つい数ヶ月前、三菱重工が超小型原子炉を2030年頃に実用化すると発表した。
三菱重工、トラック輸送できる超小型原発 30年代商用化 2022年4月18日
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC27DQN0X20C22A1000000/
三菱重工業はトラックで運べる超小型原子炉を2030年代にも商用化する。電気出力は従来の100万キロワット級の原子炉の2000分の1で、災害地域などでの脱炭素電源としての活用を見込む。
小型原発は地下に埋めることができ、事故のリスクを抑えやすい。世界的な脱炭素シフトで原発を見直す動きが広がる中、「小型化」技術の裾野が広がってきた。
開発するのは「マイクロ炉」という原子炉。電気出力は最大500キロワッ...
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引用以上
実は、超小型原子炉は船舶用動力源として、すでに半世紀以上の歴史がある。とりわけ、長期間の海中潜行を求められる潜水艦の動力源として、米ソ(ロ)に、すでに長い実績がある。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8E%9F%E5%AD%90%E5%8A%9B%E6%BD%9C%E6%B0%B4%E8%89%A6
原子力潜水艦の原子炉の形式は、現在までのところ一部例外を除いて加圧水型原子炉 (PWR) のみである。
別の代表的な原子炉形式である沸騰水型原子炉 (BWR)
が採用されたことはない。これは潜水艦においては海洋状態・気象・艦の機動によって船体が揺れたり傾いたりする可能性があり、沸騰水型では冷却水が炉心を十分に冷やせない事態が懸念されるためである。
なお、沸騰水型原子炉との比較の上で加圧水型原子炉では、いくつかの機械要素を追加しなくてはならない。例えば、蒸気発生器、加圧水を循環させる強力な循環ポンプ及びその高圧配管ならびに2次冷却水のためのポンプ及び配管は加圧水型原子炉にのみ必要となる。このため、加圧水型原子炉では構造が複雑となるものの利点も生じる。
つまり1次冷却水系統と2次冷却水系統が分離されているため、2次系にある蒸気タービンや復水器といった補機類の点検整備が放射線の危険から離れた位置で行うことが可能となるのである。ただし、1次冷却水が何らかの形で漏洩した場合はこの限りではなく、特に蒸気発生器は複雑で脆弱な配管構造を持ち、放射能漏れ事故の原因となり易い。実際に初期の原子力潜水艦においては信頼性が低く、これらの構造がしばしば事故の原因となった。
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一部引用以上
艦艇動力用小型原子炉の場合、大型の冷却設備が必要なBWRは使われず、約160気圧で運用されるPWRのみだった。
だが、PWRでは、一次冷却水の熱交換システムでピンホール漏洩が起きる頻度が高く、二次系タービンといえども、被曝安全性が高いわけではない。
だから、米軍原子炉担当軍人は、被曝による告訴をしない誓約を強要されている。
また、制御にホウ素を多用する構造から、トリチウムの発生量が桁違いに多い。艦艇動力原子炉では、それを海洋にダイレクトに放出するので、海洋トリチウム汚染が著しい。
PWR原子炉の場合は、環境汚染度が非常に高いといえるだろう。原潜の軌跡には放射能が検出されることが多いが、現在は、強力に隠蔽工作が行われていてニュースにならない。
三菱重工が開発する、新たな超小型原子炉=マイクロ炉は、径1m、長さ2m、出力0.5メガワットm設計寿命は25年と解説されているので、艦艇動力原子炉として最適なはずなのに、三菱側は、それを一切語っていないのが不思議だ。
5月の決算説明で、泉沢社長は、「脱炭素とエネルギー安全保障の観点から、原子力が再評価されている」と語った。
つまり、ロシアのウクライナ軍事侵略を追い風として、日陰者になっていた原子力開発を大々的に再進展させたいとの意思表明なのだ。
このような新技術は、普通は第一に軍事用として開発される。三菱重工のような軍事企業なら、なおさらそうだ。
軍事艦艇に積載できない、特別な事情があるのだろうか?
