの『LOST』シーズン3のTVCMで「KY」を“今年も宜しく”って言われたのにはまいった。
やられたね。うまい!
CMプランナーさんかコピーライターさんが考えたのでしょうが、座布団3枚あげます。

んなことはどうでもいいのですが、
来年2008年も皆様にとって素晴らしい一年でありますように、心よりお祈り申し上げます。


では、年明け1月5日にまたお逢いできることを楽しみにしています。
沢山のネタ持ってきます。
餅食べ過ぎないように気を付けます。
寝正月にならないように注意します。



元日に京都の神社へお参りに行く予定の時計修理専門店トゥールビヨン店主

       

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らしいです。

年末年始の天候。

昨日も今日も車で通勤。せっかく自転車買ったのに、なかなか出番がない。


2007年も残すところあと3日。

トゥールビヨンは31日(月)から正月休みを取らせていただきますので、営業は今日と明日の2日間。今年最後の土日です。

年末年始のご挨拶は明日させていただくということで、それにしても今年も一年がアッと言う間に終わってしまいました。

70日くらいしかなかったのでは?本当に365日もあったのかってな感じです。

しかし振り返って2007年を思い起こすと、BIGな出来事もありました。
F1モナコGPで惜しくも表彰台は逃しましたがポイントは取れましたし、全英OPENでは30位以内に入ったので来年のシード権を獲得しました。
初のエッセイ集が100万部にはちょっと届かなかったけど85万部を突破しましたし、シングルカットされた曲がオリコン6週連続1位になりました。
M-1グランプリでは準々決勝まで進みましたし、紅白の司会の話も来ました。
司会は断りましたがね(笑)





誰だ! お前は!?


一番の出来事は仕事場の近くに引越ししたことでした。すみません。
仕事は一昨年と大して変わってないのですが、生活環境が大きく変わりました。

来年は更に劇的に変化することをちょっぴり(?)期待したいです。


今日は特に広げる話題もないので、修理品のご紹介に移りたいと思います。

まずこちら↓
 オメガ シーマスター プロフェッショナル クロノグラフ 自動巻 300m防水

石川県小松市在住のD様所有。
リュウズ交換、巻き真交換、パッキン交換、防水検査しました。

リュウズ不良ですと、せっかくの防水機能が全く効いていないことになります。
水回りでご使用の際は、リュウズ、プッシュボタン、ヘリウムエスケイプバルブが全てしっかりとねじ込まれているかご確認下さい。
お風呂や温泉で使うのは絶対ダメですよ。

続いてこちら↓
 ROLEX デイトナ Ref.16520 自動巻

大阪府八尾市在住のG様所有。
分解掃除、干支(文字盤)交換、剣(針)交換、巻上車交換、ゼンマイ交換、パッキン交換、防水検査しました。

来ました!デイトナ!
年末に相応しい素晴らしい時計。

お持込みいただいた時は干支が白だったのですが、別に黒色を持っておられて、白から黒への交換もご依頼いただきました。

こちらがその白盤↓


裏側↓
 滅多に見れない裏側のカット。しっかりROLEXと刻印が入ってます。

現行のデイトナは2000年より自社開発のムーブメントCal.4130になってますが、G様のデイトナはその一つ前のゼニス社のエル・プリメロを改良したCal.4030を搭載した名機。
もちろんCal.4030のデイトナは生産完了しておりますので、今後益々プレミア度がUPすること間違いなしです。

当然のごとく白文字盤もいいのですが、やっぱりスポーツ系は黒文字盤がキリッと引き締まる感じがしますね。

皆様大事にお使い下さいませ。


来年こそは、来年こそは...腕時計修理専門店トゥールビヨン店主。
気象予報士の資格でも取るか!(←かなり難しいらしい)

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本日は、時々当ブログにコメントを頂いておりますTetsuya様からのご依頼で、ROLEXの固有番号(通し番号、製造番号)の読み方と製造年を解説したいと思います。

何だか本格的な腕時計ブログになっちゃって申し訳ない(?)のですが...
今日は笑い無しです。覚悟してください。


久々に復活!“ROLEXの秘密”の15回目!


