とても、素晴らしい黒田氏によるYouTubeコンテンツなので、紹介しておきたい。
MMT現代貨幣理論を解説。ベーシックインカムから公共貨幣まで
https://www.youtube.com/watch?v=NQuNKxYZ-q0
私が昔から断片的に主張してきた経済理論を、まさに本質を射貫いて分かりやすく解説してくれている。こんな有能な人が出てくるということは、日本社会にもまだ希望があるということだ。
山本太郎の存在とともに、彼らに大きな期待をかけたい。ぜひ、山本政権に参画してもらいたいと思うのは、私だけではないだろう。
「金=カネ」というものは、一定の信用のある人物、あるいは組織が、「交換価値」として提示するものであって、金属であっても、物品=例えば貝殻とか、石とか、印刷物であっても、証券であっても構わない。
大切なことは、その交換価値が人々を裏切らないこと、信用されることである。
だから、通貨を発行することを「信用創造」と呼ぶこともできる。その本質は「約束」にすぎないのだ。
逆にいえば、通貨は、世界的に定められた共通の価値である必要はなく、発行者の「信用」という価値があれば、その反映として成立するのである。
日本円が、どうして国際的に信用され、米中対立のような経済不安が起きると、たちまち買われるのかというと、それは、日本人が国際的に信用されているからであって、円が直接信用されているわけではない。
日本人が、某隣国のように平気でウソをつく習性のある民族であったなら、非常時に円が買われることもない。約束を破る人々に「信用創造」は成立しないのである。
世界の人々は、一生懸命働き、ウソをつかず、他人を裏切らない日本人の素晴らしさに感動して円を買うのだという本質を忘れてはいけない。
そうした日本人らしさが失われれば、たちまち円の価値も失われるのだということを知っておくべきである。
「国家の信用」というが、その中身は、「国民の信用」であって、日本がもし世界に誇るものがあるとすれば、それは「日本凄い、イチバーン」ではない。そんな低俗な自慢ばかりしても逆に信用を失うだけだ。
そうではなく、日本を訪れる外国人たちが、一番感動するのは「日本人は人を裏切らない」ということであり、これが円の強さの正体であると知るべきだ。
つまり、これから想像を絶する世界的な経済崩壊が起きることが約束されているのだが、日本国が安倍晋三という超アホなリーダーを擁して、すべてを失っても、日本人が、豊かさのすべてを失っても「人を裏切らない日本人」という本当の本質さえ残っていれば、それだけで「信用創造」できるということであり、経済回復も世界の支援を得て順調に成功することだろう。
ものごとは、「本質」を見なければ理解できたとはいえない。何度も言うが、日本人の本質は「人を裏切らない」という人間性である。
これが「日本のすべて」なのだ。これさえあれば、すべてが失われても、たちまち社会を回復できるのである。
****************************************************************************
以下、「MMT現代貨幣理論を解説。ベーシックインカムから公共貨幣まで」から抜粋。
MMT(モダン・マネタリー・セオリー)とは何か?
政府の赤字は、すなわち民間の黒字である。
ハイパーインフレにならないようインフレ率を調整すれば、財政破綻は起こりえない。

※東海アマ註
これは私が何度も指摘してきたように、MMT理論は、基本的にはケインズ理論の焼き直しに近い。
ケインズ理論の本質は、経済を動かす本質は、需要にあって、社会資本投資によって、底辺の人々の懐が暖まり、消費能力が高まることが需要を生み出し、景気を回復させるとの指摘である。
これは、高橋是清や、シャハトの公共投資計画で、その有効性が明らかにされている。
http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-839.html
ただし、最大の需要は戦争であるとケインズは言い、それを受けたルーズベルトが太平洋戦争を引き起こした。そして、米国は見事に長い長い大恐慌を克服し、1950年代のアメリカ史最大の繁栄を謳歌した。