例えば、BWRが原潜に利用できない事情として、BWR冷却システムが艦艇運用上の揺れに弱いという問題があった。
しかし、泉沢社長の本音は、離島やへき地、災害時の電源として期待できると言っているものの、本当は軍事利用なのだ。ただ、今はそれを表に出さずに、平和利用のタテマエ、幻想を前提にしながら開発を進めたいのだろう。
今回、この記事を書くのに、必要な情報を収集していて、ほぼすべての紹介記事に、使用される核燃料と、使用済み核燃料の処理の問題、トラブル時の事故回避、過酷事故に関する記述が、どこにも見当たらないのに驚かされた。
三菱重工は、①軍事利用 ②核燃料 ③使用済み廃棄核燃料 ④トラブル回避 ⑤過酷事故に関する、一切の情報を封鎖していることが分かった。
これを紹介するメディアも、三菱側や日本政府に忖度して、一切のマイナス・デメリット情報を隠してしまっている。
我々は、調子の良いヨイショ記事しか見ることができない。開発に都合の悪い情報をすべて封鎖して、福島第一原発事故を起こした双葉町の「原子力、明るい未来のエネルギー」という看板と同じ、詐欺的で愚かすぎる妄想だけで盛大に宣伝しているのだ。
だから、この原子炉もおそらくフクイチ事故と同じような結末に至るのだろうと想像できる。三菱重工には、「子供たちの未来のために、どんな思想を基準にしなければならないか」という良心、深い洞察力が微塵も存在せず、目先の金儲けだけに拘泥する新自由主義に染まった馬鹿しかいないと断じてもよいだろう。
まず、この種の原子炉は、基本的に軍事利用を前提にして開発されるので、おそらく軍事艦船用動力源に利用するつもりなのだろう。防衛産業は儲かるから手を出さないわけにはいかないのだ。
使用される核燃料は、おそらくプルトニウム239だろう。熱出力と原子炉の大きさから考えてトリウム炉やウラン炉は使用できない。
だから、この原子炉は、25年間熱を発生し続けてから、廃棄され500年間の人為的な強制冷却期間が必要になるはずだ。最初は自然冷却で運用できても、最後には崩壊熱のため強制冷却が必要になる。プルトニウム239の崩壊熱が他の核燃料に比べて桁違いに大きいからだ。
もしも、この原子炉が軍事目的に使用され、ミサイルなどで攻撃を受けたなら、極めて深刻な放射能汚染=規模は小さくても、一般的な原子炉のメルトダウンと同じことが起きる。
大きさが小さい分だけ、防御機能も小さいので、通常火力で容易に撃破されるのだ。たぶん、魔法瓶のような桿体は、重機関銃クラスで容易に破壊することができるはずだ。
もし強力な防衛力を作れば、今度は臨機応変の運搬が困難になるのだ。
25年の寿命を全うできたとしても、この原子炉を、無害なものに変えるには途方もない時間、数千年~数万年がかかり、未来の人類に重い負荷を残すだけだ。
この意味では、最初に紹介した、潜水艦用のPWRの危険性、厄介性と大きな違いはなく、まさに双葉町の「原子力、明るい未来のエネルギー」という究極のお笑いネタと同じ運命を辿るに違いない。
以下に、三菱側に立った調子のよい説明記事がある。
https://blog.naver.com/PostView.naver?blogId=newsj850&logNo=222781218588
マイクロ炉は、原子力発電所で一般的な軽水炉とは異なる「新しい炉型概念」(三菱重工)という。軽水炉は冷却材と減速材として軽水(普通の水)を使うが、マイクロ炉では使わない。炉心の核分裂で生じた熱は、「高熱伝導体」を介して外側の伝熱管に伝わり、伝熱管内を満たす二酸化炭素(CO2)を加熱する。
加熱したCO2を原子炉の外の発電機に送ってタービンを回して電力を生む。
マイクロ炉の内部。850度に加熱した二酸化炭素を発電機タービンに送る

マイクロ炉は、軽水炉のような液体の冷却材を使わない「全固体原子炉」だ。炉心の高熱伝導体は円板形状で、材料は黒鉛系を想定する。この黒鉛の円板が、原子炉の冷却と減速材の役割を果たす。
核燃料が入っているのは、同じく黒鉛で造られた「燃料板」。この燃料板には、まるで「蜂の巣」のように複数の穴が空いており、燃料ペレットが「蜂の子」のように並ぶ。