まず、ROLEXを購入したら必ず付いてくる国際保証書(ギャランティカード)にそのROLEXの型番(リファレンスNO.)と固有番号(シリアルNO.)が記載されています。

これ↓
 

一昔前のギャランティですが、P121606とパンチングされています。このROLEXは“P品番”ってことですね。

もしギャランティがない、という場合は、時計の6時側のブレスを外すと、ケース(本体)の側面に刻印されています。
ここに刻印がないと...今年の漢字『偽』という可能性があります。ほぼ間違いないでしょう。

で、初期のROLEXの固有番号は数字のみ6桁で、その後1955年から7桁になり、1987年からは6桁の数字の前にアルファベットが一文字付いた形で表記されるようになりました。

一部、というかかなり不可解なところがありますが、そこはROLEX。


謎です。 解りません。

一定の法則ではないところがROLEXの秘密たる所以。
何故?という疑問は抱かないで下さい。

何故?それはROLEXだから...


では、こちらがその一覧↓

固有番号    製造年代
738700    1951
808300    1952
868900    1953
934000    1954
1012000   1955
1090000   1956
1168000   1957
1246000   1958
1324000   1959
1402000   1960
1480000   1961
1558000   1962
1636000   1963
1714000   1964
1792000   1965
1871000   1966
2163900   1967
2426800   1968
2689700   1969
2952600   1970
3215500   1971
3478400   1972
3741300   1973
4004200   1974
4267100   1975
4538000   1976
5008000   1977
5482000   1978
5958000   1979
6434000   1980
6910000   1981
7386000   1982
7862000   1983
8338000   1984
8614000   1985
9290000   1986
9766000   1987
9999999   1987
R000000   1987
R999999   1988
L000000   1988
L999999   1990
E000000   1990
E999999   1991
X000000   1991
N000001   1991
C000001   1992
S000001   1993
W000001   1994
W999999   1995
T000001   1996
T999999   1996
U000001   1997
U999999   1998
A000001   1999
A999999   2000
P000001   2000
P999999   2001
K000001   2001
K999999   2002
Y000001   2002
Y999999   2003
F000001   2003
F999999   2005
D000001   2005
D999999   2005
Z000001   2006
Z999999   2006
M000001   2007
M999999   2007


ふひ~、かなり疲れた。

だいたいこんな感じです。完璧に正確か?と問われると困りますが...
ファジー(←死語?)でお願いします。


1987年のR品番からタテにローマ字を追いかけるとRLEXNCSWT...となります。

これはROLEX INC SWITZERLAND となり、ローマ字の“O”と“I”は数字の“ゼロ”と“1”と混同するため避けられたと思われます。

が、この法則も途中からプッツリと途切れてしまい、1997年からは全く先が読めなくなりました。当時店頭販売員だった店主は、次のシリアルのローマ字が何になるか賭けをしたもんです。

恐らく、Tの次にZが来てしまうと、その次はA、Dという具合に、良からぬ集団に解ってしまって、先にコピー品を製造されるのを避けたのではないか。

深読みしすぎですかね。
意外とサイコロか何か振って適当に付けてたりして。(笑)


Tetsuya様、こんな感じでよろしいでしょうか?

自分と同じ歳のROLEXを購入する、もしくは一番大事な人と同じ歳のROLEXをさりげなくその相手にプレゼントする...

おっしゃれ~(笑)
そんなことされたら株価が一気にストップ高ですよ!(笑)

ま、70~80歳の方にプレゼントするとなると、見つけるのは不可能でしょうが...


1967年製のをプレゼントして欲しい腕時計修理専門店トゥールビヨン店主。
大事にしますから。

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本日のブログタイトル、1978年リリースのQueen『Jazz』より“Bicycle Race”から引用しました。


そう、私、ついに昨日...



購入しました!




自転車

一日遅いクリスマスプレゼント\(^^)/ やったね!
自分に。(TT)

これ↓
 SAAB

前から↓


今朝、早速家から乗ってきました。
所要時間約15分


オシリが痛い。(^^;)

そのうち慣れるでしょう。


昨日、大阪市内のちょっとお洒落な輸入自転車専門店へ行き、色々物色した結果、上のサーブに決めました。
シボレーやハマー、ローバー、キャデラックなど展示してましたが、このサーブの骨太なところに惹かれました。

頑丈そうです。

元々前カゴが付いていないのですが、20代半ばの男性店員さんに

「カゴは付けれますか?」と尋ねたら

店員さん「この自転車にカゴを付けるとママチャリみたいになっちゃいますよ~(笑)」

と言われ、カゴがないと食材などを買って帰ったとき不便だなぁ、どうしようかなぁ、と一瞬躊躇したのですが、次の店員さんの一言が決定打になりました。



「でも、無敵のママチャリです!8段変速機付きなのでそんじょそこらのママチャリは軽くブッチギリますよ!」


決めた!

