http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/Chernobyl/saigai/Burla-J.html
福島第一原発巨大放射能事故から、とうとう10年目を迎えようとしている。
日本政府は、放射能環境汚染による健康被害の影響を、人口動態統計に至るまで徹底的に改竄し、隠蔽してきた。
当初は、まさか人口動態の基礎資料まで隠蔽するはずがないと信じていたのだが、安倍政権下で、厚労省の基礎資料で、徹底した改竄隠蔽が暴露された。
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/1902/07/news010.html
これを見て、桁違いに深刻な結果を示すはずの被曝被害統計データを、あの嘘の権化のような安倍政権自民党が隠蔽しないはずがないと我々は確信したのである。
以下の資料は、1986年チェルノブイリ原発事故の後始末を強要されたソ連国民の健康被害に触れたものだが、この被曝レベルは、福島県内でも同等のものであり、リクビダートル(後始末要員)に起きた健康被害は、間違いなく福島県民に再現されていると思うしかない。
そうした健康被害のデータは、厚労省・自民党政権が徹底的に歪曲・改竄・隠蔽して被害が存在しないように見せかけているが、欺されてはいけない。
(以下、抜粋引用)
最新の研究によると,低レベル被曝は細胞に長期間継続するさまざまな変化をひき起こし,その結果細胞機能に変化をもたらすこと,そして低レベル被曝で生じるプロセスは高レベル被曝によるものとは異なっていることが明らかになっている.
低レベル被曝では,線量・効果関係,つまり被曝量の増加にともなう効果量の変化のしかたが直線型とは顕著にずれており,それゆえ,高レベル被曝で得られた結果を外挿して低レベル被曝のリスクを評価することは不適当である.
(アマ註=被曝影響が線量と直線的に比例しないことが述べられているが、国際原子力産業は、「だから低レベル被曝は影響が小さい」と説明しているのに対し、ここでは完全に逆の意味で使われている。被曝量が小さくとも、影響は想像以上に大きいという事実なのだ)
ここ数年の医学的な調査と基礎的な研究の結果は、これまで絶対的に安全だとしていた低レベル被曝に対するわれわれの考え方に変化をもたらし,また,原子力産業や放射性廃棄物埋設などの問題に関する態度にも変更をせまるものであった.
リクビダートルの健康状態に関するこれまでのデータ
(アマ註=リクビダートルとは、事故処理に強制的に動員された兵士など旧ソ連国民を指す)
チェルノブイリでの作業の後に彼らに現れた疾病でもっとも多かったのは,高血圧症(20.8%),慢性胃炎(14%),神経系失調(12.2%),虚血性心疾患(3.7%),慢性肝炎(1.8%),慢性気管支炎(1.8%),胆汁管障害(1.2%)などである.
もっとも頻繁に現れた疾病は,内分泌・神経系,心臓循環器系,消化器系,骨格筋系,男性生殖器系などの障害である.甲状腺機能の長期間観察では,調べられた人々の10%に機能変化がみられた.

アルメニア共和国保健省の放射線医学研究所では,約1100人のリクビダートルが登録され,健康状態の追跡調査が実施されている.1987-1990年の観察結果は,神経系疾患の増加傾向(1987年に31%、1990年に51%)を示している.
(アマ註=被曝被害で顕著なのはセシウム内部被曝による心筋・血管・内分泌系障害といわれてきたが、ソ連では、むしろ不可逆的な精神・神経障害の深刻さがアピールされている。日本でも、かつてなかった認知症の激増が被曝地・関東東北で起きている)
http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-1337.html
また,消化器系や呼吸器系の疾患も増加している.さらに,リクビダートルの免疫状態に規則性をもった変化が生じている.細胞の免疫力が明らかに低下しており,これにはT細胞性免疫の低下が関係している.
(アマ註=福島県被曝地では免疫機能を侵された人々が大量に出ていて、こうした人々は、新型コロナ禍においても重症化率が高いはずだが、なぜかまったく報道されない)
ウクライナの国家登録には18万人のリクビダートルが登録されている.内分泌系と免疫系の疾患が,とくに男性において毎年顕著に増加している.