日本政府=財務相・経産相は、「借金が増えると財政破綻を引き起こす」 「だから消費増税が必要」という理屈を主張する。
しかし、MMT理論では、借金が日本円で行われ、日本政府が円を発行していれば、財政破綻はありえない。むしろ、「もっとカネを刷って国債を発行し、公共投資に回せば景気は良くなる」
と指摘する。
ハイパーインフレ懸念に対しては、インフレ率を監視し、行き過ぎた財政出動が起きれば、それを抑制することでインフレを統制できるとした。
どちらが正しいのか? MMTである。
今は、供給が需要を上回る状態のためデフレになっている。これに対し財政出動で底辺に公共投資のカネを回せば、需要が拡大してインフレになる。
「カネとは何か?」
日本の銀行は、日銀に1%本当のカネを預ければ、100%のカネを誰かに融資することが許される。
裏付けとして100万円持っていれば、1億円を融資できる。つまり、この世に存在しなかった新たなカネを、魔法のランプのように生成することができる。
「融資」の瞬間に、借りた側と、貸した側の両方に、100万円ずつカネが増える。
「カネは、融資を受ける人の借金として、この世に誕生する」
だから、本質としては、狸や狐が打ち出の小槌を振って、天から降らせる虚構に近いものであり、みんなが思っているような、例えば金やダイヤモンドのような絶対的価値ではないのだ。人が創造する虚構の一種にすぎない。

社会が発展する途上では、民間銀行が事業者にカネを貸し出すことで、カネが増えてきた。
しかし、社会が成熟し(社会資本・インフラが行き渡り)、新たな資金をあまり必要としなくなると、銀行がカネを貸し出す先が減少し、世の中にカネが回りにくくなる。
このとき、政府が国債を発行して、新たなカネを、財政投資という形で市場に供給することで、国家全体のカネの循環が増える。つまり景気が良くなる。
これがMMTの基礎的理論だが、分かる人には、これがケインズ理論と同じだと理解できるはず。
日本政府が消費増税を行う根拠としているのは、借金を増やしてプライマリーバランスを壊すと、財政破綻を起こすから、国債も通貨発行も制限し、代わりに増税で対応するという理屈。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9F%BA%E7%A4%8E%E7%9A%84%E8%B2%A1%E6%94%BF%E5%8F%8E%E6%94%AF
MMTでは、円建て国債を発行すれば、確かに借金は増えるが、同時に国内の資産も増える。底辺に資産を供給し、需要消費力を拡大すれば、借金のデメリットを上回る資産拡大と景気浮揚が起きる。
だから、増税は、まったく必要ない。国債発行で対応できる。
政府(竹中平蔵理論)の、増税によってプライマリーバランスの均衡を経済目標として財政赤字を減らすという理論には裏付けが存在しない。ちょうど、すでに駆逐された古典派経済学(セイの法則)と同じである。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BB%E3%82%A4%E3%81%AE%E6%B3%95%E5%89%87

新自由主義を世界経済に持ち込んだのは、ミルトン・フリードマンである。日本では、八代尚宏・竹中平蔵が代表的である。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%B0%E8%87%AA%E7%94%B1%E4%B8%BB%E7%BE%A9
新自由主義理論の根幹は、インフレ・デフレは、貨幣現象にすぎない。通貨の供給量の問題であり、ケインズの指摘した、消費力・需要の減退から来る問題ではないとの決めつけ。
底辺の生活者からカネを搾り取り、これを資本家に移転して、大金持ちと大企業を、さらに富ませることで、富がトリクルダウンして、全体にカネが回るようになるとした。
これも古典経済学における「不況は供給力の不足」という屁理屈に似ている。
実は、この理論に基づいた経済政策こそ、「アベノミクス」である。
だから、消費増税で大衆から搾り取ったカネを、どんどん大金持ち・大企業に注ぎ込んだが、景気は悪化こそすれ、一度も上向くことはなかった。
https://note.mu/tokoname/n/n8cb95faa5dc5
新自由主義学説は、日本ではリフレ派と呼ばれているが、彼らの主張は、「景気が良いときはインフレになっている。逆にインフレにすれば景気が良くなる」という本末転倒の妄想的根拠の屁理屈である。
http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-753.html
リフレ派は、ケインズ学説が登場したとき、「財政出動により社会資本を充実させ、底辺の消費力・需要を上げれば景気は良くなる」という指摘に対し、労働者階級にカネを与えることに対して、本能的に激怒して、これを拒否した当時の資本家階級に似ている。
リフレ派は、底辺の生活者の消費力を高める政策を拒否し、逆に消費税を次々に増税して、生活者から資金、消費力、需要を奪っていったのである。
上流階級を豊かにすれば、下流にも富が流れるという理屈を掲げたが、そんなオメデタイ現象は、ただの一度も存在しなかった。
現在までの総括でいえば、リフレ派=新自由主義=アベノミクスの掲げる学説は、ただの一度も実現したことはない。
それは一種の新興宗教といえる、思い込み、決めつけだけの誤った学説であり、トリクルダウン理論に至っては、ほとんどお笑いといえる空想や妄想の類いであり、彼らが、インフレにするとした政策は、すべて失敗して、日本は1990年代のリセッション以降、一度としてデフレを離脱できたことはなかった。