“無敵のママチャリ”という一言で。(笑)

うまいこと言うなぁ。
一回落としておいてからのキメ台詞。シュミレーションしてたのか?(笑)

前カゴの在庫が切れているので、カゴは後日取り付けてもらうことになりました。


しかし冬でも汗かきます。
寒いからイヤだと思っていたが、こりゃ夏の方がキツイかも。

なかなか適度な良い運動になります。
特に座り仕事だから、足腰鍛えるのに丁度良い。

何事もまずは格好(形)から入る傾向にあるので、全身ピチピチのスーツ(モジモジ君のような)に流線型のヘルメット、オークリーの偏光サングラス姿になってるかも(笑)
ノリさんのように見栄張って前の部分をことさらモッコリさせようか(笑)


では、本日の修理品のご紹介。
まずはこちら↓
 GEO.C.SHREVE & Co. 懐中時計 手巻き

兵庫県宝塚市在住のY様所有。
分解掃除、ガラス交換しました。

以前もキングセイコー、ハワードの懐中時計の修理をご依頼いただきまして、今回が3回目。いつもありがとうございます。

この懐中時計もなかなか珍しい。
こちらが蓋を閉めた状態↓
 綺麗な装飾(彫り)が施されています。

そしてお次がこちら↓
 ブルガリ ブルガリブルガリ BB26SS/12 クォーツ

埼玉県朝霞市在住のW様所有。
分解掃除、針交換、電池交換、パッキン交換、防水検査、ケース研磨しました。

12ポイントのダイヤ入りのブルガリブルガリです。
高級感漂います。

皆様大事にお使い下さいませ。


サーブ盗んだら“七年殺し”(トイレット博士)の刑に処すつもりの腕時計修理専門店トゥールビヨン店主。
「天怒りて非道を断つ!臨、兵、闘、者、皆、陳、烈、在、前、必殺七年ゴロシ~!」 ←知ってる?
すでにちょっと太ももが筋肉痛気味なんですが、何か?

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え~、本日12月25日はクリスマスということで、関西圏以外にお住まいの方に関西の、特に大阪での正式なクリスマスの祝い方をお教えしたいと思います。


まず、生地を作ります。
小麦粉を水またはカツオ・昆布出汁でダマにならないよう溶き8時間程度寝かせます。(水の分量は粉と同じ重量をおおむねの目安とする)

鶏卵と山芋をすり下ろしたものを生地に適量加えます。
キャベツを気持ち1cm幅で切り、その塊を生地の中に少し溢れる程度入れ、サックリとかき混ぜます。

油を引き、よく熱した鉄板の上に円盤状に広げます。(直径は約25cm、厚み2.5cm程度)

その上に豚肉の薄切り肉を並べるように多めにのせます。

裏面がこんがりと焼けてきたら、専用の大型のコテ(ヘラ)2本でひっくり返し反対側の面を焼きます。(ひっくり返す際、破れたり飛び散ったりしないよう注意する)

両面がキツネ色に焼けてきたら火を弱め表側の面にたっぷりソースをぬります。

鰹節・青海苔を全面にふりかけます。

コテで縦横に切り完成。
※コテはテコと呼ぶこともあります。正式名称は「起こし金」

あとは焼き上がれば、鉄板の上でお好みのサイズに自分で切って食べる。豚肉の代わりにイカをのせれば「イカ玉」になる。具材はこのほか海老、牛肉、ホタテの貝柱などもあり、これらをミックスしたものもある。火の通りにくい食材を入れる場合、別に具材だけを鉄板で軽く焼いておくとよい。近年は表面に好みに応じてマヨネーズをかける。


そしてローソクを用意します。

出来上がった“もの”にローソクを刺して着火。

部屋の照明を落として...


はい、完成。↓
 クリスマスなので特別にモダン焼きにしました。

UPで↓
 メリークリスマス!