1990年の男性の罹病率は,1988年に比べ3.7~7.1倍になった.血液・造血器官の疾患は,男女ともに増えていて,1990年には1988年の5倍になった.神経系と循環器系の疾患は1988年の2~3倍に増加している.
(センチグレイ=10ミリシーベルト)
全ソ地域登録データによると,リクビダートルの全罹病率は,個別の国ごとでもCIS(独立国家共同体)全体でも,統計的に有意に増加している(1.5~2倍).つぎの5つの疾患については,被曝量との相関性が認められ,被曝量30センチグレイ以上のグループの罹病率は被曝量0~5センチグレイのグループの値よりも有意に大きい.1)神経系疾患,2)精神障害,3)血液・造血器官の疾患,4)消化器系疾患,5)自律神経失調症.
しかし,最近のロシア国家放射線疫学登録のデータでは,リクビダートルや被曝住民において,さまざまな種類の病気の増加が記録されている3.
まず第1に注目されるのは,ガンが一貫して増加していることで,1990年に10万人当り151件であったものが,1991年に175件,1992年に212件(同じ年のロシア男性全体のデータをリクビダートルの年齢構成に当てはめた値は128件),1993年に233件(同140件)であった.リクビダートルのガン発生率は,ロシア全体の値に比べ1993年には65%大きかった.
(アマ註=ロシアでは、1986年の事故から7年後の1993年に、癌発症率が約2倍に増えている。当然、福島でも同じことが起きているはずだが、人口動態統計には反映されていない=捏造されているからだ)
リクビダートルの内分泌系疾患は,対照レベルに比べ18.4倍,精神障害は9.6倍,循環器系疾患は4.3倍,全疾患では1.5倍になっている.表1に示すように,リクビダートルではさまざまな病気の罹病率が増え続けている4.
これらのデータすべては,低線量照射に対する生体の反応が,線量,線量率,照射開始からの時間の関数であることを示している.
(アマ註=ロシアでは、放射能被曝によって精神障害が10倍に増えた。同じことが福島でも起きているはずだ。だが、被曝が原因で精神障害を起こしたという診断はゼロである→ もし診断すれば医師免許を剥奪するという圧力がかかっているといわれる)
これまでの結果は以下のようにまとめられる.
1)検査を行なったすべてのパラメータは,低線量において非直線的な線量・効果関係を示した.
2)低線量照射により,生体高分子,細胞,器官,生物がもっている損傷要因への感受性に変化が生じる.
3)照射後の効果は長期間継続する.
4)多くのパラメータにおいて,線量率の変化とはと逆方向の依存性がある.
5)低線量率の照射においては,膜機能の変化が放射線効果において重要な役割を果たしている.
リクビダートルの血液検査結果
リクビダートルの検査は,病気の有無とは無関係に実施されている,1992-1993年の定期検診のときに行なった.検査したリクビダートルはすべて健康であると判断されたが,彼らの多くは,検査時に,(疲れ,苛立ち,頭痛,風邪にかかりやすいといった)概してありふれたさまざまな症状を訴えた.
リクビダートルグループと対照グループの平均年齢は,それぞれ43歳と45歳でほぼ同じであった.
先に述べた染色体異常頻度と被曝量の関係に基づくと,染色体異常頻度が小さいリクビダートルグループの被曝量は小さかったと考えてよいであろう.しかし,彼らの抗酸化状態に関するパラメータの検査結果は,実質的な変化を示しており,低線量の被曝においても,脂質の抗酸化調節システムに重大で恒常的な乱れが生じている可能性を示している.
他のリクビダートルグループについても,生体の抗酸化状態に関するパラメータの解析結果から,よく似た結果が得られている.
低線量被曝集団の健康指数の線量依存性
われわれは先に,リクビダートルに観察されている,自律神経失調症,中枢神経系疾患,精神障害,胃腸系疾患などの疾患に関する線量・効果関係が,動物実験で得られる関係とよく似た傾向(単調ではなく,非直線型の線量依存性)を示すことを明らかにした1.
原発事故で被曝をうけた人々に関する一連の生化学的・血液学的検査結果もまた,複雑な線量・効果関係を示している29,30.