問題は、アベノミクスの巨大な失敗が社会的に認知されてから、今度はMMT理論を、資本家の側から取り入れて、「赤字国債で公共投資を拡充せよ」という部分に注目して、これを自民党、大企業の新たな利権として自分たちの主導権で構造的に創り出そうとする動きである。
ケインズは、問題の本質は、底辺の生活者の消費力を上げ、需要を創り出すということであって、公共投資が、底辺に還元されずに、再び、大金持ちと大企業だけに環流するとすれば、それは赤字国債によるインフレやスタグフレーションを招くが、経済環流の拡大、景気高揚には役立たないということだ。
現在は、国際金融資本が、MMTによる公共投資の利権をかすめ取ろうと暗躍している可能性について、十分に警戒する必要がある。
底辺の生活者に消費力を与えないMMT理論は、資本家の利権に寄与させるものであり、完全なニセモノであると理解する必要がある。
ここが重要!
MMT理論の論客たちは、ベーシックインカムについて触れようとしない。
同時に、BIS決済銀行の異常性についても触れない。ということは、MMT理論が、彼らの利権に関与している部分がある可能性がある。
ケインズ理論の根底にある、底辺の消費力を支える根源的なシステムとして、もっとも重要なものがベーシックインカムである。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%AB%E3%83%A0
これは、毎月、底辺の大衆が、生計を維持できる最低限の生活保障をすることで、安心して消費力・需要を拡大できるというシステムである。
山本太郎が政権を取れば、必ず最初に、この政策が登場するに違いない。しかし、新自由主義者たちにとって、底辺の生活者、労働者にカネを渡すという政策は、本能的に激しい嫌悪感があるのは、セイの法則時代からの本質的な性癖で、せっかく消費増税で、底辺からカネを奪って特権階級に進呈したのに、それを、また底辺にばらまくという山本政権は、新自由主義者たちの激しい抵抗に直面するだろう。
そして、全世界の経済システムの根幹に位置する超異常性は、BIS決済銀行と、FRBの存在である。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E6%B1%BA%E6%B8%88%E9%8A%80%E8%A1%8C
BISは、全世界の中央銀行が株主となっている中央銀行の統制機関であるが、実は国連の支配下にある公的機関ではない。
FRBが「中央銀行」を名乗りながら、ユダヤ系私的金融機関の集合体にすぎないように、意思決定のプロセスが極めて不透明な民間組織であるといわざるをえない。
何よりも、BISの株主が非公開で、秘密にされている。
つまり、BISは民主主義的組織ではなく、不透明な独裁が存在する組織である。それは、国際金融資本の利権擁護機関と考えるのが妥当である。
BIS規制は、銀行が国際為替業務を行う場合、自己資本比率が8%以上であることを規定している。
https://www.nomura.co.jp/terms/japan/hi/bis.html
ところが、リーマンショッククラスの金融崩壊が起きると、銀行株の大暴落によって、自己資本比率が大きく下がり8%を割る銀行が続出することになり、とたんに国際為替業務が禁止されるので、世界貿易システムにとって、もの凄い嵐が吹き荒れ、大恐慌の場合は、事実上、貿易が停止してしまうことになる。
これは、大戦争にも匹敵する社会崩壊の威力があるのだが、こんなもの凄い決定を、一民間機関が行えるのであり、BIS株主である国際金融資本の意向が、世界経済と地球社会を大混乱に貶める可能性がある。