これが大阪の聖誕祭。

大阪へ嫁いできた女性は必ずこのように正式な形でクリスマスを迎えていただきたい。
これを忘れて、西洋の焼き菓子の上に生クリームやイチゴが乗ったわけのわからない食べ物なんぞを出してきたら、姑や小姑から罵声を浴びせられますのでご注意を。

大人はシャンパンやワインで、子供は...“子供の飲み物”で乾杯。
鰹節がユラユラ揺れているうちに召し上がれ。

お口に合いますでしょうか?


次に広島のクリスマスの祝い方ですが、まず小麦粉に適量の重曹を混ぜたものを同重量以上のダシで溶いて冷蔵庫で3時間以上...


もういい?

ああそうですか。

年末年始に嫌な思いをしても知~らな~いよ~っと。


“粉もん”大好き!腕時計修理専門店トゥールビヨン店主。
この時期、牡蠣入れたら美味いでっせ~。
「花に水、人に愛、料理は心や~!」(神田川俊郎談)

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“綺麗にラッピングされたプレゼントでも、貰ったその場で豪快にラッピングをバリバリと破いて中身を確認し、少し大げさに喜びを表現する”

ってのが、正しいプレゼントの開け方です。 

ラッピングも解かず、ソソクサとカバンにしまったり、「後で開けるから」などと言っては失礼ですし、渡した方はガッカリします。

また、包装紙が綺麗だからといって、セロハンテープをゆっくり剥がし、包装紙やリボンを後生大事に取っておくのも貧乏臭い。
うちの母親がそうですけど、お宅のお母さんもきっとそうでしょう。
確実に使い回ししようとしているのがバレバレ。しかもそんな凝ったラッピングの贈り物をする機会がないもんだから包装紙だけがムダに貯まる。

豪快に破るのが基本。


しかし、ことクリスマスプレゼントとなるとちょっと事情が変わってくるようで、欧米などでは数日もしくは数週間前からリビングに飾っているクリスマスツリーの下に「チョメチョメちゃんへ  ママより」や「ナニガシ君へ  パパより」とラッピングしたプレゼントの表に書いて置いておくのが基本。もちろん一人っ子の場合は宛名を書く必要なし。「パパより」「ママより」「おじいちゃんより」でOK。

直前まで押入れや下駄箱に隠しておくなんてのはご法度。
そして親はバレていないと思っているでしょうが、子供はどこに隠しているか確実に知っています。

子供はツリーの下に置かれた大小さまざまな箱をクリスマス当日(24日の夜か25日の朝)が来るまでソワソワしながら待つわけです。
「僕のよりお姉ちゃんの方が大きい!」とか「パパのプレゼント軽~い!」などと言いながら。

しかし、その掟を破ったヤツが店主の身近にいました!

こやつ(笑)↓
 貴大(たかひろ)1歳8ヶ月

22日に母親から「箱が力尽きた、クリスマスまで粘ろうと思ったが、今日ついに箱が破れた」と写メールが届きました。


本人の“してやったり顔”を見て仕方がないと思った腕時計修理専門店トゥールビヨン店主。
Have a happy Christmas to you all ! xx

ここでプチ中国語トリビアを一つ

中国では置き時計を人に贈るのは縁起が悪いとされています。
『送鐘』で「(置き)時計を贈る」という意味ですが、同じ発音、アクセントで『送終』というのがあり、「出棺を見送る」という意味になってしまうからです。
気をつけて。
腕時計ならOKよ。腕時計は『錶』と書きます。

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確か1998年だったか...
丁度年末のこの時期、街にクリスマスソングが流れる頃...

私は以前勤めていた会社で大阪ミナミの繁華街“戎橋商店街”にある(あった)時計専門店に勤務していました。
店は3階建てで、1階がファッションウォッチと置き掛け時計、2階が国産腕時計、3階が海外ブランド腕時計売り場になっていて、私は3階にいました。

私は夕方ちょっと手が空いたので、店の通用階段から1階へ降りて外の自動販売機で缶ジュースを買って店の外で飲んでいました。

その日は雨降りでした。

すると、突然店の正面入り口からスーツ姿の中年のサラリーマンが飛び出してきて、商店街の雑踏の中に走り去って行きました。
間髪入れず1階の従業員男性2人がそのサラリーマンを追いかけます。

万引き!?