黒鉛系材料を採用するメリットは、熱輸送能力の高さと軽さだ。黒鉛系材料の熱伝導率は銅の約4倍、密度はステンレス鋼の約4分の1とされる。
炉心は、高熱伝導体と燃料板を交互に重ねて構成する。直径1メートル×長さ2メートルという炉心サイズは、この複数の高熱伝導体と燃料板を重ね合わせたものの大きさだ。
こうした炉心の構造について、三菱重工原子力セグメント新型炉推進室主席技師の蒲原覚氏は「(ビスケットの)『オレオ』が重なり合っているような構造」と例える。
原子炉の容器も軽水炉とは大きく異なる。マイクロ炉には、原子炉と外部を隔てる金属製の「格納容器」は存在するものの、軽水炉にある「圧力容器」に該当するものは見当たらない。
格納容器は魔法瓶のような真空二重構造になっており、内部はアルゴンなどの不活性ガスで満たされている。真空二重構造にしているのは、高い断熱性により、熱利用の効率性を高めるのが狙いだ。
マイクロ炉の出力を制御する手段は、大きく分けて2つある。
1つは、通常の稼働時に出力を制御する「制御ドラム」である。詳細は明かさないが、炉心には複数の貫通穴が同心円上に空けられていて、その貫通穴に円筒形状の制御ドラムが挿入されているという。制御ドラムには中性子の吸収材が取り付けてあり、同ドラムを回転させて反応を制御する。
もう1つは、炉心中央にある非常用制御棒で、緊急時に自動で挿入される。なお、緊急時には格納容器の二重構造の中空部にガスを充填し、むしろ熱伝導性を高める。崩壊熱は自然空気循環によって取り除く仕組みで、格納容器の内部の圧力は上昇せず、安全を確保できるという。
海上コンテナ内に原子炉と発電機を収める
三菱重工は、マイクロ炉と発電機を組み合わせて、海上コンテナに収まるサイズまで小型化することを目指している。発電機の方式として検討しているのは「超臨界CO2ガスタービン」だ。原子炉から取り出した最大850度のCO2を使って発電機のタービンを回す。タービンを経たCO2は熱交換器を経由して、再び原子炉へと戻って循環する。
マイクロ炉による発電システム。海上コンテナ(幅2.5×高さ2.5×長さ12メートル)の内部に原子炉系と発電系のシステムを収める構想だ(出所:三菱重工業)
熱の輸送にCO2を使うのは、「発電設備を小型化するため」(蒲原氏)。CO2は圧力7.4メガパスカル、温度31度付近を超えると、気体と液体の区別がつかない超臨界流体になる。原子力発電所で一般的な蒸気タービンと比べて、超臨界CO2を用いるガスタービンは、中小型機の場合に発電効率を高められるとされる。マイクロ炉のメリットを生かすには、発電機にも工夫が求められるようだ。
課題は熱設計と遮蔽性
「興味深いのは、冷却材を喪失しない構造という着眼点だ」
―。こう話すのは原子炉の構造に詳しい、東京都市大学理工学部原子力安全工学科研究教授の高木直行氏である。
福島第1原子力発電所の事故では、冷却材(水)を喪失する事態に見舞われた。全固体原子炉であれば、冷却材が蒸発して減ることはないし、仮に格納容器が壊れたとしても、冷却材が漏れ出すといったリスクは抑えられる。
一方、実用化に向けては技術的な課題もある。1つは、熱膨張や熱応力による影響である。
格納容器の内部は、核分裂による高温にさらされる。黒鉛の熱膨張係数はステンレス鋼などと比べて小さい。異なる材料の部品を組み合わせれば、部品間に想定以上の力が加わって破損したり、すき間が生じたりする恐れもある。すると、炉心の冷却に支障をきたす可能性が出てくる。
放射線の遮蔽能力も課題の1つだ。高木氏によると、「マイクロ炉のサイズでそのまま十分な遮蔽ができるとは考えにくい」。
原子力発電所では、大量の水やコンクリートを用いることで、放射線の遮蔽対策がとられている。「断言はできないが、マイクロ炉の稼働時は遮蔽がなされた建物やトンネルの内部に、コンテナを入れるのかもしれない」(高木氏)
コンテナそのものに遮蔽体を設置すれば重くなるため、今度は可搬性が犠牲になる。すると、トラックで運べる「ポータブル原子炉」というコンセプトからは遠ざかってしまうとの見立てだ。