MMTは赤字国債を発行して、社会資本投資を拡大する政策なのだが、国債を発行すれば、必ず金利がつき、それは国債を運用できる大金持ち、巨大企業に、金利が蓄積することが避けられない。
先に、BISなどの大株主(国際金融資本)が、MMTを推進している可能性に触れたが、この理由も、世界的な国債発行ブームを作り、その金利を独り占めする狙いが隠されているかもしれない。

山本太郎が、MMT理論を支持しているので、何回か取り上げているのだが、MMT理論の導入が成功したとしても、一番の問題は、赤字国債による景気浮揚は、同時に巨大な環境破壊を生むという法則である。
我々は、「戦後」を終わらせた立役者、田中角栄のことを覚えている。
田中は、今でも凄い人気だが、「日本列島改造論」は、日本の里山社会、地方社会を根底から荒廃させた。里山の豊かな自然はゴルフ場に変わってしまい、「日本社会」の伝統的な質を破壊したという評価は間違いのないところだ。
MMTによる公共投資理論は、必ず田中角栄流の自然荒廃とセットでやってくる。
山本太郎が、MMT理論を採用した経済政策を行う場合、私個人としてはベーシックインカムを主体にするものになると信じているが、これ以上、日本を荒廃させる新たな開発に手を染めるなら、山本MMTに反対せざるをえないのである。

ベーシックインカムは、底辺の大衆に消費力・需要を与えるものであり、直接、社会全体の景気循環を向上させる。
今のところ、一人あたり、月に三万円程度を与えて、消費需要を拡大する。
これで、公共投資の利権を独占する大企業だけに金が集中することはなくなる。
これまで何度も書いた、ドイツ銀行破綻問題
http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-849.html
これが、世界的な景気後退局面を先取りして、人類史上最悪の破局を引き起こす可能性が極めて高まっている。
これをアベノミクスという古典経済理論に近い、愚かしい屁理屈で乗り切ろうとしても無理であり、全世界で、資本主義の巨大な崩壊と再編が避けられない。
このとき、MMTベーシックインカムという政策が、もしかしたら、日本を救済するかもしれない。
MMT現代貨幣理論を解説。ベーシックインカムから公共貨幣まで
https://www.youtube.com/watch?v=NQuNKxYZ-q0
私が昔から断片的に主張してきた経済理論を、まさに本質を射貫いて分かりやすく解説してくれている。こんな有能な人が出てくるということは、日本社会にもまだ希望があるということだ。
山本太郎の存在とともに、彼らに大きな期待をかけたい。ぜひ、山本政権に参画してもらいたいと思うのは、私だけではないだろう。
「金=カネ」というものは、一定の信用のある人物、あるいは組織が、「交換価値」として提示するものであって、金属であっても、物品=例えば貝殻とか、石とか、印刷物であっても、証券であっても構わない。
大切なことは、その交換価値が人々を裏切らないこと、信用されることである。
だから、通貨を発行することを「信用創造」と呼ぶこともできる。その本質は「約束」にすぎないのだ。
逆にいえば、通貨は、世界的に定められた共通の価値である必要はなく、発行者の「信用」という価値があれば、その反映として成立するのである。
日本円が、どうして国際的に信用され、米中対立のような経済不安が起きると、たちまち買われるのかというと、それは、日本人が国際的に信用されているからであって、円が直接信用されているわけではない。
日本人が、某隣国のように平気でウソをつく習性のある民族であったなら、非常時に円が買われることもない。約束を破る人々に「信用創造」は成立しないのである。
世界の人々は、一生懸命働き、ウソをつかず、他人を裏切らない日本人の素晴らしさに感動して円を買うのだという本質を忘れてはいけない。
そうした日本人らしさが失われれば、たちまち円の価値も失われるのだということを知っておくべきである。
「国家の信用」というが、その中身は、「国民の信用」であって、日本がもし世界に誇るものがあるとすれば、それは「日本凄い、イチバーン」ではない。そんな低俗な自慢ばかりしても逆に信用を失うだけだ。
そうではなく、日本を訪れる外国人たちが、一番感動するのは「日本人は人を裏切らない」ということであり、これが円の強さの正体であると知るべきだ。
つまり、これから想像を絶する世界的な経済崩壊が起きることが約束されているのだが、日本国が安倍晋三という超アホなリーダーを擁して、すべてを失っても、日本人が、豊かさのすべてを失っても「人を裏切らない日本人」という本当の本質さえ残っていれば、それだけで「信用創造」できるということであり、経済回復も世界の支援を得て順調に成功することだろう。
ものごとは、「本質」を見なければ理解できたとはいえない。何度も言うが、日本人の本質は「人を裏切らない」という人間性である。
これが「日本のすべて」なのだ。これさえあれば、すべてが失われても、たちまち社会を回復できるのである。
****************************************************************************
以下、「MMT現代貨幣理論を解説。ベーシックインカムから公共貨幣まで」から抜粋。
MMT(モダン・マネタリー・セオリー)とは何か?
政府の赤字は、すなわち民間の黒字である。
ハイパーインフレにならないようインフレ率を調整すれば、財政破綻は起こりえない。