ここでは,健康障害の総合的な指標として,リクビダートルの1000人当り疾病障害者率に着目し,その値とかれらの被曝量あるいはチェルノブイリでの作業時期との関係を解析してみる.
リクビダートルのうち,1986年に作業に従事した人々の平均被曝量がもっとも大きく15.9センチグレイであり,1987年の作業従事者では7.9センチグレイ,1988年以降の従事者では3~4センチグレイと報告されている3.
図7 リクビダートルの疾病障害者率と被曝量の関係(作業から5年後)
センチシーベルト=ミリシーベルト×10

もっと興味深いのは,被曝にともなう晩発性の影響,すなわちガン発生に関する線量・効果関係を調べるてみることであろう.ガンや白血病の発現への低線量被曝影響の問題は,文献でも広く議論されている.放射線被曝は,ガンのプロモーター(促進要因)とインダクター(誘発要因)の両方の作用をすることがわかっている.被曝線量率と被曝量が大きくなると,(ある程度まで)プロモーターとしての作用が低下し,インダクターの作用が増加すると考えられている.
チェルノブイリ・リクビダートルのガン発生データを検討してみよう.
表6 リクビダートルのガン発生率とガン死率(10万人当り)31

このような線量・効果関係は,しばしば観察されるものの,それがガンに関する唯一の線量・効果関係である,というわけではない.多くの例では,直線的あるいは2次多項式的な線量・効果関係が認められている.
ガン発生やその死亡率の減少という現象が観察される被曝量範囲は,そのガンの種類や被曝の線量率に依存しており,場合によっては観察されない.たとえば,家屋内でラドンに被曝した人々やラドンによる線量率がさらに大きい鉱山労働者の肺ガン死データでは,直線的な線量・効果関係が認められている32,33.
多くの研究者は,被曝量とともにガン発生が増加するという関係が認められたときのみその関係性に意味がある,と考えている.
しかしながら,これまで述べてきたすべての実験結果や人集団の観察結果は,文献データを含めて,“直線的あるいは2次多項式的な線量・効果関係の存在”が,低線量被曝および低線量率被曝にともなうガンの誘発や死亡の“必要条件ではない”ことを明らかにしている.
被曝量との単調な相関性が認められないことや低線量域で最大値が観察されることは,低被曝被曝におけるガン誘発効果を否定するものではなく,むしろそのことを示すものである.
(アマ註=「被曝量との単調な相関性が認められないことや低線量域で最大値が観察される」という結論は、ICRPや原子力産業による「低線量では被曝影響が小さくなるという結論と真っ向から対立するものだ)
最後に,本研究を通じて明らかにしてきた,低線量および低線量率被曝にともなう効果の規則性は,生体や細胞代謝に放射線がおよぼす影響の研究においてまったく新しい概念であることを強調したい.
その効果の大部分は,被曝によって直接ひき起こされるものではなく,生体の免疫状態や抗酸化状態の変化,あるいは環境要因に対する感受性の変化といった,生体の調整システムを通して間接的にあらわれるものである.
リクビダートルの血液検査と動物実験とにおいて,各パラメータの変化に共通する規則性が認められたことに注目したい.線量・効果関係だけでなく,生体システム全体としての反応に関与している多くのパラメータの変化においても,低線量率被曝にともなって共通する効果がみいだされている.