慌てて缶ジュースを放り出し、私も後を追いかけます。
暫く商店街を走ると数十メートル先から両腕を従業員に抱えられたサラリーマンが戻ってくるのが見えました。

とりあえず店1階の搬入口(バックヤード)へ連れて行き、捕まえた従業員の1人のKさん(仮に菊地さんと呼びます)は「警察へ連絡してくる」と言って店内に。
私とMさん(仮に松岡さんと呼びます)が搬入口に残ることになりました。

まだ追いかけた直後だったので、息の荒い松岡さんはサラリーマンに「おっちゃん、逃げたらアカンわ。逃げたら警察に連絡せなあかんし」とハアハア肩で息をしながら言います。

そのサラリーマンは見た感じ40代後半から50半ば位の年齢で、3ピースのスーツにトレンチコート、手には大きな紙袋と黒いセカンドバッグを持っていました。
スーツもみすぼらしいものではなく、大手の会社の部長のようないでたち。

「かんにんして!かんにんして!」とサラリーマンもハアハア言いながら懇願します。

どうやら2階の国産腕時計コーナーで、ガラスケースの上に陳列していた1~2万の腕時計を紙袋に入れて出ようとしていたようで、2階の階段と1階の階段にそれぞれ設置している防犯ゲートに反応したらしい。

松岡さんは「逃げへんかったら見逃したかもしれへんけど、店の外へ走って出たからなぁ」と言いながらポケットからタバコを取り出して一服しました。

サラリーマンは「警察だけは勘弁してください!」と言いながら、黒いセカンドバッグをたぐり寄せ、中をゴソゴソしました。
「かんにんして、かんにんして...」

私は、この人もタバコ吸うのかな、と思っていると、サラリーマンは15cmほどの木の棒をバッグから出してきました。

何!?と思った瞬間、その棒からパカッと銀色に光る物を引き出したのです。

  <折りたたみナイフ>


え!?

私は「ナイフ出した!」と大声で叫びました。

サラリーマンは松岡さんの方へ向かって突進していきました。
松岡さんは後退しながら地下へ通ずる階段を降りていきました。
店の地下には喫茶店があり、バックヤードの地下は厨房になっています。

途中まで追いかけたサラリーマンは松岡さんを追いかけるのをやめ、クルリとこちらに向き直りました。
そして刃渡り15cmほどのナイフをビュンビュン振り回して近づいてきました。

サラリーマンの目は完全に瞳孔が開いていて、焦点が定まっていません。
目の前数十センチ先をナイフが行ったり来たりします。

「わあぁあぁあぁ~~~!」と後ずさりして外に繋がる搬入口のドアに背中が当たりました。

腰が抜けるというのはこのことか。
体が言うことをききません。

搬入口の鉄製のドアには2箇所のカギが付いています。45度に捻るとガチャンと開くタイプ。
後ろ手でカギをまさぐりますが、ドアにもたれかかっている状態なのでなかなかカギが回らない。

サラリーマンとの距離がどんどん縮まります。

これは刺される! と思った瞬間、ガチャンとカギが開いて私は後ろへ倒れるように店の外へ出ました。

するとサラリーマンはまたクルリと反対を向き、再び松岡さんの方へ向かいました。

私は心の中で「松岡さん...ごめん」と言いながら搬入口のドアを閉めました。

暫くの間(10秒か15秒だったと思う)ドアを外から押えていたが、ふと我に返り「松岡さんはどうなった!?」と恐る恐るドアを開けると、ちょうどサラリーマンがバックヤードから店内に通ずるドアを開け、店内へ向かうところでした。

手にはまだナイフを握り締めています。

私は慌てて店の外を回って店の正面入り口へ行きました。

店内では先ほど警察へ連絡しに行った菊地さんとサラリーマンがもみ合っていました。

菊地さんは「おっちゃん、出てきたらアカンがな~。もうすぐ警察来るから~」とのんきに話しかけています。

「菊地さん!そのおっさん、ナイフ持ってる!」と叫ぶと、菊地さんは「え?何?」とサラリーマンから離れます。

すると床に血の跡が!

サラリーマンは無言で店内を横切り、店の出入り口の方へ...
私のいる方へ向かって来るではありませんか!