※東海アマ註
これは私が何度も指摘してきたように、MMT理論は、基本的にはケインズ理論の焼き直しに近い。
ケインズ理論の本質は、経済を動かす本質は、需要にあって、社会資本投資によって、底辺の人々の懐が暖まり、消費能力が高まることが需要を生み出し、景気を回復させるとの指摘である。
これは、高橋是清や、シャハトの公共投資計画で、その有効性が明らかにされている。
http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-839.html
ただし、最大の需要は戦争であるとケインズは言い、それを受けたルーズベルトが太平洋戦争を引き起こした。そして、米国は見事に長い長い大恐慌を克服し、1950年代のアメリカ史最大の繁栄を謳歌した。

日本政府=財務相・経産相は、「借金が増えると財政破綻を引き起こす」 「だから消費増税が必要」という理屈を主張する。
しかし、MMT理論では、借金が日本円で行われ、日本政府が円を発行していれば、財政破綻はありえない。むしろ、「もっとカネを刷って国債を発行し、公共投資に回せば景気は良くなる」
と指摘する。
ハイパーインフレ懸念に対しては、インフレ率を監視し、行き過ぎた財政出動が起きれば、それを抑制することでインフレを統制できるとした。
どちらが正しいのか? MMTである。
今は、供給が需要を上回る状態のためデフレになっている。これに対し財政出動で底辺に公共投資のカネを回せば、需要が拡大してインフレになる。
「カネとは何か?」
日本の銀行は、日銀に1%本当のカネを預ければ、100%のカネを誰かに融資することが許される。
裏付けとして100万円持っていれば、1億円を融資できる。つまり、この世に存在しなかった新たなカネを、魔法のランプのように生成することができる。
「融資」の瞬間に、借りた側と、貸した側の両方に、100万円ずつカネが増える。
「カネは、融資を受ける人の借金として、この世に誕生する」
だから、本質としては、狸や狐が打ち出の小槌を振って、天から降らせる虚構に近いものであり、みんなが思っているような、例えば金やダイヤモンドのような絶対的価値ではないのだ。人が創造する虚構の一種にすぎない。

社会が発展する途上では、民間銀行が事業者にカネを貸し出すことで、カネが増えてきた。
しかし、社会が成熟し(社会資本・インフラが行き渡り)、新たな資金をあまり必要としなくなると、銀行がカネを貸し出す先が減少し、世の中にカネが回りにくくなる。
このとき、政府が国債を発行して、新たなカネを、財政投資という形で市場に供給することで、国家全体のカネの循環が増える。つまり景気が良くなる。
これがMMTの基礎的理論だが、分かる人には、これがケインズ理論と同じだと理解できるはず。
日本政府が消費増税を行う根拠としているのは、借金を増やしてプライマリーバランスを壊すと、財政破綻を起こすから、国債も通貨発行も制限し、代わりに増税で対応するという理屈。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9F%BA%E7%A4%8E%E7%9A%84%E8%B2%A1%E6%94%BF%E5%8F%8E%E6%94%AF
MMTでは、円建て国債を発行すれば、確かに借金は増えるが、同時に国内の資産も増える。底辺に資産を供給し、需要消費力を拡大すれば、借金のデメリットを上回る資産拡大と景気浮揚が起きる。
だから、増税は、まったく必要ない。国債発行で対応できる。
政府(竹中平蔵理論)の、増税によってプライマリーバランスの均衡を経済目標として財政赤字を減らすという理論には裏付けが存在しない。ちょうど、すでに駆逐された古典派経済学(セイの法則)と同じである。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BB%E3%82%A4%E3%81%AE%E6%B3%95%E5%89%87

