リカバリー志向でいこう !  

精神科医師のブログ。
弱さを絆に地域を紡ぎ、コンヴィヴィアルな社会をつくりましょう。

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FEC(Food,Energy,Care)こそTPPの聖域。

2013年03月03日 | Weblog

TPPが目指す?自由貿易の利点として比較優位という事がいわれます。
国際分業してそれぞれが得意な分野で生産し貿易を盛んにすればお互いに幸せになれるという理屈です。
しかし地球上のリソースやエネルギーは有限なのに各国の生産の総和が最大化することが長期的に見ていいことでしょうか?
作った作物を輸送するのにも多大なエネルギーがかかります。無理な単一作物の大量生産で環境破壊をきたすおそれもあります。農業をおこなっている農村には農産物の生産意外の機能がたくさんあります。生産性が乏しいからといって農業生産をやめてしまうことが本当にいいのか・・。

むしろ内橋克人氏の言うようにFEC(Food,Energy,Care)の地域圏内自給こそ目指す方向性だとおもいます。
これこそが守るべき聖域です。
逆にFEC以外は自由にやればいいと思います。学問や芸術、科学の世界ですね。
インターネットをフル活用して世界中で取り組めば豊かな社会が待っています。

もっとも、著作権や特許など知的財産の項目をみるとACTAなどTPPはこれにも逆行しています。
そしてもっといえばTPPは自由貿易などではなく、むしろ米国に都合の良いブロック経済です。
グローバル資本が中国や東南アジア、インドなどの諸国にグローバル・スタンダード(アメリカンスタンダード)の俺様のルールでやらせろ~と圧力をかけて「商習慣・文化」というものを破壊してやりたいようにやるための文化・経済戦争なのです。

TPPが実現されれば世界中から資金を調達し、環境への規制がゆるく労働力の安い所で生産し、売れる所で売り、税金の安い所で納める、利益は1%で山分けということがますますやりやすくなります。
TPPはこれらのルールを秘密裏に非公開で議論し、経済の論理、大企業の論理で決めてしまう恐ろしい企みです。



企業は国家と違い環境や国民の生活に責任を負いませんからやりたい放題です。

TPPにおける対立軸は日本 VS アメリカ などではなく、グローバル企業・資本家(1%) VS 各国の市民(99%)です。
だから経団連などはメディアを取り込んでまで推進したいのですね。
彼らの言う国益ってなんでしょうね。

オープンにせず秘密裏にコソコソまとめて進めようとしているのは悪い企みだからでしょう。

三橋貴明の「新」日本経済新聞 【東田剛】これで国益を守れる?

介護認定審査会委員研修

2013年03月03日 | Weblog
日頃から高齢者に関わっている諸先生方はすでに経験されているであろう介護認定審査会の委員の役がついにまわってきました。任期は2年です。
本日はその新任委員研修に大町まで行って来ました。



利用できるサービスも増え介護を要する状態になったら介護保険サービスを利用することは普通になりましたが、介護保険制度にはその導入時から地域を育てるさまざまな仕掛けが組み込まれています。

必要な人に必要な介護サービスを提供するための保険ですが、悪徳業者や利用者もいるのである程度の公正な枠組みも必要です。
調査員の調査と主治医意見書をもとにコンピュータのロジックで出したデジタルな1次判定に対して、介護認定審査会で特記事項や主治医のコメントを元アナログな修正を加えて2次判定をだして要介護度が決定されます。

認定調査には事務費など間接コストの増大にはつながりますが、保健医療福祉の各分野からできるだけ多くの人を認定審査員に巻き込むことで高齢障害者をみる視点を広めようという意図は感じました。JPTECやICLSみたいなものですね。

しかし介護者がおらず介護保険サービスだけでは認知症高齢者や重度障害者、低所得者が施設ではなく地域で暮らしていくのはかなり困難です。
タイムスタディをもとにした介護にかかる時間だけで要介護度が決まり、主治医意見書や認定調査の特記事項にあっても施設・在宅の別、住宅環境、介護者の有無を要介護度の変更の理由にはできないというのはやはり不満がのこりますね。(実際はしているのでしょうが・・)
児童福祉、生活保護、年金、自立支援法、医療保険、介護保険などを一体にしてライフステージを通じて「溜め」を総合的に評価して自立を支援する制度ってできないものかと思いました。
ライフワークにしようかな・・。