****************************************************************
引用以上(抜粋)
私(東海アマ)が、わざわざ、この論文を引用した理由は、現在、IAEA/ICRPなどで主流になっている、低線量下で、被曝影響が小さくなるという「閾値論」の屁理屈が、真っ赤な嘘であることを知ってもらいたいからだ。
チェルノブイリにおける放射能障害の研究者は、口を揃えて低線量被曝こそ、もっとも危険と指摘している。
以下は日本原子力村による閾値論のデマだが、現実に原発事故による被害を検証してきた研究者は、それが嘘であることを指摘している。
https://criepi.denken.or.jp/jp/rsc/study/topics/lnt.html
実は、今日は、私の友人である葛飾のCDクリエーション鈴木氏が一貫して取り組んできた、東京都の水道水におけるセシウム被曝問題を取り上げるつもりだったのだが、アテにしていたデータが、なぜか消えているので、もう少し探してから再度アップしたい。
http://cdcreation.grupo.jp/free2639020
福島第一原発巨大放射能事故から、とうとう10年目を迎えようとしている。
日本政府は、放射能環境汚染による健康被害の影響を、人口動態統計に至るまで徹底的に改竄し、隠蔽してきた。
当初は、まさか人口動態の基礎資料まで隠蔽するはずがないと信じていたのだが、安倍政権下で、厚労省の基礎資料で、徹底した改竄隠蔽が暴露された。
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/1902/07/news010.html
これを見て、桁違いに深刻な結果を示すはずの被曝被害統計データを、あの嘘の権化のような安倍政権自民党が隠蔽しないはずがないと我々は確信したのである。
以下の資料は、1986年チェルノブイリ原発事故の後始末を強要されたソ連国民の健康被害に触れたものだが、この被曝レベルは、福島県内でも同等のものであり、リクビダートル(後始末要員)に起きた健康被害は、間違いなく福島県民に再現されていると思うしかない。
そうした健康被害のデータは、厚労省・自民党政権が徹底的に歪曲・改竄・隠蔽して被害が存在しないように見せかけているが、欺されてはいけない。
(以下、抜粋引用)
最新の研究によると,低レベル被曝は細胞に長期間継続するさまざまな変化をひき起こし,その結果細胞機能に変化をもたらすこと,そして低レベル被曝で生じるプロセスは高レベル被曝によるものとは異なっていることが明らかになっている.
低レベル被曝では,線量・効果関係,つまり被曝量の増加にともなう効果量の変化のしかたが直線型とは顕著にずれており,それゆえ,高レベル被曝で得られた結果を外挿して低レベル被曝のリスクを評価することは不適当である.
(アマ註=被曝影響が線量と直線的に比例しないことが述べられているが、国際原子力産業は、「だから低レベル被曝は影響が小さい」と説明しているのに対し、ここでは完全に逆の意味で使われている。被曝量が小さくとも、影響は想像以上に大きいという事実なのだ)
ここ数年の医学的な調査と基礎的な研究の結果は、これまで絶対的に安全だとしていた低レベル被曝に対するわれわれの考え方に変化をもたらし,また,原子力産業や放射性廃棄物埋設などの問題に関する態度にも変更をせまるものであった.
リクビダートルの健康状態に関するこれまでのデータ
(アマ註=リクビダートルとは、事故処理に強制的に動員された兵士など旧ソ連国民を指す)
チェルノブイリでの作業の後に彼らに現れた疾病でもっとも多かったのは,高血圧症(20.8%),慢性胃炎(14%),神経系失調(12.2%),虚血性心疾患(3.7%),慢性肝炎(1.8%),慢性気管支炎(1.8%),胆汁管障害(1.2%)などである.
もっとも頻繁に現れた疾病は,内分泌・神経系,心臓循環器系,消化器系,骨格筋系,男性生殖器系などの障害である.甲状腺機能の長期間観察では,調べられた人々の10%に機能変化がみられた.

アルメニア共和国保健省の放射線医学研究所では,約1100人のリクビダートルが登録され,健康状態の追跡調査が実施されている.1987-1990年の観察結果は,神経系疾患の増加傾向(1987年に31%、1990年に51%)を示している.
(アマ註=被曝被害で顕著なのはセシウム内部被曝による心筋・血管・内分泌系障害といわれてきたが、ソ連では、むしろ不可逆的な精神・神経障害の深刻さがアピールされている。日本でも、かつてなかった認知症の激増が被曝地・関東東北で起きている)
http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-1337.html
また,消化器系や呼吸器系の疾患も増加している.さらに,リクビダートルの免疫状態に規則性をもった変化が生じている.細胞の免疫力が明らかに低下しており,これにはT細胞性免疫の低下が関係している.
(アマ註=福島県被曝地では免疫機能を侵された人々が大量に出ていて、こうした人々は、新型コロナ禍においても重症化率が高いはずだが、なぜかまったく報道されない)
ウクライナの国家登録には18万人のリクビダートルが登録されている.内分泌系と免疫系の疾患が,とくに男性において毎年顕著に増加している.
