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整備相談に見る苦情・クレームー1.最近の整備苦情・クレームの内容

2011年09月14日 | CS全般

おはようございます。株式会社ティオ代表、motown21主宰の山本です。
今日は、整備相談に見る苦情・クレームー1.最近の整備苦情・クレームの内容、です。

整備工場とお客さまとのトラブルは、色々なケースがある。
ある県の会員向けの機関誌に、平成23年度の第一四半期の全国に寄せられた整備相談の一部が
掲載されている。ケースは全部で8ある。

そのうち、車検整備に関する件数が4件、全体の半分を占めている。次に一般整備2件、点検と車販に
関するケースがそれぞれ1件となっている。

実に、整備相談の多くが「車検整備」に関することなのだ。
では、車検整備の何に対して相談が来ているかを見てみると。
半分の2件が料金に関することだ。整備内容に関するケースが1件、残り1件が傷をつけられたという内容だ。

車検整備は、整備工場の売上の約半分を占める、いわば経営の柱である。
その柱が、あってはならない苦情やクレームが多く発生している。

この8件の傾向が、全国の平均的な傾向というには、ケースが少なすぎて判断できないが、苦情・クレームの参考になる。
何が参考になるかと言えば、ユーザーが求めてことと、解決策の例である。

特に、私はユーザーが求めていることが何かの参考にしてほしいと思う。
それは、ニーズが分かれば苦情・クレームの発生を一つでも減らすことができるからだ。

解決策の事例も、大いに参考にはなるが、これは、苦情・クレームが発生した後の個別の対応策だ。
苦情・クレームは無いにこしたことがないので、その意味でニーズを掴む参考にしてほしい。

8件のケースを見てみると、「説明不足」がある。
例えば、車検料金を安くしてくれと言うので、前検査だけで納車した。その1カ月後に高速道路で止まってしまった。
その時の修理代金と、車検工賃を返却して欲しいという。

また、次のケースでは、事前見積で言われた金額が、実際作業に入ったら追加料金が必要と言われた。
断ると、車検に通らないと言われたので、仕方なしに中古部品を使うことで了承したが、納得いかない。

3つ目のケースでは、車検整備の完了連絡を貰って、引取に工場に行ったら、見積金額よりも高い請求を
言われた、事前了解も取らないで整備したことは、納得いかないし、追加料金は払いたくない。

如何だろうか。今少し、丁寧に説明するなり、書いたものをお渡ししておけば、防げたケースではないだろうか。
二番目のケースなどは、外観だけ見ての見積もりだったそうだ。

であれば、そのことを事前に伝えておくことと、または、外観見積と分解見積のどちらかを選ぶ方法にする。
この選択方式は、違いを必ず聞いたうえで、どちらかに決めることになるので、必ず説明することになるし、
追加整備の発生も当たり前のこととして受け取ってくれる。

また、走行距離、前回の車検整備、定期点検の実施状況、日頃の維持管理の状態などを掴むことで、
外観以外の交換部品を予想して、追加の可能性を見積書に入れておくなどすることで、十分防げた。

一手間かけていれば、あるいは、もう少しきめ細かくしていれば、防げたケースが圧倒的に多いということ。
こう考えてみると、CSの根本である「お客様優先」ということが、どれほど社員が理解しているか気になる。

お客様優先というのは、お客さま「が」理解するのが「CS」であって、お客さま「を」理解させることではない。
お客さまが理解するには、どのような説明が必要なのか、どのタイミングで連絡を取るのか、言葉だけではなく、
別な方法がないのか、こうしたことを解決しないと同じようなことが起きる。


株式会社ティオ
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コメント (2)
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