サラリーマンは再び私を追いかけてきました。

私は走って御堂筋の方へ行きました。正面に新歌舞伎座が見えます。
私は御堂筋を南(なんば高島屋方面)へ曲がります。

するとサラリーマンは御堂筋の地下鉄へ降りる階段を駆け下りて行きました。

その後、警察官の吹く警笛が「ピー!ピー!」と複数聞こえ、警察官が数名階段を降りて追いかけていきます。

警察官の姿を見た私は心強くなったのか、その後を追って階段を降りました。
地下のコンコースは帰宅時間も重なってかなりの混雑です。

床には血の跡が点々と付いていました。
数メートル先で警笛がピーピー鳴っています。

どうやらサラリーマンは御堂筋の反対側へ上がって、歌舞伎座の裏手へ逃げ込んだようです。
外は雨足が強くなっていて、血痕は見当たりません。

そこで私はハッと思い出しました。


「松岡さん!」

ひょっとしてこの血は松岡さんのものではないのか!?
亡くなっていたらどうしよう!

慌てて店に戻りました。
するとすでに救急車が来ていたようで、松岡さんは緊急搬送されていました。

もうだめなのか...


無傷だった菊地さんに松岡さんの容態を聞くと床の血をモップで拭きながら
「あぁ、松岡君は指をちょっと切ったらしいよ~」と相変わらずのんきな返事。

良かった。命に別状はなかったようだ。

数時間後病院から帰ってきた松岡さんに話を聞くと「ヨッシー(私)...ごめん」と思いながら地下へ向かう階段を降りていったそうな。

階段を降りる前、サラリーマンのナイフが松岡さんの指をかすめたらしい。

更に詳しい状況が解り、どうやら店や地下のコンコースに残っていた血痕はサラリーマンが自ら自分の腕を切った血だったようだ。


それから年末までの数日間、逃げたサラリーマンの行方はまだ解っておらず、店長代行のSさん(仮に坂野さんと呼びます)から「帰りにあのオッサンに待ち伏せされてるんとちゃいますか~(笑)」などと冷やかされましたが、正直ビクビクものでした。


年が明け、春の日差しが強くなってそろそろ夏服になろうかとしていた頃、店に一本の電話が掛かってきました。

「山口県警の者ですが、うちの所轄内のスーパーで万引き犯を捕まえたのですが、取調べ中に余罪を追及したところ、去年の年末に大阪の繁華街の時計店で万引きをして、従業員にケガをさせたと自白しているんですが、そちらで間違いないでしょうか?」

!?

なんとサラリーマンは山口県まで逃げていたらしい。
スーパーで巻き寿司を万引きして捕まったそうな。



犯人に告ぐ

逃げたらいかんよ!逃げたら!(松岡談)


長い文章、最後まで読んでいただいてありがとうございました。細部にわたり全て実話です。
腕時計修理専門店トゥールビヨン店主。

ちなみに登場人物の名前も全て実名です。(笑)

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今朝、恐る恐る店のパソコン立ち上げたら、何事もなかったかのように正常に作動しているようです。
IEもOEも問題なし。あぁ、良かった~。


先日、インターネットで“ガンダム検定”なるものを試してみました。
こんなの↓


まずは初級の連邦編から

結果↓
 簡単です。

ほら↓
 一発クリア

ガンダム世代のド真ん中ですから。伊達にリアルタイムで見てないよ~。

調子に乗ってジオン軍編も

結果↓
 こちらも一発クリア

「ん!?」と考えたのが1問だけありましたが、大丈夫。
まぁ、初級編ですからねぇ。

続いて中級の連邦軍編に挑戦

結果↓


5問中2問しか正解しなかった(><) ぎゃふん

やめた。


いろんな検定サイトがあるようなので、“親父にもぶたれたことない”という方は是非トライしてみてください。(笑)


では、本日の修理品のご紹介。
まずはこちら↓
 ROLEX オイスターデイト Ref.6694 自動巻

大阪市西区在住のY様所有。
リュウズ交換、ケースパイプ交換、パッキン交換、防水検査しました。
奥様のROLEXと一緒にご依頼いただきました。
なかなか年代物ですね。製造番号から1950年代前半ではないかと思われます。

続いてこちら↓
 ROLEX デイトジャスト Ref.16234G

東大阪市在住のO様所有。
分解掃除、ゼンマイ交換、3番車交換、香箱真交換、バネ棒交換、リュウズ直し、パッキン交換、防水検査しました。

O様のROLEXは比較的新しいもの。1993年製造です。それでも14年ですけど。

一つの物(道具)を20年も30年も使うってなかなかないですよね。冷蔵庫やテレビ、洗濯機も10年以上使用しているとガタが来るし、日進月歩で新製品が出る。

しかし、ROLEXなど一流ブランド(メーカー)のものは、殆んどデザインやスタイルの変更はありません。(細かいところの変更はありますよ)