1990年の男性の罹病率は,1988年に比べ3.7~7.1倍になった.血液・造血器官の疾患は,男女ともに増えていて,1990年には1988年の5倍になった.神経系と循環器系の疾患は1988年の2~3倍に増加している.
(センチグレイ=10ミリシーベルト)
全ソ地域登録データによると,リクビダートルの全罹病率は,個別の国ごとでもCIS(独立国家共同体)全体でも,統計的に有意に増加している(1.5~2倍).つぎの5つの疾患については,被曝量との相関性が認められ,被曝量30センチグレイ以上のグループの罹病率は被曝量0~5センチグレイのグループの値よりも有意に大きい.1)神経系疾患,2)精神障害,3)血液・造血器官の疾患,4)消化器系疾患,5)自律神経失調症.
しかし,最近のロシア国家放射線疫学登録のデータでは,リクビダートルや被曝住民において,さまざまな種類の病気の増加が記録されている3.
まず第1に注目されるのは,ガンが一貫して増加していることで,1990年に10万人当り151件であったものが,1991年に175件,1992年に212件(同じ年のロシア男性全体のデータをリクビダートルの年齢構成に当てはめた値は128件),1993年に233件(同140件)であった.リクビダートルのガン発生率は,ロシア全体の値に比べ1993年には65%大きかった.
(アマ註=ロシアでは、1986年の事故から7年後の1993年に、癌発症率が約2倍に増えている。当然、福島でも同じことが起きているはずだが、人口動態統計には反映されていない=捏造されているからだ)
リクビダートルの内分泌系疾患は,対照レベルに比べ18.4倍,精神障害は9.6倍,循環器系疾患は4.3倍,全疾患では1.5倍になっている.表1に示すように,リクビダートルではさまざまな病気の罹病率が増え続けている4.
これらのデータすべては,低線量照射に対する生体の反応が,線量,線量率,照射開始からの時間の関数であることを示している.
(アマ註=ロシアでは、放射能被曝によって精神障害が10倍に増えた。同じことが福島でも起きているはずだ。だが、被曝が原因で精神障害を起こしたという診断はゼロである→ もし診断すれば医師免許を剥奪するという圧力がかかっているといわれる)
これまでの結果は以下のようにまとめられる.
1)検査を行なったすべてのパラメータは,低線量において非直線的な線量・効果関係を示した.
2)低線量照射により,生体高分子,細胞,器官,生物がもっている損傷要因への感受性に変化が生じる.
3)照射後の効果は長期間継続する.
4)多くのパラメータにおいて,線量率の変化とはと逆方向の依存性がある.
5)低線量率の照射においては,膜機能の変化が放射線効果において重要な役割を果たしている.
リクビダートルの血液検査結果
リクビダートルの検査は,病気の有無とは無関係に実施されている,1992-1993年の定期検診のときに行なった.検査したリクビダートルはすべて健康であると判断されたが,彼らの多くは,検査時に,(疲れ,苛立ち,頭痛,風邪にかかりやすいといった)概してありふれたさまざまな症状を訴えた.
リクビダートルグループと対照グループの平均年齢は,それぞれ43歳と45歳でほぼ同じであった.
先に述べた染色体異常頻度と被曝量の関係に基づくと,染色体異常頻度が小さいリクビダートルグループの被曝量は小さかったと考えてよいであろう.しかし,彼らの抗酸化状態に関するパラメータの検査結果は,実質的な変化を示しており,低線量の被曝においても,脂質の抗酸化調節システムに重大で恒常的な乱れが生じている可能性を示している.
他のリクビダートルグループについても,生体の抗酸化状態に関するパラメータの解析結果から,よく似た結果が得られている.
低線量被曝集団の健康指数の線量依存性
われわれは先に,リクビダートルに観察されている,自律神経失調症,中枢神経系疾患,精神障害,胃腸系疾患などの疾患に関する線量・効果関係が,動物実験で得られる関係とよく似た傾向(単調ではなく,非直線型の線量依存性)を示すことを明らかにした1.
原発事故で被曝をうけた人々に関する一連の生化学的・血液学的検査結果もまた,複雑な線量・効果関係を示している29,30.
ここでは,健康障害の総合的な指標として,リクビダートルの1000人当り疾病障害者率に着目し,その値とかれらの被曝量あるいはチェルノブイリでの作業時期との関係を解析してみる.