国内における次世代の原子力技術の開発は、11年の東日本大震災で停滞を余儀なくされた経緯がある。ここに来て、カーボンニュートラル(温暖化ガス排出量実質ゼロ)の動向や資源価格の高騰などを背景に、風向きが変わりつつある。マイクロ炉を巡っては、米国など海外でも開発が進む。三菱重工は独自設計で、世界の開発競争に挑む。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC107M00Q2A610C2000000/?unlock=1
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一部引用以上
上の記事にも、一切のデメリット、弱点の指摘がないヨイショに終始していて、とうてい科学の思想から書かれているものではない。金儲けのための思想だけしか見えない。
子供たちの未来に、放射能による取り返しのつかない負荷、不安、核汚染を残すだけの愚かと言うしかない代物である。
黒鉛によって中性子を制御する炉型は、東海原発黒鉛ガス炉などで使われたが、プルトニウムでこれをやれば、出力が不安定になって熱暴走を起こしやすくなることが知られている。
「小さい」というだけで安全なはずがない。もしも、熱暴走が起きたとき、どのようにコントロールするのか? 考えても、確実なシステムが思いつかない。
X100以上の巨大な太陽風が地球に来たとき、この制御システムが安全性を確保できるという見通しなど、まったく存在しない。人類を滅亡に誘うことしかできないのだ。
「新型炉」と名前をつけてみても、従来の原子炉の「人類の未来に対する脅威」は、何一つ改善されていない。
我々は、こんな未来の安全性を理解できない愚か者たちに、我々の運命を委ねたくない。
こんな馬鹿げた発想をする暇があるなら、環境汚染を引き起こさない自然エネルギー、例えば海洋波浪発電などを研究しろ、馬鹿野郎! と怒鳴るしかないのだ。
三菱重工、トラック輸送できる超小型原発 30年代商用化 2022年4月18日
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC27DQN0X20C22A1000000/
三菱重工業はトラックで運べる超小型原子炉を2030年代にも商用化する。電気出力は従来の100万キロワット級の原子炉の2000分の1で、災害地域などでの脱炭素電源としての活用を見込む。
小型原発は地下に埋めることができ、事故のリスクを抑えやすい。世界的な脱炭素シフトで原発を見直す動きが広がる中、「小型化」技術の裾野が広がってきた。
開発するのは「マイクロ炉」という原子炉。電気出力は最大500キロワッ...
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引用以上
実は、超小型原子炉は船舶用動力源として、すでに半世紀以上の歴史がある。とりわけ、長期間の海中潜行を求められる潜水艦の動力源として、米ソ(ロ)に、すでに長い実績がある。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8E%9F%E5%AD%90%E5%8A%9B%E6%BD%9C%E6%B0%B4%E8%89%A6
原子力潜水艦の原子炉の形式は、現在までのところ一部例外を除いて加圧水型原子炉 (PWR) のみである。
別の代表的な原子炉形式である沸騰水型原子炉 (BWR)
が採用されたことはない。これは潜水艦においては海洋状態・気象・艦の機動によって船体が揺れたり傾いたりする可能性があり、沸騰水型では冷却水が炉心を十分に冷やせない事態が懸念されるためである。
なお、沸騰水型原子炉との比較の上で加圧水型原子炉では、いくつかの機械要素を追加しなくてはならない。例えば、蒸気発生器、加圧水を循環させる強力な循環ポンプ及びその高圧配管ならびに2次冷却水のためのポンプ及び配管は加圧水型原子炉にのみ必要となる。このため、加圧水型原子炉では構造が複雑となるものの利点も生じる。