新自由主義を世界経済に持ち込んだのは、ミルトン・フリードマンである。日本では、八代尚宏・竹中平蔵が代表的である。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%96%B0%E8%87%AA%E7%94%B1%E4%B8%BB%E7%BE%A9
新自由主義理論の根幹は、インフレ・デフレは、貨幣現象にすぎない。通貨の供給量の問題であり、ケインズの指摘した、消費力・需要の減退から来る問題ではないとの決めつけ。
底辺の生活者からカネを搾り取り、これを資本家に移転して、大金持ちと大企業を、さらに富ませることで、富がトリクルダウンして、全体にカネが回るようになるとした。
これも古典経済学における「不況は供給力の不足」という屁理屈に似ている。
実は、この理論に基づいた経済政策こそ、「アベノミクス」である。
だから、消費増税で大衆から搾り取ったカネを、どんどん大金持ち・大企業に注ぎ込んだが、景気は悪化こそすれ、一度も上向くことはなかった。
https://note.mu/tokoname/n/n8cb95faa5dc5
新自由主義学説は、日本ではリフレ派と呼ばれているが、彼らの主張は、「景気が良いときはインフレになっている。逆にインフレにすれば景気が良くなる」という本末転倒の妄想的根拠の屁理屈である。
http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-753.html
リフレ派は、ケインズ学説が登場したとき、「財政出動により社会資本を充実させ、底辺の消費力・需要を上げれば景気は良くなる」という指摘に対し、労働者階級にカネを与えることに対して、本能的に激怒して、これを拒否した当時の資本家階級に似ている。
リフレ派は、底辺の生活者の消費力を高める政策を拒否し、逆に消費税を次々に増税して、生活者から資金、消費力、需要を奪っていったのである。
上流階級を豊かにすれば、下流にも富が流れるという理屈を掲げたが、そんなオメデタイ現象は、ただの一度も存在しなかった。
現在までの総括でいえば、リフレ派=新自由主義=アベノミクスの掲げる学説は、ただの一度も実現したことはない。
それは一種の新興宗教といえる、思い込み、決めつけだけの誤った学説であり、トリクルダウン理論に至っては、ほとんどお笑いといえる空想や妄想の類いであり、彼らが、インフレにするとした政策は、すべて失敗して、日本は1990年代のリセッション以降、一度としてデフレを離脱できたことはなかった。