それなりの物を2~3年使って、嫌気が差し、使わなくなって新しいものを買う。
それもいいですが、上のY様のROLEXのように50年以上使い続けられるって素晴らしいと思います。
もちろん定期的なメンテナンスは不可欠ですよ。

皆様大事にお使い下さいませ。


フラミンゴの群をビデオ撮影したのは誰だ~~~?
DVDを見直すことにする腕時計修理専門店トゥールビヨン店主。


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昨日「ウイルスバスターの更新期限が迫っています」とメーカーからメールが届きました。

ウイルスバスター2007から2008にアップデート。
必要なメモリーも少なく、動作も快適に...ということだったので無料アップデートしました。
簡単にダウンロードできて、最新版になったので、嬉しくて設定を色々イジくりました。

セキュリティレベル 

フィッシング詐欺対策レベル 

とにかく最強レベルに設定して帰ったのですが、今朝出勤していつものようにPCを立ち上げ、メールチェックしたら...


エラー表示


インターネットもサーバーが見つかりません



プロバイダのソネットへ電話したら、回線、ホスト、設定に異常はないとのこと。
マイクロ・トレンド(ウイルスバスターの会社)へ電話をしたら、やはりウイルス対策ソフトの設定にムリがあったようです。(^^;)

簡単なアドバイスでインターネットはすぐに復旧しました。

が、アウトルックが送受信できないまま。

ウイルス対策ソフトの設定に問題がないので、もう一度プロバイダへ電話するように助言をもらって、再びソネットへTEL。


ツール→アカウント→メールタブ→プロパティ→サーバータブ→セキュリティ~~のチェックを外す

で問題解決。


何が何だかサッパリ解らないが、とにかく受信しました。

良かった良かった。


ソネットのカスタマーセンターの方にお礼を言って電話を切り、届いた数件のメールの返事を書いて送信...


送信しないじゃないの!?  ゲロゲロ(><)

また電話しないといけない。


とりあえず本日のブログを先に仕上げてからと思い、今これ(ブログ)を作成中。



本日の教訓:PCは(わからないくせに)適当に設定を変えるべからず。


オペレーターの方のテキパキとした対応に感嘆した腕時計修理専門店トゥールビヨン店主。
迷惑メールが悪い!
さ、またソネットへ電話電話

しかし、メールやインターネットが遮断されると、外部との交信が断たれたようで心細い。パソコン依存症か!?

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とうとうクリスマスまで1週間を切ってしまいました。

昨日、うちの店の2階のベビーザらスさんで従兄妹(デュバル君)の子供(貴大君)にプレゼントを買い、早速持って行きました。
1歳8ヶ月。
ちょっと見ない間に色んな芸ができるようになっててビックリです。

お店でラッピングしてもらってたのに、「あ~け~て! あ~け~て!」と何度もせがまれるので、包み(包装紙ではなく袋)を解くと中身にはあまり興味を示さないようです(><)(笑)
解ってるのか解ってないのか微妙な年齢。

あ!また写真撮るの忘れた! ンガググ(**)


家に帰って『グータン・ヌーヴォー』見てたら、フィギアスケートの荒川静香さんが出てましたね。

腕時計、一発で判りました。

これ↓


どこのブランドだか判りますか?


ショパールハッピースポーツです。
こちら↓
 定価703500円也!

超高級ブランドです。

流石、クールビューティーの金メダリストに相応しいエレガントな時計。

店主も納得。

このハッピーシリーズは文字盤とガラスの間にダイヤモンドが挟まっていて、文字盤上をコマのようにクルクル回転するのが一番の特徴。
氷上でのスピンを意識してのチョイスか? グッチョイです荒川さん!


クリスマスプレゼントに腕時計を貰う人多いでしょう。クリスマスが過ぎると金属ブレスのサイズ調整の依頼が増えます。


いいね!貰って!

全然羨ましくない!

ちっとも羨ましくない!

羨ましく...






羨ましい。

サイズ調整は是非トゥールビヨンへどうぞ(TT)


「そんなの関係ねぇ!」も振り付け出来るようになっていた腕時計修理専門店トゥールビヨン店主の従兄妹の息子。
店主の母親の弟の娘の子供は店主から見て何と呼ぶのでしょう?

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