つまり1次冷却水系統と2次冷却水系統が分離されているため、2次系にある蒸気タービンや復水器といった補機類の点検整備が放射線の危険から離れた位置で行うことが可能となるのである。ただし、1次冷却水が何らかの形で漏洩した場合はこの限りではなく、特に蒸気発生器は複雑で脆弱な配管構造を持ち、放射能漏れ事故の原因となり易い。実際に初期の原子力潜水艦においては信頼性が低く、これらの構造がしばしば事故の原因となった。
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一部引用以上
艦艇動力用小型原子炉の場合、大型の冷却設備が必要なBWRは使われず、約160気圧で運用されるPWRのみだった。
だが、PWRでは、一次冷却水の熱交換システムでピンホール漏洩が起きる頻度が高く、二次系タービンといえども、被曝安全性が高いわけではない。
だから、米軍原子炉担当軍人は、被曝による告訴をしない誓約を強要されている。
また、制御にホウ素を多用する構造から、トリチウムの発生量が桁違いに多い。艦艇動力原子炉では、それを海洋にダイレクトに放出するので、海洋トリチウム汚染が著しい。
PWR原子炉の場合は、環境汚染度が非常に高いといえるだろう。原潜の軌跡には放射能が検出されることが多いが、現在は、強力に隠蔽工作が行われていてニュースにならない。
三菱重工が開発する、新たな超小型原子炉=マイクロ炉は、径1m、長さ2m、出力0.5メガワットm設計寿命は25年と解説されているので、艦艇動力原子炉として最適なはずなのに、三菱側は、それを一切語っていないのが不思議だ。
5月の決算説明で、泉沢社長は、「脱炭素とエネルギー安全保障の観点から、原子力が再評価されている」と語った。
つまり、ロシアのウクライナ軍事侵略を追い風として、日陰者になっていた原子力開発を大々的に再進展させたいとの意思表明なのだ。
このような新技術は、普通は第一に軍事用として開発される。三菱重工のような軍事企業なら、なおさらそうだ。
軍事艦艇に積載できない、特別な事情があるのだろうか?
例えば、BWRが原潜に利用できない事情として、BWR冷却システムが艦艇運用上の揺れに弱いという問題があった。
しかし、泉沢社長の本音は、離島やへき地、災害時の電源として期待できると言っているものの、本当は軍事利用なのだ。ただ、今はそれを表に出さずに、平和利用のタテマエ、幻想を前提にしながら開発を進めたいのだろう。
今回、この記事を書くのに、必要な情報を収集していて、ほぼすべての紹介記事に、使用される核燃料と、使用済み核燃料の処理の問題、トラブル時の事故回避、過酷事故に関する記述が、どこにも見当たらないのに驚かされた。
三菱重工は、①軍事利用 ②核燃料 ③使用済み廃棄核燃料 ④トラブル回避 ⑤過酷事故に関する、一切の情報を封鎖していることが分かった。
これを紹介するメディアも、三菱側や日本政府に忖度して、一切のマイナス・デメリット情報を隠してしまっている。
我々は、調子の良いヨイショ記事しか見ることができない。開発に都合の悪い情報をすべて封鎖して、福島第一原発事故を起こした双葉町の「原子力、明るい未来のエネルギー」という看板と同じ、詐欺的で愚かすぎる妄想だけで盛大に宣伝しているのだ。
だから、この原子炉もおそらくフクイチ事故と同じような結末に至るのだろうと想像できる。三菱重工には、「子供たちの未来のために、どんな思想を基準にしなければならないか」という良心、深い洞察力が微塵も存在せず、目先の金儲けだけに拘泥する新自由主義に染まった馬鹿しかいないと断じてもよいだろう。
まず、この種の原子炉は、基本的に軍事利用を前提にして開発されるので、おそらく軍事艦船用動力源に利用するつもりなのだろう。防衛産業は儲かるから手を出さないわけにはいかないのだ。
使用される核燃料は、おそらくプルトニウム239だろう。熱出力と原子炉の大きさから考えてトリウム炉やウラン炉は使用できない。
だから、この原子炉は、25年間熱を発生し続けてから、廃棄され500年間の人為的な強制冷却期間が必要になるはずだ。最初は自然冷却で運用できても、最後には崩壊熱のため強制冷却が必要になる。プルトニウム239の崩壊熱が他の核燃料に比べて桁違いに大きいからだ。