問題は、アベノミクスの巨大な失敗が社会的に認知されてから、今度はMMT理論を、資本家の側から取り入れて、「赤字国債で公共投資を拡充せよ」という部分に注目して、これを自民党、大企業の新たな利権として自分たちの主導権で構造的に創り出そうとする動きである。
ケインズは、問題の本質は、底辺の生活者の消費力を上げ、需要を創り出すということであって、公共投資が、底辺に還元されずに、再び、大金持ちと大企業だけに環流するとすれば、それは赤字国債によるインフレやスタグフレーションを招くが、経済環流の拡大、景気高揚には役立たないということだ。
現在は、国際金融資本が、MMTによる公共投資の利権をかすめ取ろうと暗躍している可能性について、十分に警戒する必要がある。
底辺の生活者に消費力を与えないMMT理論は、資本家の利権に寄与させるものであり、完全なニセモノであると理解する必要がある。
ここが重要!
MMT理論の論客たちは、ベーシックインカムについて触れようとしない。
同時に、BIS決済銀行の異常性についても触れない。ということは、MMT理論が、彼らの利権に関与している部分がある可能性がある。
ケインズ理論の根底にある、底辺の消費力を支える根源的なシステムとして、もっとも重要なものがベーシックインカムである。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%AB%E3%83%A0
これは、毎月、底辺の大衆が、生計を維持できる最低限の生活保障をすることで、安心して消費力・需要を拡大できるというシステムである。
山本太郎が政権を取れば、必ず最初に、この政策が登場するに違いない。しかし、新自由主義者たちにとって、底辺の生活者、労働者にカネを渡すという政策は、本能的に激しい嫌悪感があるのは、セイの法則時代からの本質的な性癖で、せっかく消費増税で、底辺からカネを奪って特権階級に進呈したのに、それを、また底辺にばらまくという山本政権は、新自由主義者たちの激しい抵抗に直面するだろう。
そして、全世界の経済システムの根幹に位置する超異常性は、BIS決済銀行と、FRBの存在である。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E6%B1%BA%E6%B8%88%E9%8A%80%E8%A1%8C
BISは、全世界の中央銀行が株主となっている中央銀行の統制機関であるが、実は国連の支配下にある公的機関ではない。
FRBが「中央銀行」を名乗りながら、ユダヤ系私的金融機関の集合体にすぎないように、意思決定のプロセスが極めて不透明な民間組織であるといわざるをえない。
何よりも、BISの株主が非公開で、秘密にされている。
つまり、BISは民主主義的組織ではなく、不透明な独裁が存在する組織である。それは、国際金融資本の利権擁護機関と考えるのが妥当である。
BIS規制は、銀行が国際為替業務を行う場合、自己資本比率が8%以上であることを規定している。
https://www.nomura.co.jp/terms/japan/hi/bis.html
ところが、リーマンショッククラスの金融崩壊が起きると、銀行株の大暴落によって、自己資本比率が大きく下がり8%を割る銀行が続出することになり、とたんに国際為替業務が禁止されるので、世界貿易システムにとって、もの凄い嵐が吹き荒れ、大恐慌の場合は、事実上、貿易が停止してしまうことになる。
これは、大戦争にも匹敵する社会崩壊の威力があるのだが、こんなもの凄い決定を、一民間機関が行えるのであり、BIS株主である国際金融資本の意向が、世界経済と地球社会を大混乱に貶める可能性がある。

MMTは赤字国債を発行して、社会資本投資を拡大する政策なのだが、国債を発行すれば、必ず金利がつき、それは国債を運用できる大金持ち、巨大企業に、金利が蓄積することが避けられない。
先に、BISなどの大株主(国際金融資本)が、MMTを推進している可能性に触れたが、この理由も、世界的な国債発行ブームを作り、その金利を独り占めする狙いが隠されているかもしれない。

山本太郎が、MMT理論を支持しているので、何回か取り上げているのだが、MMT理論の導入が成功したとしても、一番の問題は、赤字国債による景気浮揚は、同時に巨大な環境破壊を生むという法則である。
我々は、「戦後」を終わらせた立役者、田中角栄のことを覚えている。
田中は、今でも凄い人気だが、「日本列島改造論」は、日本の里山社会、地方社会を根底から荒廃させた。里山の豊かな自然はゴルフ場に変わってしまい、「日本社会」の伝統的な質を破壊したという評価は間違いのないところだ。
MMTによる公共投資理論は、必ず田中角栄流の自然荒廃とセットでやってくる。
山本太郎が、MMT理論を採用した経済政策を行う場合、私個人としてはベーシックインカムを主体にするものになると信じているが、これ以上、日本を荒廃させる新たな開発に手を染めるなら、山本MMTに反対せざるをえないのである。

ベーシックインカムは、底辺の大衆に消費力・需要を与えるものであり、直接、社会全体の景気循環を向上させる。
今のところ、一人あたり、月に三万円程度を与えて、消費需要を拡大する。
これで、公共投資の利権を独占する大企業だけに金が集中することはなくなる。
これまで何度も書いた、ドイツ銀行破綻問題
http://tokaiama.blog69.fc2.com/blog-entry-849.html
これが、世界的な景気後退局面を先取りして、人類史上最悪の破局を引き起こす可能性が極めて高まっている。
これをアベノミクスという古典経済理論に近い、愚かしい屁理屈で乗り切ろうとしても無理であり、全世界で、資本主義の巨大な崩壊と再編が避けられない。
このとき、MMTベーシックインカムという政策が、もしかしたら、日本を救済するかもしれない。