リクビダートルのうち,1986年に作業に従事した人々の平均被曝量がもっとも大きく15.9センチグレイであり,1987年の作業従事者では7.9センチグレイ,1988年以降の従事者では3~4センチグレイと報告されている3.
図7 リクビダートルの疾病障害者率と被曝量の関係(作業から5年後)
センチシーベルト=ミリシーベルト×10

もっと興味深いのは,被曝にともなう晩発性の影響,すなわちガン発生に関する線量・効果関係を調べるてみることであろう.ガンや白血病の発現への低線量被曝影響の問題は,文献でも広く議論されている.放射線被曝は,ガンのプロモーター(促進要因)とインダクター(誘発要因)の両方の作用をすることがわかっている.被曝線量率と被曝量が大きくなると,(ある程度まで)プロモーターとしての作用が低下し,インダクターの作用が増加すると考えられている.
チェルノブイリ・リクビダートルのガン発生データを検討してみよう.
表6 リクビダートルのガン発生率とガン死率(10万人当り)31

このような線量・効果関係は,しばしば観察されるものの,それがガンに関する唯一の線量・効果関係である,というわけではない.多くの例では,直線的あるいは2次多項式的な線量・効果関係が認められている.
ガン発生やその死亡率の減少という現象が観察される被曝量範囲は,そのガンの種類や被曝の線量率に依存しており,場合によっては観察されない.たとえば,家屋内でラドンに被曝した人々やラドンによる線量率がさらに大きい鉱山労働者の肺ガン死データでは,直線的な線量・効果関係が認められている32,33.
多くの研究者は,被曝量とともにガン発生が増加するという関係が認められたときのみその関係性に意味がある,と考えている.
しかしながら,これまで述べてきたすべての実験結果や人集団の観察結果は,文献データを含めて,“直線的あるいは2次多項式的な線量・効果関係の存在”が,低線量被曝および低線量率被曝にともなうガンの誘発や死亡の“必要条件ではない”ことを明らかにしている.
被曝量との単調な相関性が認められないことや低線量域で最大値が観察されることは,低被曝被曝におけるガン誘発効果を否定するものではなく,むしろそのことを示すものである.
(アマ註=「被曝量との単調な相関性が認められないことや低線量域で最大値が観察される」という結論は、ICRPや原子力産業による「低線量では被曝影響が小さくなるという結論と真っ向から対立するものだ)
最後に,本研究を通じて明らかにしてきた,低線量および低線量率被曝にともなう効果の規則性は,生体や細胞代謝に放射線がおよぼす影響の研究においてまったく新しい概念であることを強調したい.
その効果の大部分は,被曝によって直接ひき起こされるものではなく,生体の免疫状態や抗酸化状態の変化,あるいは環境要因に対する感受性の変化といった,生体の調整システムを通して間接的にあらわれるものである.
リクビダートルの血液検査と動物実験とにおいて,各パラメータの変化に共通する規則性が認められたことに注目したい.線量・効果関係だけでなく,生体システム全体としての反応に関与している多くのパラメータの変化においても,低線量率被曝にともなって共通する効果がみいだされている.
****************************************************************
引用以上(抜粋)
私(東海アマ)が、わざわざ、この論文を引用した理由は、現在、IAEA/ICRPなどで主流になっている、低線量下で、被曝影響が小さくなるという「閾値論」の屁理屈が、真っ赤な嘘であることを知ってもらいたいからだ。
チェルノブイリにおける放射能障害の研究者は、口を揃えて低線量被曝こそ、もっとも危険と指摘している。
以下は日本原子力村による閾値論のデマだが、現実に原発事故による被害を検証してきた研究者は、それが嘘であることを指摘している。
https://criepi.denken.or.jp/jp/rsc/study/topics/lnt.html
実は、今日は、私の友人である葛飾のCDクリエーション鈴木氏が一貫して取り組んできた、東京都の水道水におけるセシウム被曝問題を取り上げるつもりだったのだが、アテにしていたデータが、なぜか消えているので、もう少し探してから再度アップしたい。
http://cdcreation.grupo.jp/free2639020