もしも、この原子炉が軍事目的に使用され、ミサイルなどで攻撃を受けたなら、極めて深刻な放射能汚染=規模は小さくても、一般的な原子炉のメルトダウンと同じことが起きる。
大きさが小さい分だけ、防御機能も小さいので、通常火力で容易に撃破されるのだ。たぶん、魔法瓶のような桿体は、重機関銃クラスで容易に破壊することができるはずだ。
もし強力な防衛力を作れば、今度は臨機応変の運搬が困難になるのだ。
25年の寿命を全うできたとしても、この原子炉を、無害なものに変えるには途方もない時間、数千年~数万年がかかり、未来の人類に重い負荷を残すだけだ。
この意味では、最初に紹介した、潜水艦用のPWRの危険性、厄介性と大きな違いはなく、まさに双葉町の「原子力、明るい未来のエネルギー」という究極のお笑いネタと同じ運命を辿るに違いない。
以下に、三菱側に立った調子のよい説明記事がある。
https://blog.naver.com/PostView.naver?blogId=newsj850&logNo=222781218588
マイクロ炉は、原子力発電所で一般的な軽水炉とは異なる「新しい炉型概念」(三菱重工)という。軽水炉は冷却材と減速材として軽水(普通の水)を使うが、マイクロ炉では使わない。炉心の核分裂で生じた熱は、「高熱伝導体」を介して外側の伝熱管に伝わり、伝熱管内を満たす二酸化炭素(CO2)を加熱する。
加熱したCO2を原子炉の外の発電機に送ってタービンを回して電力を生む。
マイクロ炉の内部。850度に加熱した二酸化炭素を発電機タービンに送る

マイクロ炉は、軽水炉のような液体の冷却材を使わない「全固体原子炉」だ。炉心の高熱伝導体は円板形状で、材料は黒鉛系を想定する。この黒鉛の円板が、原子炉の冷却と減速材の役割を果たす。
核燃料が入っているのは、同じく黒鉛で造られた「燃料板」。この燃料板には、まるで「蜂の巣」のように複数の穴が空いており、燃料ペレットが「蜂の子」のように並ぶ。
黒鉛系材料を採用するメリットは、熱輸送能力の高さと軽さだ。黒鉛系材料の熱伝導率は銅の約4倍、密度はステンレス鋼の約4分の1とされる。
炉心は、高熱伝導体と燃料板を交互に重ねて構成する。直径1メートル×長さ2メートルという炉心サイズは、この複数の高熱伝導体と燃料板を重ね合わせたものの大きさだ。
こうした炉心の構造について、三菱重工原子力セグメント新型炉推進室主席技師の蒲原覚氏は「(ビスケットの)『オレオ』が重なり合っているような構造」と例える。
原子炉の容器も軽水炉とは大きく異なる。マイクロ炉には、原子炉と外部を隔てる金属製の「格納容器」は存在するものの、軽水炉にある「圧力容器」に該当するものは見当たらない。
格納容器は魔法瓶のような真空二重構造になっており、内部はアルゴンなどの不活性ガスで満たされている。真空二重構造にしているのは、高い断熱性により、熱利用の効率性を高めるのが狙いだ。
マイクロ炉の出力を制御する手段は、大きく分けて2つある。
1つは、通常の稼働時に出力を制御する「制御ドラム」である。詳細は明かさないが、炉心には複数の貫通穴が同心円上に空けられていて、その貫通穴に円筒形状の制御ドラムが挿入されているという。制御ドラムには中性子の吸収材が取り付けてあり、同ドラムを回転させて反応を制御する。
もう1つは、炉心中央にある非常用制御棒で、緊急時に自動で挿入される。なお、緊急時には格納容器の二重構造の中空部にガスを充填し、むしろ熱伝導性を高める。崩壊熱は自然空気循環によって取り除く仕組みで、格納容器の内部の圧力は上昇せず、安全を確保できるという。
海上コンテナ内に原子炉と発電機を収める
三菱重工は、マイクロ炉と発電機を組み合わせて、海上コンテナに収まるサイズまで小型化することを目指している。発電機の方式として検討しているのは「超臨界CO2ガスタービン」だ。原子炉から取り出した最大850度のCO2を使って発電機のタービンを回す。タービンを経たCO2は熱交換器を経由して、再び原子炉へと戻って循環する。
マイクロ炉による発電システム。海上コンテナ(幅2.5×高さ2.5×長さ12メートル)の内部に原子炉系と発電系のシステムを収める構想だ(出所:三菱重工業)
熱の輸送にCO2を使うのは、「発電設備を小型化するため」(蒲原氏)。CO2は圧力7.4メガパスカル、温度31度付近を超えると、気体と液体の区別がつかない超臨界流体になる。原子力発電所で一般的な蒸気タービンと比べて、超臨界CO2を用いるガスタービンは、中小型機の場合に発電効率を高められるとされる。マイクロ炉のメリットを生かすには、発電機にも工夫が求められるようだ。
課題は熱設計と遮蔽性
「興味深いのは、冷却材を喪失しない構造という着眼点だ」
―。こう話すのは原子炉の構造に詳しい、東京都市大学理工学部原子力安全工学科研究教授の高木直行氏である。
福島第1原子力発電所の事故では、冷却材(水)を喪失する事態に見舞われた。全固体原子炉であれば、冷却材が蒸発して減ることはないし、仮に格納容器が壊れたとしても、冷却材が漏れ出すといったリスクは抑えられる。
一方、実用化に向けては技術的な課題もある。1つは、熱膨張や熱応力による影響である。
格納容器の内部は、核分裂による高温にさらされる。黒鉛の熱膨張係数はステンレス鋼などと比べて小さい。異なる材料の部品を組み合わせれば、部品間に想定以上の力が加わって破損したり、すき間が生じたりする恐れもある。すると、炉心の冷却に支障をきたす可能性が出てくる。
放射線の遮蔽能力も課題の1つだ。高木氏によると、「マイクロ炉のサイズでそのまま十分な遮蔽ができるとは考えにくい」。
原子力発電所では、大量の水やコンクリートを用いることで、放射線の遮蔽対策がとられている。「断言はできないが、マイクロ炉の稼働時は遮蔽がなされた建物やトンネルの内部に、コンテナを入れるのかもしれない」(高木氏)
コンテナそのものに遮蔽体を設置すれば重くなるため、今度は可搬性が犠牲になる。すると、トラックで運べる「ポータブル原子炉」というコンセプトからは遠ざかってしまうとの見立てだ。
国内における次世代の原子力技術の開発は、11年の東日本大震災で停滞を余儀なくされた経緯がある。ここに来て、カーボンニュートラル(温暖化ガス排出量実質ゼロ)の動向や資源価格の高騰などを背景に、風向きが変わりつつある。マイクロ炉を巡っては、米国など海外でも開発が進む。三菱重工は独自設計で、世界の開発競争に挑む。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC107M00Q2A610C2000000/?unlock=1
***********************************************************************
一部引用以上
上の記事にも、一切のデメリット、弱点の指摘がないヨイショに終始していて、とうてい科学の思想から書かれているものではない。金儲けのための思想だけしか見えない。
子供たちの未来に、放射能による取り返しのつかない負荷、不安、核汚染を残すだけの愚かと言うしかない代物である。
黒鉛によって中性子を制御する炉型は、東海原発黒鉛ガス炉などで使われたが、プルトニウムでこれをやれば、出力が不安定になって熱暴走を起こしやすくなることが知られている。
「小さい」というだけで安全なはずがない。もしも、熱暴走が起きたとき、どのようにコントロールするのか? 考えても、確実なシステムが思いつかない。
X100以上の巨大な太陽風が地球に来たとき、この制御システムが安全性を確保できるという見通しなど、まったく存在しない。人類を滅亡に誘うことしかできないのだ。
「新型炉」と名前をつけてみても、従来の原子炉の「人類の未来に対する脅威」は、何一つ改善されていない。
我々は、こんな未来の安全性を理解できない愚か者たちに、我々の運命を委ねたくない。
こんな馬鹿げた発想をする暇があるなら、環境汚染を引き起こさない自然エネルギー、例えば海洋波浪発電などを研究しろ、馬鹿野郎! と怒鳴るしかないのだ。